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Today紙 「JBIC、ダムへの融資を止めるよう求められる」(2005.03.12)

3月14日の国際反ダム・アクション・デーにはRWESA-Philippinesが全国規模での活動を行ないました。この記事はその活動の一環として行なわれたマニラでの記者会見を地元紙が取材して書いたものです。

2005年3月12日
RHODINA J. VILLANUEVA 記者 署名記事



JBIC、ダムへの融資を止めるよう求められる


NGOのネットワークは、国際協力銀行(JBIC)が何千人もの小農民と先住民族を移転させるだけでなく、災害を自ら招くことになるだろうと述べ、フィリピンにおける巨大ダム事業への融資を止めるようJBICに要求した。

東・東南アジア河川ウォッチ・フィリピン(RWESA-Phils)のメンバーは、JBICがフィリピン南部の北ダバオ州とコンポステラ・バリー州に位置する別のダム事業への融資を迷っている、と言った。RWESA-Philsはフィリピンにおいて破壊的な河川開発事業を中止するために運動を行なっているダムの被影響住民と住民組織の全国ネットワークである。

同案件は国家灌漑庁(NIA)と日本の海外農業開発協会(OADA)による共同事業(FoE Japan注:OADAの関わりは、調査段階での補助調査。)だ。38億ペソの事業に対する融資が、OADAの仲介によってJBICからなされることになる。

ケソン市で開かれた記者会見の席で、Hugpong Dibabawon and Manguangan (Hudima)の先住民族DibabawonsとManguangans部族は北ダバオ州のサウグ川多目的ダム事業(SRMDP)に反対した。

「この事業は危険かつ不適切なものだ。同事業は、影響を受ける地域に暮らす先住民族と小農民の中に混乱を生じさせ、更なる苦しみをもたらすだろう。」とHUDIMAの代表Edeleano Otbot氏は述べた。

推定で2万人の住民が事業の影響を受けることになる。

SRMDPはDibabawonsとManguangans部族の先祖代々の土地660ヘクタールと重なっている。事業地はまた、The Philippine Rift Zone、The Philippine Trench、The Davao Trenchという3つの大きな地震断層につながっているため、活断層地域でもある、とOtbot氏は言った。

DANOFAのスポークスパーソンであるAmancio Carmelo氏は、「同地域の農民らが事業の利益を受けない一方で、アサンション町の6つの村で農地が沈んでしまう。というのは、堤高49m規模のダムの貯水池を作るために、700ヘクタールの森林地が一掃されるからだ。」と述べた。

同ダム事業を通じて病気が蔓延する可能性もある。最近の健康に関する調査の中で、ニュー・コレラ町の7つの村でSochistoma Japonicaという精神分裂病につながる飲料水媒介の寄生虫が広まっているということがわかった、と彼は述べた。一旦ダムが建設され運用されれば、水田に続く側水路に沿って流れていく水によって、その寄生虫が運ばれていくことになるだろう、とCarmelo氏は述べた。

現在、フィリピンでは計画、建設段階などさまざまな段階にある巨大ダム事業が14件あるが、その大半はJBICによって融資されているものである。

一方、Kalikasan-PNEの全国コーディネーターClemente Bautista氏は、「これまでの経験は、フィリピンにおけるJBICのダム事業が決して住民の利益につながっていないことを示している。一層悪いことには、それらのダム事業は環境破壊、住民移転、生活手段の崩壊、政府内の汚職、そして、外国多国籍企業による私たちの水やその他の自然資源の乱用を招いてきた。」とBautista氏は述べた。


※RWESA-Philsの国際反ダム・アクションデーに合わせた一連の活動の情報

> FoEJ 現地レポート 「RWESA-フィリピンの国際反ダム・アクション・デー」(2005年4月2日)

> RWESA-Philippinesのプレス・リリース(2005年3月10日)

> サンロケダムの問題に取り組む地元団体 TIMMAWAのポジション・ペーパー (2005年3月10日)

> ボホール灌漑ダムの問題に取り組む地元住民のプレス・ステートメント (2005年3月8日)

> サウグダムの問題に取り組む地元団体の共同要請書 (2005年3月10日)

> RWESA-Philippinesのプレス・ステートメント (2005年3月14日)

> RWESA-PhilippinesからJBICマニラ事務所へのレター(2005年3月15日)
   「JBICの融資する巨大ダム事業に関する会合の遺憾な取り消しについて」

> サンロケの地元住民が反ダムアクションデーに行なった活動の関連記事 (2005年3月17日Sunstar紙)

※個別のダム事業に関する情報

> サンロケ多目的ダム事業

> ボホール灌漑ダム事業

> サウグ川多目的ダム事業

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