サンロケ多目的ダムプロジェクト
最新情報(2001.11.14)

「サンロケダムへの日本の融資をストップして!」
現地住民がフィリピンの日本大使館前でデモ 要請書の提出へ

2001年11月14日

 11月13日(火)、フィリピンの首都マニラにある日本大使館前で、サンロケダムの建設に反対する現地の住民らが日本政府に対する抗議活動を行いました。

 今回のデモ行動には、ダム建設地の上流にあるベンゲット州、また、下流にあるパンガシナン州の各州からダム建設の影響を受ける住民らが参加。日本の財務省宛ての要請書と11月8日(木)のベンゲット州リーダーズ・フォーラムで採択された声明文を日本大使館へ提出しました。

 要請書のなかで彼らは、ダム建設反対の意思を繰り返し伝え、ダム建設の中止と日本のサンロケダムへの資金提供の中止を訴えています。

 また、サンロケダムの建設に関連するさまざまな問題のなかで、とくに、2つの法律違反の可能性について指摘しました。


 ベンゲット州リーダーズ・フォーラムの様子
                   (11月8日)

 要請書のなかで彼らは、ダム建設反対の意思を繰り返し伝え、ダム建設の中止と日本のサンロケダムへの資金提供の中止を訴えています。


多くの地元住民が抗議のためマニラに。
                  (11月13日)

 また、サンロケダムの建設に関連するさまざまな問題のなかで、とくに、2つの法律違反の可能性について指摘しました。

1.『先住民族権利法』に違反していること

    →今年6月、フィリピンの国家先住民族委員会と大統領の諮問機関は、サンロケダム建設の影響を受ける先住民族を対象に調査を行いました。そして、上流のベンゲット州イトゴン町の先住民族がダムの建設に事前に合意していなかったとの報告書を出しました。これは、先住民族に影響を与える事業に先住民族の事前の「合意」をとるよう規定しているフィリピンの国内法『先住民族権利法』にサンロケダムの建設が違反していることを示しています。

2.『地方自治法』に違反していること

→影響を受ける先住民族の住むベンゲット州は、これまでダム建設に賛同していません。これは、事業者が事業の影響を受ける自治体の承認を得るよう規定しているフィリピンの国内法『地方自治法』にサンロケダムの建設が違反していることになります。

 このように現在、サンロケダムの建設そのものが、フィリピンの法律違反を問われるという一種の「異常」状態が起きているのです。しかし、日本の国際協力銀行(財務省の管轄)は依然として融資を続けています。

 サンロケダムへの地元住民による反対運動は非常に根強く、ダムの計画が持ちあがった1996年当初から続いています。その彼らの声に、日本の財務省/国際協力銀行がようやく耳を傾けるのか。また、適切な対応をとっていくのか。地球の友ジャパンでは、今後も引き続き現地NGOと協力しながら、このような問題のあるダム事業への融資を日本政府がストップするよう働きかけていきます。

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抗議行動では、ダム反対の踊りを舞いながら、ダムを壊すパフォーマンスも飛び出した。
(11月13日)

(写真提供:山路 ゆり)

→→財務大臣宛ての要望書(2001.11.13)をみる
→→ベンゲット州リーダーズ・フォーラムの声明文(2001.11.08)をみる

→→サンロケダム問題の詳細をみる