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プロジェクトの概要 |
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これまでの動き・活動 |
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プロジェクトの概要
目的: 3灌漑システムの確立による同地域の
農業生産基盤の強化、増産、農民の生計向上、雇用の創出
>マリナオ・システム(4,960ヘクタール)=フェーズT
>バヨガン・システム(4,140ヘクタール)=フェーズU
>カパヤス・システム(1,160ヘクタール)=カパヤス事業およびフェーズU
・ボホール灌漑事業(T)
4,960ヘクタールの灌漑(水利組合13団体の農民3,000人)
- マリナオダム(堤高20.4m、堤長846m、貯水面積1.43ku、貯水容量590万立法メートル)
- 主水路(27km)
- 側水路(39km)
- 2,953ヘクタールにおける灌漑地への転換作業
・カパヤス灌漑施設建設計画
750ヘクタールの灌漑(水利組合4団体の農民667人 )
- カパヤスダム(堤高20.5m、堤長1,160m、貯水面積0.8ku、貯水容量370万立方メートル)
- 主水路(2.9km)
- 側水路(11.80km)
- 200ヘクタールにおける灌漑地への転換作業
・ボホール灌漑事業(U)
既存のカパヤス灌漑地域750ヘクタールを含む合計5,300ヘクタールの灌漑(既存のカパヤス水利組合4団体を含む水利組合16団体の農民3,605人)
- バヨバンダム(堤高35.5m、堤長855m、貯水面積3.14ku、貯水容量3,460万立方メートル)
- 主水路(17.73km)
- 側水路(41.62km)
- 2,910ヘクタールにおける灌漑地への転換作業
- カパヤス灌漑地域の側水路の延長(総計19.45kmまで)
- カパヤス灌漑地域の新たな410ヘクタールの灌漑地への転換作業
- マリナオ灌漑システムの主水路からバヨガンダム貯水池に延びる分水路
- バヨガン灌漑システムの主水路からカパヤスダム貯水池に延びる分水路
総事業費: 約170億円
・ボホール灌漑事業(T) 78億5,500万円
・カパヤス灌漑施設建設計画 約17億円
・ボホール灌漑事業(U) 約70億円
事業実施者: フィリピン国家灌漑庁(NIA)
融資機関: 国際協力銀行(JBIC:旧海外経済協力基金(OECF))
サイト位置: ボホール州北東部
・ボホール灌漑事業(T) ピラー、アリシア、サン・ミゲル、ダゴホイ、ウバイ各町
・カパヤス灌漑施設建設計画 ウバイ町
・ボホール灌漑事業(U) ウバイ、サン・ミゲル、ピラー、トリニダッド各町
被影響住民の数:
・ ボホール灌漑事業(T)
移転 102世帯
土地転換に従事した土地所有者 1,362人(この他、そこで耕作していた小作)
高い水利費を支払う義務を負う農民 3,000人
・ カパヤス灌漑施設建設計画
移転 なし
土地転換に従事した土地所有者 (この他、そこで耕作していた小作)
高い水利費を支払う義務を負う農民 667人
・ ボホール灌漑事業(U)
移転 100世帯
主水路・側水路用の土地収用 570件(うち主水路 150件)
土地転換に従事することになる土地所有者 (この他、そこで耕作している小作)
高い水利費を支払う義務を負うことになる農民 3,000人 |
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日本政府(外務省)の役割: ・ カパヤス灌漑施設建設計画(1/2期)
無償資金協力 一般無償(一般プロジェクト無償)14億3,300万円(1990年)
・ カパヤス灌漑施設建設計画(2/2期)
無償資金協力 一般無償(一般プロジェクト無償)2億3,400万円(1991年)
国際協力銀行(JBIC)の役割:
・ ボホール灌漑事業(T)
円借款によるエンジニアリング・サービス9000万円の融資契約(1980年6月)
46億円の融資契約(1983年9月 第11次円借款パッケージ)
・ ボホール灌漑事業(U)
60億7,800万円の融資契約(1999年12月 第23次円借款パッケージ)
国際協力機構(JICA)の役割:
・ カパヤス灌漑施設建設計画
基本設計調査(1990年2月)(上述の外務省・無償資金協力の一環)
・ ボホール灌漑事業(U)
実行可能性調査(1985年11月)
日本企業の関わり: ・ ボホール灌漑事業(T)
日本工営、三祐コンサルタンツ(コンサルタント) ・ ボホール灌漑事業(U)
日本工営(コンサルタント) 。
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●ボホール灌漑事業(T)
お粗末な事業実績
・ 4,960ヘクタールを灌漑し、3,000名の農民(土地所有者および小作人)が同事業の恩恵を受けるはずであったが、現在の平均灌漑面積は3,100ヘクタールにとどまっている。こうしたダムからの灌漑用水の供給不足から平均約1,800ヘクタールの土地では灌漑ができず、米の栽培ができない状態が続いている。(参考:水源であるワヒグ川およびパマクサラン川からの流水量が不足していたことから、2004年12月時点での灌漑面積は900ヘクタールにとどまっていた。)
・ この灌漑用水の供給不足の原因は特定されておらず、問題の解決も図られていない。
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灌漑地への転換における問題(生計手段の喪失のケース) ・ 4,960ヘクタールの農地を灌漑するため、2,953ヘクタールの土地を灌漑用地に転換するための作業が行なわれた。しかし、水不足のため、灌漑地に転換した後も灌漑ができず、米を栽培できないケースが多く見られる。
・ 土地の転換作業の際に栄養分を含んだ土壌をブルドーザーや水牛などで掘り起こしてしまったため、米どころか、土地の転換前に栽培することのできていたコーンや野菜などの作物も栽培するのが困難になってしまったケースが見られる。この農民の生計手段の喪失に対する補償は一切行なわれていない。
・ NIAと土地転換に同意した土地所有者1,362名との間で結んだ覚書(1996年6月18日)によれば、灌漑地への転換にかかった費用(ブルドーザーの使用や労働賃金など)は各々の土地所有者が負担することになっている。合計で1億1,987万9,732ペソにものぼるこの費用は各々の土地所有者が10年内にNIAに返済する義務を負っている(20回の分割払い=1年に2回)が、多くの農民が支払えておらず、NIAへのさらなる借金となっている。また、10年内(2007年)に返済できなかった場合、当該土地の所有権をNIAに譲渡することになる可能性も懸念されている。
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高い水利費の負担・借金化
・ (ダムからの水の供給不足などによって)米を栽培できる、できないにかかわらず、水利組合の農民3,000名(13の水利組合)は、毎収穫後、1ヘクタール当たり150kgの米を水利費としてNIAに支払う義務を負っており、(現在、フィリピン国家食糧庁の米買取価格は1kg当たり10ペソなので、150kgは1,500ペソに相当。2期作なので、1年で1ヘクタール当たり3,000ペソの支払いとなる。)農民の生活の負担になっている。
・ 支払えない場合には、NIAへの借金として記録されており、毎月1%の利子が課せられる。
・ 事業前から米を栽培していた土地においては、事業後も収穫量が変わらない場合、水利費分が逆に追加的な負担となり、毎期の純収入が落ちているケースが見られる。
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●カパヤス灌漑施設建設計画
お粗末な事業実績
・ 750ヘクタールを灌漑する目的であったが、現在の灌漑面積は539ヘクタールにとどまっている。
・ この灌漑用水の供給不足の原因は特定されておらず、問題の解決も図られていない。(NIAの気象的な雨水不足によるという主張に対し、農民からは、貯水池にある観光用の水上レストランの景観を保つために、ダムからの十分な灌漑用水の供給が行なわれていないという指摘がなされている。)
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高い水利費の負担・借金化
・ (ダムからの水の供給不足などによって)米を栽培できる、できないにかかわらず、水利組合の農民3,000名(13の水利組合)は、毎収穫後、1ヘクタール当たり150kgの米を水利費としてNIAに支払う義務を負っており、(現在、フィリピン国家食糧庁の米買取価格は1kg当たり10ペソなので、150kgは1,500ペソに相当。2期作なので、1年で1ヘクタール当たり3,000ペソの支払いとなる。)農民の生活の負担になっている。
・ 支払えない場合には、NIAへの借金として記録されており、毎月4%の利子が課せられる。
・ 事業前から米を栽培していた土地においては、事業後も収穫量が変わらない場合、水利費分が逆に追加的な負担となり、毎期の純収入が落ちているケースが見られる。
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●ボホール灌漑事業(U)
水源の確保に関する懸念(事業目標の達成に対する疑問)
・ 現在も十分な事業実績をあげることができていないカパヤス灌漑システム(目標1,160ヘクタール)を含む5,300ヘクタールに灌漑用水を供給することが目標とされている一方で、そのために必要な灌漑用水のうち約60%を依存するマリナオダムからの余剰水が実際に確保できるのかという懸念があげられている。
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灌漑用地への転換に関する懸念
・ バヨガン灌漑システムにおいて2,910ヘクタール、また、カパヤス灌漑システムにおいて410ヘクタールの土地を新たに灌漑用地へ転換する計画になっているが、フェーズ(T)と同様のプロセス(覚書等)を踏むことによって、土地所有者、農民に対する土地の転換費用の負担・借金化、また、水不足が起こった際の生計手段の喪失、土地所有権の譲渡の問題などが懸念される。
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高い水利費の負担・借金化に関する懸念
・ マリナオおよびカパヤス灌漑システムの農民と同様、バヨガン灌漑システムの農民も、同様の高い水利費を支払う義務を負うこととなり、NIAへの借金化、あるいは、純収入の減少が懸念される。
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補償プロセスにおける問題(支払いの遅延、約束の不遵守など)
・ 土地収用に対する補償の未支払いのケースが依然として多く見られる。(2004年11月30日時点のNIAのデータによれば、貯水池地域で全359件中37件の未支払い、主水路予定地で全150件中114件の未支払い、また、側水路予定地で全420件中350件が未支払い。)
・ 約束されていた移転迷惑料は一切支払われていない。
・ NIAや地方自治体職員で構成される小作人認定委員会で小作人として認定されなかったため、約30名の小作人が補償として支払われるべき財政補助を受け取れていない。
・ 約束された建設現場での雇用の優先権が与えられていないケースが多く見られる。雇用されたとしても、定期雇用ではなく、契約雇用としてであり、数ヶ月という短期間の雇用で終わるケースも多く報告されている。
・ 竣工後、貯水池の直上に住むことになる数世帯(残りの住民は家屋が貯水池に沈むため、すでに他所へ移転)は、家屋が土砂侵食や地滑りによって影響を受ける、貯水池に囲まれるような形となるために周辺とのアクセスに問題を抱える、また、近くにあった自分たちの農地が貯水池に沈んでしまうためにその場で生計を立てるのが困難となる等の懸念を示している。
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4.日本政府およびJBICの問題点と今後求められる対応 |
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問題点:
1. 融資承認前の段階における不十分な社会・環境影響評価
2. 事業のニーズ/代替案に対する不十分な評価
3. お粗末な事業実績(JBICの事業事後評価方法への疑問)
4. 実現されない適切な協議と情報公開
5. 事業の実施中・実施後における不十分なモニタリング・評価
6. 対処する仕組みがなく残される未解決の問題
今後求められる対応:
1. 全灌漑システムの水源確保に関するデータ・資料の公開
2. フェーズTおよびカパヤス灌漑計画に見られる問題点の検証(事業実績の検証、灌漑面積の検証、および、事業前後での受益農民の生活水準の比較検証などを含む)および問題解決への適切な対応
3. フェーズ1およびカパヤス灌漑計画の問題検証を踏まえた上でのフェーズUにおける適切な対応(フェーズTおよびカパヤス灌漑計画の問題検証を終えて、適切な対応によって問題解決が図られるまでのフェーズUへの融資凍結)
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1972年〜
1980年6月20日
1983年7月
1983年9月9日
1985年11月
1988年
1990年
1990年2月
1991年
1991年12月
1992年
96年5〜98年4月
1996年6月18日
1996年12月
1998年3月
1998年12月28日
1999年12月28日
2003年8月
2004年12月
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ワヒグ・パマクサラン川灌漑事業の構想(現在のボホール灌漑事業に)
JBIC、フェーズTのエンジニアリング・サービス9,000万円の融資契約(円借款)
日本政府、フェーズTへの円借款供与に関する交換公文(E/N)を締結
JBIC、フェーズTへの46億円の借款契約(第11次円借款パッケージ)
JICA、フェーズUの実行可能性調査(F/S)
フェーズTの着工(建設受注企業の問題で工事中断)
日本政府、カパヤス灌漑施設(1/2期)への無償資金協力14億3,300万円を決定
JICA、カパヤス灌漑施設 基本設計調査
日本政府、カパヤス灌漑施設(2/2期)への無償資金協力2億3,400万円を決定
カパヤス灌漑施設建設計画 竣工
フェーズTの工事再開(韓国企業 ハンジンが受注)
フェーズTにおける灌漑用地への土地転換作業(2,953ha)
NIAと土地所有者1,362名の土地転換に関する覚書の締結
フェーズT竣工
JBIC、フェーズTへの貸付完了(実行額45億2,600万円)
フィリピン環境天然資源省、フェーズUの環境適合証明書(ECC)を発行
JBIC、フェーズUへの60億7,800万円の融資契約(第23次円借款パッケージ)
フェーズU着工
フェーズU 事業の27%を完了
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・ フェーズUにおける土木工事、貯水池地域および主・側水路の移転・補償が進められている。
・ 工期は約6年を予定。(当初予定では、2000年1月着工、2005年12月竣工予定)
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