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ボホール灌漑事業
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地元のプレスステートメント (2005.03.08)
※このステートメントは、3月14日の国際反ダム・アクション・デーの活動に合わせたRWESA-Philippinesの活動(記者会見および日本政府とのマニラでの会合)のために用意されたものです。

2005年3月8日
PANAGBUGKOS KONTRA-K4
(Panagbugkos sa Katashang Bol-anon Batok sa Kagutom, Kalisod, Korupsyon ug Krisis)
(Unity of Boholano People Against Hunger, Poverty, Corruption and Crisis)
飢餓、貧困、汚職、危機に反対するボホール住民組織連合体


「小農民の農業開発の希望をかき消し、国をより借金と汚職漬けにする巨大ダム」
 
 

ボホール、特に北東部では、農業開発と農民の収入増加を見込んだ灌漑用の水源として、巨大ダムが計画され、実施されている。

ピラー町のマリナオダム(ワヒグ・パマクサラン川)、つまり、ボホール灌漑第1期事業(BHIP-1)は、日本の政府開発援助(ODA)による借款14億ペソを使って行なわれている事業で、1997年から使用されている。具体的に目に見えて失敗なのは、そのダムが保証し目的としていた灌漑面積である。このダムは4,960ヘクタールの田んぼに灌漑用水を供給するはずであったが、最大でも3,060ヘクタールの田んぼにしか灌漑できていないのである。同事業は、広大な土地をならして田んぼにしようと行なった土地転換の作業によって、約1,500ヘクタールの生産性の高い農地を破壊してしまった。ブルドーザーでならし肥沃な表土を失ってしまったこのような土地では、ダムの能力を過剰に見積もったおかげで水が届かないため、現在何も生産できず、放置された状態となっている。農民は彼らの生産力のあった土地を失っただけではない。彼らは土地転換の作業に関して結んだフィリピン国家灌漑庁(NIA)との合意のプロセスの中で、巨大な借金を抱えてしまっているのである。農民らは、私たちの農地に対する損害を誰が賠償してくれるのか、と疑問を抱いている。そして、「私たちの土地転換の作業に関する負債は取り消されるべきだ!」と述べている。

カパヤスダムは水源を雨に依存し、750ヘクタールの灌漑を目標としているが、使用段階では約500ヘクタールしか灌漑できていない。現在、同ダムは観光用の水上レストランのためにも利用されており、ダムの受益農民らの主張では、それが(ダムからの)放水制限を招いている。

これらの2つの既存のダムは、農民の生産性および収入の向上に失敗した。彼らはダムがまだなかった時と同じように、毎年雨季に年二回、米を植えている。にもかかわらず、年に1ヘクタール当たり米300キロという水利費が高い生産コストに加わっている。ある受益農民は次のように言っている。「ダムができて、私たちはまるで雨に支払いをしているようなものだ。」

バヨガン貯水ダム(ボホール灌漑第2期事業:BHIP-2)は現在、実施段階にある。同事業は日本の国際協力銀行(JBIC)のODA借款23億ペソで進められており、堤高35.5メートル、堤幅855メートルのダムを建設し、4,140人の農民を含む5,300ヘクタールの灌漑を目的としている。同事業はエコツアー部門を含んでいる。しかし、同ダムは依存できる水源を持たない。というのも、同ダムは水源を雨水とマリナオダムから来るはずの余剰水に依存することになっているからだ。経済的な影響、環境面での懸念、また、大きな被害の起こる可能性は、1980年代の同事業の計画段階以来、反対の主な理由としてあげられている。

軍隊の展開、経済的な逼迫、そして、影響を受ける農民に対する高い補償パッケージの提示といったものが、沈んでしまう農地で暮らしてきた400人以上の農民の反対の声を弱める結果となった。影響を受ける農民や小作への補償はすべて終わっているわけではないが、同ダムの土木工事は2004年に始まった。工事は5年後に完了する予定となっている。影響を受ける農民はダム建設労働者として雇用されているが、ダムの完成後、彼らは自分たちの土地もないまま、一体どこで生計手段を見出すというのか。

マリナオダムの受益農民らは、バヨガンダムの建設に反対してきた。ずっと巨大で、エコツアーの部門を伴うバヨガンダムが優先されれば、ただでさえ不十分なマリナオダムの水がバヨガンダムを満たすために取られてしまうからだ。前回2004年の田植え期には、4,960ヘクタールのうち約900ヘクタールの田んぼしか灌漑されていなかった。こうした状況と不十分さから、バヨガンダム事業は無用の長物であると言え、マリナオダムの受益農民に犠牲をしいるものなのである。

1億6,500万ペソを予算とした別のダム、タリボン小規模貯水ダムは、1,000ヘクタール以上を灌漑することになっていた。1995年に建設の前段階が開始され、1999年に完成予定だった。しかし、報道によれば、1億6,500万ペソの予算がすでに同事業のために費やされたにもかかわらず、今日までダムも、そしてその影さえ存在していない。NIAの調査は、汚職の証拠を示しており、下院ではANAKPAWIS党を通じて、議会質問が提出されている。

ダムの灌漑システムにおけるこうした経験は、巨大ダムが高くつくにもかかわらず、非効率な灌漑手段であることを明らかにしている。そして、巨大ダムが環境破壊、経済的な影響、土地の転換を引き起こすこと、また、汚職の温床となったり、政府の財政源の優先的な充当先を明らかに狂わせるような政府の巨大債務につながることを明らかに示している。こんなばかげたことは、すぐに中止されるべきである。

もし政府や海外の融資機関の役人らが、私たちの農業セクターの貧しい状況を利用して富を得ようとするのではなく、貧困農民に対する効果的な農業支援を真摯に提供しようとするならば、経済的にも安価で環境にもやさしい代替の灌漑システムを研究・実施できるし、するべきである。

PNAGBUGKOS Kontra-K4
メンバー
John Ruiz III


※RWESA-Philsの国際反ダム・アクションデーに合わせた一連の活動の情報

> FoEJ 現地レポート 「RWESA-フィリピンの国際反ダム・アクション・デー」(2005年4月2日)

> RWESA-Philippinesのプレス・リリース(2005年3月10日)

> サンロケダムの問題に取り組む地元団体 TIMMAWAのポジション・ペーパー (2005年3月10日)

> サウグダムの問題に取り組む地元団体の共同要請書 (2005年3月10日)

> RWESA-Philippinesの活動に関連した記事 (2005年3月12日Today紙)

> RWESA-Philippinesのプレス・ステートメント (2005年3月14日)

> RWESA-PhilippinesからJBICマニラ事務所へのレター(2005年3月15日)
   「JBICの融資する巨大ダム事業に関する会合の遺憾な取り消しについて」

> サンロケの地元住民が反ダムアクションデーに行なった活動の関連記事 (2005年3月17日Sunstar紙)

※個別のダム事業に関する情報

> サンロケ多目的ダム事業

> ボホール灌漑ダム事業

> サウグ川多目的ダム事業

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