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第二回環境関連フォーラム 報告 (2004年11月25日)



11月25日にJBICの「第2回サハリンU環境フォーラム」が開催されました。参加 者は60名弱と前回を下回りましたが、引き続きサハリン開発による環境への影響に関する活発な意見がJBICに対して投じられました。

まず12月6日に開催予定の第3回目フォーラムの議題設定に関して、前回意見書が出されながらJBICが反映させていなかった「個別野生生物種だけでなく、生態系全体の視野を含めること」「油流出など開発による影響を話す前に自然環境の 議論を行うこと」について議論されました。JBICは当初、ホームページの案内の変更は不可能としていましたが、最終的に「野生生物全般について、その底流に流れる生態系についての議論をする」ということをホームページに付け加えることを検討するとして議論を終えました。

また、北海道での開催に関して、1月24日(月)に行われることになりましたが、JBICは「東京で行われるフォーラムの報告会」という位置付けで行うとしています。これに対し、北海道は同プロジェクトによる影響を受ける「現地」であることから、報告会でなく幅広く意見を聞く場としてフォーラムの一環として行われるべきだという意見がありました。

なお、第4回フォーラムを、12月20日前後に行う予定とのことでした。議題がどうなるかはまだ未定です。


▽その後「油流出関連」の議論が行なわれました。
「防除対策のシナリオがどういう基準に従って数値が設定されているのか不明」、 「油流出対応策の結氷時予測が間違っていること」、「分散剤の使用につい て明確になっていないこと」、「環境脆弱性指標地図(ESIマップ)が公表されていないこと」「地震への対策がない」などが挙げられました。

それに対し、他の参加者から「北極圏で現在結氷対策の検討が進んでいる」や分散剤に関して「使用について国際的な基準になる数値はなく、できるだけ現場で判断するほうがよい」などの意見がありました。

また、海上保安庁から「タンカー事故の責任に関して、船舶所有者にあるのは金銭面での責任であって、船舶所有者に限らずあらゆる機関が十分な準備をして臨むということが社会的常識であり、そうした責任はSEICにもある」という発言がありました。

また環境省からは「事前・事後の中間、通常の操業においてしみだす油が環境に 及ぼす影響も問題。通常の操業に関してモニタリングが必要だと思うが、JBICは どうするつもりでいるか?」という質問に対し、JBICは「モニタリング項目はまだ確定していない。モニタリングが重要であるという認識はある」などと答えて いました。


▽続いて「パイプライン」に関する議論が行なわれました。
サハリン島を800q縦断するパイプラインは1,103本の川、22の地震の活断層を横切るため、サケの産卵する川などに取り返しのつかない影響を及ぼすことが指摘されています。

「埋設工事をすれば土砂が流出し、サケが遡上する川の河口が埋まってしまうかもしれない」「サケなどの産卵床等への配慮に関して、そのEIAの調査が不十分」 「パイプラインを地中にするか地上にするか客観的データを用いた代替案の比較検討を行うべき」「“活断層を横断する場合に地上に敷設されるべき”という法律とSEIC独自の基準の“活断層であっても埋設”というものがあるがこの矛盾はなぜ生じているのか」などの質問が挙げられました。

これに対し、「現在あるパイプラインのほとんどが埋設。地上は10%。油漏れの一番の原因は第三者による破壊など」という意見もありました。

また、こうした代替案の検討が行われないまま工事がすでに進んでいる事に関して、JBICは「全ての許認可が終わっているわけではない。工事が進んでいること、そこでどういう対応がなされているかの事実を認識した上で対応考える」と述べました。

今回のフォーラムは、JBICが「色々な人に意見を聞きたいので、発言は一人3分程度にまとめること」を提案するなど、ひとつのテーマに1時間と限られていたことも含め、議論を行なうには非常に難しい状況でした。

JBICはフォーラムで挙げられた問題点をSEICに伝え、それを今後フィードバックするとしています。議事録も、項目ごとにある程度まとめた上でSEICに渡すとしています。



今回のフォーラムにおいてFoE Japanの提出した資料は以下のとおりです。

●JBIC・EBRDによるサハリンIIフェー ズ2プロジェクト環境関連意見交換会(2004/6/30、7/1)記録 【pdf 0.98MB】

●油流出対応・パイプラインに関する質問・意見 【pdf 19.2KB】

●陸上パイプライン の敷設に関する問題点 【pdf 9.1KB】

*議事録、当日の配布資料はJBICのホームページに掲載されています。



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