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フィリピン・パラワン州河川などで六価クロムを検出
――早急な汚染原因の解明を (2009.12.21)
 今年7月と10月、FoE Japanは専門家の協力を得て、フィリピンのパラワン州バタラサ町で水質調査を実施しました。5種類の飲料水(井戸水や配給水)と3箇所の河川水を採取し、分析を行なったところ、トグポン川から六価クロムが検出され、また、地元のコミュニティーにトラックで配給されている飲料水から比較的高濃度のニッケルやクロムが検出されるなど、その汚染原因の特定には至らなかったものの、重金属による水質汚染の可能性が示唆される結果が出ました。特に、発がん性等も指摘されている毒性の高い六価クロムについては、検知管による簡易分析の結果、トグポン川で0.1mg/Lが検出されましたが、これは日本で公共用水域の水質汚濁に係る環境基準として規定されている「人の健康の保護に関する環境基準」(0.05mg/L以下)を超える数値でした。   製錬所
 <タラタック村パナグナアン集落の手動式汲み上げポンプ井戸>
(2009年10月 FoE Japan撮影)
  >水質調査の詳細な分析結果はこちらでご覧になれます。 
     ・大沼淳一氏(金城学院大学講師、元愛知県環境調査センター主任研究員)による分析結果・コメント
同水質調査は、今年1月にFoE Japanが地元住民(同地域にあるニッケル製錬所周辺の5つの村で計133世帯)への聞取りを行なった結果、製錬所ができてから健康に変化を感じる住民(咳74.4%、頭痛40.6%、皮膚病37.6%)が全体の8割を超えたことから、その問題の解決に向け、原因特定の試みの一つとして実施したものです。同製錬所の事業者は、日本企業3社が約90%を出資する現地合弁企業で、同事業には、国際協力銀行(JBIC)の融資や日本貿易保険(NEXI)の付保など、日本の公的支援も行なわれています。   トグポン川
 <6価クロムが検出されたトグポン川>
(2009年7月 FoE Japan撮影)
FoE Japanは11月半ば、JBIC、NEXI、また事業者に対し、今回の水質調査の結果を伝えるとともに、下記について強調しました。

・河川や飲料水の重金属による汚染が疑われ、汚染源が製錬所またはテーリング・ダムである可能性もある。

・特に、トグポン川の六価クロムについては、早急に汚染源を特定する必要がある。

一方、事業者によれば、製錬所の工場排水は処理後、基本的に、パイプラインを通じて海に放流しており、河川へは流していない、とのことでした。また、雨季にテーリング・ダムから処理水のオーバーフローが発生することはあるものの、六価クロムを含む重金属等を事業者自らが定期的にモニタリングしている結果、フィリピンの排水基準(六価クロムについては0.2mg/L)を満たしており問題ない、とのことでした。
  検知管
 <6価クロム検知管による調査 左側の水試料からキヌロン集落の飲料水、タグダロゴン集落の飲料水、トグポン川の水、アゴアゴホ川の水>
(2009年10月 FoE Japan撮影)
 こうした事業者の認識に対し、今回の調査で水質の分析を行なった大沼氏は、「河川水に天然起源で六価クロムが溶存していることは極めて考えにくく、人為汚染が疑われることから、(同河川の直近で行なわれている)ニッケル・コバルト製錬工程で六価クロムが生成されている以上、企業側は最大限の努力を払って河川水の汚染源の解明を行なうべき。また、(事業者のモニタリング結果によれば、)海域に放流されている工場排水から六価クロムがほとんど常時検出されている状況があることから、排水基準に適合していようがいまいが、沿岸海洋生態系になんらかの影響を及ぼしている可能性がある。事業者は、沿岸生態系調査も行なうべき」とのコメントを寄せています。

 トグポン川の水は飲料用に利用されているわけではありませんが、この河川水が流れ込む海域にはコミュニティーがあり、漁業等を営む住民もいます。また、依然、トラックで配給されている飲料水を利用している住民もいます。汚染原因が現段階では特定されていないとはいえ、製錬所の近隣でこのような汚染が起きていることは事実です。従って、今後、地元住民の健康被害の未然防止と安全のためにも、雨季にオーバーフローする場合の(パイプライン以外の)排水経路や配給されている飲料水の取水源等も含め、汚染源の解明や情報公開など、JBIC、NEXI、日本企業が積極的な対応をとっていくことが期待されます。


>同事業の概要等につきましては、こちらでご覧いただけます。       http://www.foejapan.org/aid/jbic02/rt/index.html
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