聞こえていますか、私たちの声 オンダンカクサの現場から
ツバル/Tuvalu
太平洋の連なるサンゴ礁と環礁で形成されている国 − ツバル。温暖化影響による海面上昇の被害を最も受けやすく、地球温暖化によって最初に沈む国と言われています。最も高い土地でさえ海面から4.5メートルの高さしかなく、大潮の影響等で島民の生活の存続が脅かされています。ツバルはこうしている今も、海水の押し寄せによって島が削られているのです。

■ 島が消える

「最近、首都がある本島に近い島のひとつが姿を消しました。」と前ツバル首相のマアティア・トアファ氏は話します。ハワイとオーストラリアの中間に位置し、太平洋に散在する9つの島から成り立っているツバルは、その狭い国土のせいで、全ての島民が海岸沿いで生活しています。そのため、海面上昇による高潮や洪水等の水害が多発しています。島には海水が押し寄せ、土地が塩性化し、農地が汚染されつつあります。人々は地元の作物より輸入食品を購入するようになり、これにより、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の増加等、新たな健康問題が生まれています。

■ 被害の連鎖

サイクロン、竜巻、洪水、高潮等が大規模化しています。温暖化と海面上昇よってこれらの災害が活発化しているからです。1972年に起きたサイクロン・ベベは、800人が家を失いました。さらに、島内に溢れ出した海水によってマラリアやデング熱などの感染症が流行し、温暖化はさらなる被害の連鎖を引き起こしています。

■ 後悔しないチャレンジ

ツバル政府は現在、「後悔しない政策」という農業改革、自然保護、植林等を柱としたツバルの保全に向けた政策を実施しています。しかし、その一方で、島民達には国外への移住も推進しています。ツバルは海面上昇が原因で住民を避難させた最初の国です。国内でも、離島よりも大きな島への移動が行っています。また、逃げようにも行き場所のない人もたくさんいます。それらの人々は打ち寄せる波にただ怯えながら、生活しています。

■ 人類の損失

この様に、ツバルの生活と文化は、温暖化によって破壊されようとしています。国土の小さなツバルにとって、海面上昇は、一国の文化、経済、生活を全て壊してしまう程の脅威です。ツバルの人々はCO2をほとんど排出しない生活を送っているにもかかわらず、私達先進国が引き起こしている温暖化によって彼らの生活が脅かされているのです。ツバルが沈むこと、それはつまり3千年もの間ツバル人がこの楽園とも言える島で生き延びてくることを可能にした伝統や文化が海にのみこまれてしまうことを意味します。そのような事態が、今世紀中に現実のこととなる可能性は十分あり、人類にとっての大変な損失となるでしょう。

ツバル 海面上昇で、行き場を失う島民

シウイラ・トロア
(教師、ツバル赤十字元事務局長、ツバルの環境グループIsland Care理事)

温暖化問題から目をそらそうとする国がありますが、私達にはそらすことなんてできません。ツバルは小さな国です。その小国が大きな問題に直面しています。もし予測されていることが現実となり、ツバルが海に沈んでしまうことになれば、この国の人々の命が失われるかもしれないのです。この小さな島国は、CO2をほとんど排出することなく、地球規模の温暖化に寄与してきたわけでもないのに、最も苦しめられているのです。
ツバルの人々は、住む場所を失い、温暖化難民となる可能性があります。これはツバル人の主権や昔から受け継がれてきた文化や習慣を失うことになります。
ツバルの人々は、海産資源などのごく身近な自然環境に大変依存して生きています。人々は昔から作ってきた作物や海産物の収穫が明らかに減っていることに気がついています。
2003年に、それまでで一番驚かされる現象が起こりました。あるとても穏やかな日に高波が襲ってきて、海岸地域一帯に影響を及ぼし、農園がたいへんな被害に遭いました。その後、しばしば干ばつが頻繁に起こるようになり、3ヶ月も続いたりします。塩害によっても、ツバルで栽培できる農作物が減っています。ツバルの8島のうち6島で昔から作ってきた農作物が影響を受けています。住宅にも影響が出始めています。また地下水の塩分濃度も上昇しています。地下水はツバルにとって飲料水の主な水源で、貴重な水源のひとつを失ってしまいました。

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アニー・ホマシ
(ツバル非政府組織連合コーディネータ)

温暖化による気温の上昇が人々に影響を与え、海面も上昇をしています。3月の大潮では、コンクリートでできた私の家の基礎の半分が水に浸かりました。
オーストラリア政府は今のところ温暖化難民の受入を検討しておらず、あまり好意的ではありません。これに比べればニュージーランドは柔軟で、ツバル政府との間で今後の移民計画が交渉されています。しかし、ツバルを捨てて移住するということは、我々の文化や価値観にとって望ましいことではありません。ここでは、どのように行動すればよいのか、またどのように分相応の暮らしをすればよいのか全て分かっています。他の場所に住むとなれば、快適な生活は営めないでしょう。自分たちの土地や家、祖先が暮らしてきた場所に住みたいのです。ツバルの人々は難民と呼ばれたいとなんてけして思っていません。

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情報提供:ステファニー・ロング / FoE オーストラリア、 ジャニス・ワームワース
(Voice from communities affected by climate change)

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