ケニア円借款案件(ソンドゥ・ミリウ水力発電事業)
6月11日の参議院・行政監視委員会での政府答弁(未定稿)



*この議事録は、6月11日に行われた行政監視委員会のビデオを利用して作成したものです。

    櫻井充 参議院議員
       よろしくお願いいたします。
       それでは、
    ODAのケニアの案件について質問させていただきたいんですけれども、問題点は大きく言えば2つなんだろうと思います。
       ケニアでのこの事業を継続することがケニアの国の皆さんにとっていいことなのかどうかということと、要するに無理のないスケジュールでなされていっているのかどうかという点と、それから、前回もう一つ、閣議決定もされないうちにケニアではもう入札がおこなわれているという、その手続上の
    2つの問題点があったかと思いますけれども、この点について今後ケニアの案件に関してODAを継続されるのか、それともう一つは、このような手続で入札が行われた件に関してどうお考えなのか、その点についてお答え願いたいと思います。

    田中真紀子 外務大臣
       結論から先に申し上げたいと思いますけれども、日本側としては第二期分の追加の借款を供与するか否かにつきまして今現在検討しているところでございまして、その結論が出たところでこの入札の手続についての対応を判断するといことにしております。
       先週でございますけれども、これは事務的な御報告ですが、
    ODAの見直しについて検討の有識者といいますか、の方たちを中心とした会談が二週間に一回のペースで行われておりまして、私は先週出席いたしました。そうしましたら、大変具体的で意義深い討論がされておりまして、ODAというのはそもそも何であるのかというふうなこと、それから、世界じゅうがODAから結構引き揚げるような傾向も、世界の経済情勢もありますが、そういうふうなことでありますとか、それから、国益という言葉が最近えらくはやってしまっていますけれども、本当に国益に合致しないODAをする国はないのだというふうな議論ですとか、個別具体的な話も出ておりますので、そういう方々の御意見も聞きながら、このケニアの問題についても方向性を見出してまいります。

    櫻井充 参議院議員
       ケニアの件で幾つか困っているといいますか、一つは技術委員会というのがあってそこで評価されるという話になっていたんですけれども、そこの中に
    NGOの方がどうも参加できないような、それからNGOの方が被害に遭われそうになっているというか、つまりはそういう事業を、彼らも決してとめようというわけではなくて、見直しが必要なんではないかという話をしているわけですけれども、その中で、そのNGOの方々の活動のために案件がとまるんではないだろうか、とまるというか余計な口出しをし過ぎているんじゃないだろうかということで、被害に遭われそうな状況にあるというようなことが言われておりまして、ぜひそのようなことがないようにお願いしたいというふうに思っております。
       それからもう一つは、今、国益なり事業ということに関してですけれども、これはケニアの案件に関してこういう報告書も実は出ておりまして、関連業者への影響というような報告もされています。関連業者への影響というのは、これは特別環境案件であって、受注企業はすべて日本勢であると。日本企業であって、現下の厳しい我が国経済状況にかんがみ、円借事業への参画は本邦企業にとっても大きなビジネスチャンスの一つと考えられていると。これらの事業が中断された場合には本邦企業への影響も非常に大きいというような報告がされているわけですけれども、しかしながら、これはおかしな話というか、僕はこれは本筋外れていると思うんですね。つまりは、日本企業が損益をこうむるから
    ODAは継続すべきだという議論に私はならないと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。

    田中真紀子 外務大臣
       私も全く同感でございます。
       ただし、
    ODAというものの基本の精神は何であるか。国民の皆様の血税を投入するわけでございますから、何らかの形でこれはもうそういう事業に投資をすることによって国際貢献をしたいということが基本理念、哲学にあるわけでございますから、そうした本来の目的にかなったような形で最終的に着地点を見出すということが目的でして、その途中で、今回のケニアの問題、環境問題とかあるいはNGOの方が危険にさらされたようなことですとか、いろいろなときに指摘をされております。それから、今、委員がおっしゃったような受注業者とかそういう問題も出てきていますから、そういうこともすべてトータルで見て本来の目的にかなったような形で軟着陸するのであればいいですけれども、途中でもってゆがめられていくようであれば、それは確実に見直しをするように、またそういうふうな声が委員会やら現場から上がってくると思いますので、そうした声にはしっかりと耳を傾けていきたいというふうに考えております。

    櫻井充 参議院議員
       それともう一つ、この件に関して政治家の関与が取りざたされております。公電というんでしょうか外電でしょうか、その中で、自分がこの案件は継続できるようにするからというような趣旨のことが伝えられたりしているわけですけれども、そのような政治家の介入というのはこの案件の中であったのかないのか、その点についていかがでございましょうか。

    田中真紀子 外務大臣
       これは私は現段階では承知いたしておりません。一切ないと申し上げるべきだというふうに思いますが。

    櫻井充 参議院議員
       公電の中では決してそういうことにはなっておりませんので、ぜひ、平成
    12年だったかと思いますけれども、平成11年ですか、11年の公電等をちょっと調べていただきたいと思います。

 

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