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コーラルベイ・ニッケル
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プロジェクトの概要
これまでの動き・活動
1.フィリピン:コーラルベイ・ニッケル製錬事業とは?
プロジェクトの概要

目的: HPAL法(High Pressure Acid Leach:高圧酸浸出法)によるニッケル製錬の中間品の生産 および住友金属鉱山ニッケル工場(愛媛県新居浜市)への輸出(20年)

  ニッケル製錬の中間品 = ニッケル・コバルト混合硫化物
   第1製錬所では、年間ニッケル量約10,000トン、コバルト量約700トン。
   第2製錬所も同規模で、年間ニッケル量合計は20,000トンを予定。


− ニッケル製錬所の建設・操業
− 硫化水素の生産施設
− 石灰石の採石
− 水供給および排水システムの設置
− 鉱尾ダム2つの建設
− 発電所(9.9MW:石炭火力)の建設
− 港湾設備(380m)

総事業費: 第1製錬所 約1.8億米ドル
        第2製錬所 総額2.85億米ドル

事業実施者: コーラル・ベイ・ニッケル株式会社
          (Coral Bay Nickel Corporation: CBNC)
     株主→住友金属鉱山54%、三井物産18%、双日18%、
          リオツバ・ニッケル鉱山10%

融資・付保機関: 第1製錬所 JBICが融資。日本貿易保険(NEXI)が付保決定
           第2製錬所 JBICが融資検討(2008年1月に断念)。NEXIが付保検討。

サイト位置: フィリピン パラワン州バタラサ町リオツバ

被影響住民の数: 事業者はバタラサ町の11村を影響を受けるコミュニティー
             (サイトから半径10km)と認定
   直接影響(1村) リオツバ
   間接影響(10村) タラタック、スンビリン、サパ、オカヤン、
               イワヒッグ、イガン・イガン、サロン、
               サンドバル、クランダノム、タルサン
2.日本との関わり
国際協力銀行の役割:第1製錬所で投資金融の融資決定(2002年10月)

日本貿易保険の役割:第1製錬所で三井物産、双日に付保決定(2002年11月)

日本企業の関わり:住友金属鉱山、三井物産、双日が参画。
3.問題点
先住民族パラワンのFree and Prior Informed Consent(FPIC)の欠如
・ 環境影響報告書(EIS、2002年)に添付された地域社会の事業合意書の偽造(出席表への署名を合意書に流用)
・ 先住民族パラワンのコミュニティーにおける伝統的な意思決定方法(民族長であるPanglimaを中心とした話し合い)を経ず、フィリピン先住民族委員会(NCIP)が任命したTribal Chieftainが事業開始後に署名した2003年12月付けの覚書で、2004年1月1日から2008年12月31日までの5年間、FPICを確保していることになっている。
先住民族パラワンが神聖な場所と考えている場所(バタラサ町イワヒッグ村ゴトック集落の丘)での、石灰石の採石による先住民族の生活・文化への影響(採石場13ヘクタール)
・ 先住民族パラワンの30家族以上がその神聖な場所で、彼らの生活手段、水、薬草などを享受してきた。また、その場所で、毎月1度、祈祷の儀式を行なっており、病人などが出たときにもそこで儀式を行なってきた。
・ 年間190,000DMT(Dry Metric tones)をニッケル製錬所での利用のため生産することになっており、EISによれば発破を一ヵ月半毎に実施。すでに、同地は跡形もなくなってしまっている。
埠頭施設の建設によるサンゴ礁への影響
・ 380mのCausewayがサンゴ礁の上に建設された。
・ Causewayの場所は76.5%が依然として良好の状態を保った(生きている)サンゴ礁の地域を含んでいた。
・ Causewayの当初の計画では、6m幅のものを建設する予定だったが、9m幅に拡大された。これはECCに違反している。(事業者は、罰金50,000ペソを支払ったのみ)この計画変更により、より広範のサンゴ礁や海生生物が影響を受けている。
Tailing Damからの有毒廃棄物の漏出
・EISに基づけば、硫酸や地下水源を汚染する物質など、有毒物質の漏出を回避するために、強力なライナーを使うとされているが、事業者は廃水の浸出を回避するために細かい「ラテライト物質やギプス」といった、工場の化学プロセスで生じる副産物を使用しているのみ。
社会基本サービスへのアクセス
・雇用申請、通院、奨学金制度などについて、村長やNCIPの任命したChieftainの許可が必要。そうした町の有力者に近くない人は、そうしたサービスから排除されやすい。
サイト周辺のハイ・セキュリティー
・ 事業者が雇用するガードの監視なども厳しく、反対の声などは挙げにくい。
様々な環境影響・健康被害の報告
・ 石炭の杜撰な貯蔵方法(ストックヤードに近いTagdalongon集落において、特に雨季における異臭など。子供や年配者見られる咳の症状が増加するなど、肺への健康被害の可能性を懸念。ストックヤードの移転の話が事業者からされていたが、依然未措置のまま。)
・ 埠頭から工場までの主要路であるMacadam roadはコンクリート化されたが、依然として粉塵がある。Macadam road以外の道路(石灰石の採石場から工場までなど)も粉塵がひどい。より高い頻度での散水が必要。
・ 2005年5月ごろから、海沿いのTagdalongon集落において、皮膚病の子供のケースが報告される。衛生上の問題で、水質汚染と言われているが、集落の年配者らは、この集落でこうした皮膚病のケースが初めて起こったと言っている。
・ 2005年11、12月の大雨・洪水後から子供の下痢や吐き気のケースが増加(バランガイIwahigとIgang-igang)。2006年1月には死亡のケースも出た。衛生上の問題で、水質汚染と言われているが、村の年配者らは、この村でこうした下痢のケースが初めて起こったと言っている。
・ 製錬所周辺の村で、工場の操業後、農産物(米、ココナッツなど)の生産量が低下したとの報告がある。
・ 風向きにより、異臭がするようになり、住民に咳・頭痛などの症状が多くなっている

環境保護指定地域(ブランジャオ山)での新たな原材料調達(鉱山開発)の動き
・ 製錬所での生産を20年間、継続するために十分な原材料を調達するため、リオツバ・ニッケル社が新たな鉱山開発を進めようとしている動きがある。
・ 一つのターゲットであるブランジャオ山は、その一部区域が、フィリピン共和国法7611号(パラワンのための戦 略的環境計画法:SEP Law、1992年制定)9条1項で定められている「コア・ゾー ン」、つまり、「最大限の保護を受ける地域」として、徹底かつ厳重な保護が要求されている地域。鉄樹(地元名:Mancono)という伐採禁止種の古樹が生長 している地域であり、持続可能な開発パラワン評議会(PCSD)の用意している ECAN(環境上重要な地域ネットワーク)マップでも、コア・ゾーンとして分類されてきた。CBNCは、リオツバ・ニッケル社を後押しして、この環境保護指定地域の解除を地元政治家に働きかけている。

・ ブランジャオ山周辺で暮らす地元バタラサ町の先住民族パラワンや農民の中は、自分たちの生活への影響を懸念する声があげている。

4.経緯
2001年7月16日
2002年7月1日
2002年7月10日
2002年10月21日
2002年11月
2004年9月
2005年4月13日
2006年3月28日
2007年3月30日

2007年 6月5日

2008年 1月
コーラルベイ・ニッケル製錬所の建設を決定
コーラルベイ・ニッケル株式会社の設立
フィリピン環境天然資源省 環境適合証明書(ECC)発行
国際協力銀行 第1製錬所事業への融資を決定
日本貿易保険 第1製錬所事業への付保を決定
試験運転の開始
商業運転の開始
住友金属鉱山 第2製錬所の建設計画を正式発表(2009年4月生産開始予定)
国際協力銀行 第2製錬所(拡張事業)への融資検討を公表(http://www.jbic.go.jp/japanese/environ/joho/project.php
日本貿易保険 第2製錬所への付保検討を公表(http://www.nexi.go.jp/insurance/ins_kankyou/index_frame.html)
国際協力銀行 第2製錬所への融資検討を断念
 
5.現在の状況

・ 第1製錬所の操業後にも、地元の住民・NGOから数多くの環境・社会問題が指摘されており、事業との関連を徹底調査するよう求める声があげられている。

・第2製錬所の建設工事が進められている。

・ キャッシュ・フローの再評価後、
事業者側が第2製錬所(拡張工事)への融資依頼を取り下げたことを受け、国際協力銀行は拡張事業への融資を断念(2008年1月)。

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