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宇津木の森には「カントウタンポポ」がたくさん咲いていることに気づきました。カントウタンポポは、日本の里山にある在来種ですが、近ごろ外来種の「セイヨウタンポポ」が増え、都会ではほとんど見られなくなっているそうです。

2004年の春、前年に比べてたくさんのタンポポが咲きました。それも「カントウタンポポ」が多いことに気づきました。カントウタンポポは、日本の里山にある在来種ですが、近ごろ外来種の「セイヨウタンポポ」が増え、都会ではほとんど見られなくなっているそうです。

前の年より増えたのはなぜ?そこには草刈りの時期に関係があるようです。毎年タンポポ調査をして、タンポポと草刈りの関連を探ることにしました。草地を4つのエリアに分け、どちらがどのくらいあるのかを数える調査です。

▲カントウタンポポ

▲セイヨウタンポポ

タンポポの見分け方
花の付け根の部分(=総苞)が反り返らないのがカントウタンポポ、反り返るのがセイヨウタンポポです。

カントウタンポポ:
日本原産。関東から本州中部に分布。3月から5月に咲く。

セイヨウタンポポ:
ヨーロッパ産の帰化植物。日本全土に分布。ほとんど1年中咲く。
現在、都市部に見られるタンポポはほとんどがこの種。

戦っているの?
同じタンポポでも住む場所が違うだけ。戦っているわけではありません。セイヨウタンポポが増えたのは、開発が進みカントウタンポポが好む里山のような環境が減ったためといわれています。

調査の結果

 
特徴
面積(u)
草刈り時期
カントウ
セイヨウ
明るい栗林。ススキ等多い。
約1200
2004
あまりしていない
170
10
2005
あまりしていない
9
3
もと畑の雰囲気が残っている
05年、一部に実生苗を移植
約800
2004
秋に実施せず
27
20
2005
6月からこまめに実施
8
1
夏にクズが繁茂する広場
約1000
2004
夏は放置,秋に実施
871
2280*
2005
夏は放置,10月から実施
825
875
梅林
約500
2004
秋に実施
8
60*
2005
6月に実施
16
46
* 梅林は真ん中の1区画を数え(カ=114、セ=3)、それを20区画と見た


2004年 4月18日調査

結果:秋に草刈りした場所、特に梅林に多かった。また、林縁にカントウタンポポが多く、道にセイヨウタンポポがみられた。

分析
タンポポの先生によると、カントウタンポポは夏に葉を減らし夏休みをとり、夏に他の植物に被われても困らない植物のようです。
反対にセイヨウタンポポは、春から夏が稼ぎ時でその時期に草で被われると生きていけません。したがって、夏も草刈りをした場所(主に道)にセイヨウタンポポが見られたのです。

昨年(’03年)は特に、夏はクズが延び放題で、秋はきれいに除去したので、カントウタンポポが増えたのだと思います。

冬は暖かく、1月にはカントウタンポポが咲いていました。しかし、カントウタンポポはセイヨウタンポポと違い、自家受粉できません。いくら暖冬でも虫がいないと結実できません。Cエリアでは、霜で枯れているものもありました。

カントウタンポポが木の下に多かったのは、寒暖の差が小さいので、間違えることなく春に花を咲かすことができることと、木の下なので霜の害を受けにくいという利点があるのだと思います。

隣の地主さんに昔の話を聞くと、昔は「セイヨウタンポポばっかりだった」とのこと。昔といっても10年〜20年前ぐらいだと思いますが、かつては畑で夏は草を刈られていたので、セイヨウタンポポに適した環境だったのかもしれません。秋に草刈りをすることで、カントウタンポポが増えているのでは?

しかし、増えているのはタンポポばかりではなく、セイタカアワダチソウも多く見られ、範囲が広がっているようにも感じました。秋に草刈りをしたことで、セイタカアワダチソウの勢力拡大にも手を貸してしまったかもしれません。


2005年 4月9日調査
結果:
秋に草刈りをした場所はカントウタンポポが多かった。A・Bエリアはカントウ・セイヨウともに減っていた。
Dエリアがいちばん密度が高かった

分析
Aエリアは、あまり手が入ってない場所なのだが、昨年と比べカントウタンポポはかなり減っている。セイヨウタンポポもわずかばかりだが減っている。ススキなど違う草が新たに増えたのか?かなり変化している場所なので、よく観察してみたい。

Bエリアは、もともとタンポポは多くなかったが、カントウ、セイヨウともに減っている。苗の移植をしたので、土を掘り返したりしているので減ったのかもしれない。

Cエリアはカントウタンポポが多いエリア。カントウが若干減って、セイヨウタンポポがわずかに増えているが、昨年とあまり変わりがないとみてよいのではないだろうか。

Dエリアもカントウタンポポが多いエリア。昨年は1株1株数えたわけではないので、正確な数とはいえないが、1区画114から43ぐらいに減っている計算になる。ウメ林なので、草刈りの影響はあまりないように思うが・・・?
しかし、仮に減ったとしてもカントウタンポポ密度は高い。 Cエリア1000uに825だが、Dは500uに875だ。密度は倍以上あるといえる。カントウタンポポはこういった環境が好きなのかもしれない。

 
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