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デイリー・ネーション

Daily NATION

汚職/Ken Gen 1億5700万ケニアシリングの詐欺にあう

By Stephen Muiruri

2001年8月24日

 警察は、ケニアから世界銀行へ移されるはずだった1億5700万ケニアシリングが、アメリカの個人口座へ流用されていたという莫大な詐欺について、現在捜査を行っている。

 この資金は、ケニア電力公社(KenGen)から世銀への債務返済金の一部だった。

 詐欺犯罪組織はKenGenのナイロビ銀行口座からニューヨークの世銀口座への電信振り込みの際、このお金を別ルートで送った。

 この詐欺行為は、世銀側が、ケニアの主要電力販売者(ケニア電力公社のこと)に対し、合意されたはずの8月14日を過ぎても送金されていないことを尋ねた際になって初めて明らかになった。

 KenGenは実際には8月8日に支払っていたが、知らない間に現金はワシントンの個人口座へ秘密裡に流用されていた。

 世銀からの指摘を受け、驚いたKenGen側担当者は取引銀行へ連絡を取った。

 

 取引銀行の内部調査後、8月21日に中央銀行からの捜索が召集された。

 ケニア警察はインターポール(国際刑事警察機構)と協力して犯人を追跡し、取引銀行の職員が関与しているかどうかを確定しようとしている。

 取引銀行スティーマ・プラザ支店の2人の職員に疑いがかかっている。

 捜査部は、この取引がどのようにして実行されたかを特定する書類を握っている。

 その中には、KenGenからスティーマ・プラザ支店支配人へ送られた、200万ドルのドルを購入してほしいという手紙も含まれている。それには1億5790万ケニアシリングに相当する小切手が同封されていた。

 8日付けのその手紙には、取引銀行がUSドルを、アメリカ10015ニューヨーク州ニューヨーク市ブロードウェイ140番地の米国HSBC銀行にある、世銀の口座へ、電信扱いで振り込むことについてKenGenが承認したことが記されている。

 この手紙が途中で誰かの手によって改ざんされ、振込先がブロードウェイ140にあるHSBC銀行支店の世銀口座から、別の個人口座へ変更されたのである。

 本来の銀行口座名・口座番号はそれぞれ、IBRD、000125172である。

 偽の書類では、HSBCの名前、所在地、口座番号が、アメリカ99212ワシントン、リバーサイド・スポーケーンw421、インランド・ノースウェスト銀行のものとすり替えられていた。

 偽装書類は、サイラ・テク会社の名義の、口座番号11008372の口座へと送金を依頼するため、インランド・ノースウェスト銀行へとファックスで送られていた。

 その口座名義を確認した後、その詐欺師はこのお金をワシントン信託銀行へ送金するため、小切手を発行するよう銀行に頼んだ。

 詐欺師は、ゴードン・モータースの名前と、KenGenと名付けた架空のアメリカ企業の名前とを使い、190万ドルの銀行為替手形を購入した。これは、このお金がKenGen(偽の)のものであることにするためだった。

 この銀行為替手形の宛名人は、A.J.コックス氏で、彼は、自分が口座を持つロンドンの

 銀行なら、どこの銀行でもそれを現金化することができるようになっていた。

 

 彼がロンドンで現金を引き出そうとした時になって、詐欺計画は失敗した。手形にはゴードン・モータースの署名しかないため、銀行が支払いを拒否したのだ。銀行は、モーターすの署名だけでなく、KenGenの署名もなければダメだと主張したのである。

 

 手続き上は、1億5700万ケニアシリングの現金は、インランド・ノースウェスト銀行口座に手付かずで残されている。

 KenGenでは、職員がどのようにして、支配人のオフィスに入り込んで、書類を改ざんしたのかが問題となっている。

 以前のケニアから世銀への支払いの際には、スティーマ・プラザ支店が支配人のオフィスのファックスを通し、確認書類を送っていた。

 ケニヤ中央銀行の詐欺調査班がケニヤ側の犯人を追跡している一方で、インターポールは詐欺師の国際的な共犯者を追跡している。

 捜査部は原文書の改ざんを行ったのが誰かを特定しようとしている。

 捜査部は、改ざんが発見された時には、すでに現金は引き出されてしまっているだろうと確信し諦めていた模様である。

 世銀の口座番号は、支配人のオフィスに入りこんだ偽の手紙から消されてしまったのである。

(掲載写真:HSBC銀行の世銀口座への振込みを指示するオリジナルの手紙と、インランド・ノースウェスト銀行のサイラ・テク会社口座への振込みを指示する偽の手紙)

 
 

 

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