バンコク会合
FoEがバンコク会合に求めること
『森林を炭素市場から救い出せ』
森林をカーボン・オフセットの対象とすべきではありません。FoEは、特に途上国における森林が吸収・貯留している炭素を市場で取引しないことを求めます。なぜなら先進国が自国で温室効果ガスを排出し続けるために、政府や大企業が途上国の森林を買い占め、森林に生計を依存している16億もの人々の生存を脅かすことが懸念されるからです。
次に、天然林を大規模単一種植林に転換するようなREDD(=Reducing Emissions from Deforestation and Degradation in Developing countries=森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減)の提案は拒否しなければなりません。
現在の国連交渉における各国のREDD提案では、天然林だけでなく大規模単一植林も森林と定義されるため、REDDの資金が大規模単一種植林への転換に使われる可能性があります。大規模単一植林への転換は、天然林を食料や薬の供給源として、またシェルターとして利用している人々に、衝撃的な社会・経済影響を及ぼします。
森林減少に対処する真の方策は、特に先進国における紙や食肉の過剰消費の削減と天然林の大規模単一種植林・農園への転換を停止することなどを目的としなければなりません。さらに、いかなる方策においても、先住民族の“Free Prior and Informed Consent(自由で事前の十分な情報を得た上での合意)を得ること、慣習的な土地に関する各権利を確認することが必要です。
○ 詳細 ○
森林を用いたカーボン・オフセットは非効率的で危険であり、さらに気候変動問題や森林減少問題に対処するための真の努力を弱める結果につながります。
カーボン・オフセットという提案は、先進国が温室効果ガスを排出し続けながら森林を買い占めることにつながり、気候変動の防止や森林減少の防止の努力をないがしろにしてしまいます。木を切ることを防ぐために森林を買い占めるのは、単に伐採対象を他の地域へ移すだけのこと。森林に依存する人々や先住民族の生活を犠牲にした土地の剥奪を促進させることとなり、とりかえしのつかない悲劇を招きます。
森林を買い占めることでの化石燃料由来の温室効果ガスの排出オフセットは、化石燃料由来の排出を回避することを保障できません。地球の気温が上昇するにつれ、旱魃による枯死、森林火災、病害虫被害などを被ることになり、たくさんの森林が炭素を吸収する代わりに炭素を排出し始めます。
また、6千万人の先住民族を含めた16億人の人々が、食料、薬、建材などの生計手段を森林に依存しています。炭素市場に森林を取り込むことは、土地の占有を誘発し、こうした人々の生存を脅かします。
現在国連で議論されているREDD提案では、大規模植林も森林と定義されるため、REDDのための資金が、天然林を大規模単一種植林に転換するために使われる可能性があります。こうした植林は、原生林が貯留する炭素の最大でも2割分しか炭素を貯留できません。よって炭素排出削減のためのREDDの影響力を弱める結果につながります。天然林の大規模植林への転換は、森林を食料や薬の供給源として、またシェルターとして利用している人々に、衝撃的な社会・経済影響を及ぼします。
現在、森林減少による二酸化炭素排出は世界全体の年間二酸化炭素排出量の約5分の1を占めるため、森林減少を一刻も早く防止しなければなりません。現在のREDD提案の多くは森林を炭素市場に取り入れるもので、森林保護のための公平で適切な枠組みの提案とはいえません。
森林減少は、森林に依存するコミュニティーの土地に関する権利支援など、コミュニティーを基盤とした林業に資金提供することにより回避できます。また、森林減少問題は、大規模バイオ燃料生産や特に先進国における非持続可能な消費レベル(紙や食肉の大量消費など)に直結しています。
従って、森林減少に対処する方策は、過剰消費の削減と大規模バイオ燃料生産からの森林保護(大規模バイオ燃料生産のための天然林の転換防止と間接的な影響への対処)を目的とした政策とイニシャティブでなければなりません。






