サンロケ多目的ダムプロジェクト
輸銀のフィリピン融資再開の問題点(99.9.22)



   ○フィリピンの先住民族権利法

 プロジェクトを進めるためには、プロジェクトによって影響を受ける先住民族との自由で適切なコンサルテーションおよび合意が必要

1. 集水域管理計画によって、プロジェクトから影響を受ける地元先住民族の合意が得られていない。影響を受けるすべての人とのコンサルテーションを終えた上で、その結果を鑑み融資判断をするべき。

2. 地元先住民族はダムによる彼らの地域への影響について、十分に納得のいく説明を受けていない。ダルピリップ村の先住民族に影響がないというのであれば、彼らの納得のいく説明とデータの開示が必要。影響があるのであれば、先住民族権利法に基づき先住民族との合意は必須。

3. プロジェクトによって影響を受ける地元先住民族の合意が得られるまで、工事を中止すべきです。少なくとも日本の公的機関である輸銀は、国際人権・先住民の権利保護の立場に立ち、融資を行うべきではありません。

○ 地元自治体の合意

4. プロジェクトによって影響を受ける地元自治体ベンゲット州の合意が得られていない。現在のところベンゲット州イトゴン市議会の条件付き合意を得ている(99年1月)。しかし、州議会は先住民族の強い反対の声を受け、プロジェクト反対を支持する決議をあげ(99年4月)、現在もその立場を貫いている。輸銀は、「フィリピンの地方自治法上、現時点ではベンゲット州側の賛同を取り付ける必要はなく、問題ない」と話しているが、そんな姿勢で本当に良いのか?

5. 輸銀が「プロジェクトに関する必要な合意を取っている」というパンガシナン州側でも、地元自治体パンガシナン州サンマニュエル市議会より、「環境許可書(ECC)にない採石が行われている」「発行されている許可も必要な地元住民との話し合いの要件を満たしていない」として、融資凍結の要望書(9月15日)と地元住民の署名を提出している。
 こうした事態にも関わらず、輸銀が「必要な同意は取っている」「融資再開の条件は整っている」とするのは、全くナンセンス。

○ 輸銀自身が作成している環境ガイドラインにも抵触

6. サンロケダムは、今年9月に出された輸銀の「環境配慮のためのガイドライン」に明らかに抵触している。

7. ガイドラインに照らし合わせた結果、問題がないというのであれば、融資再開および新規融資決定前に必ずその資料の提出するべきです。

○ 環境アセスメント

8. 今年8月ダム専門家による環境アセスメントの分析の結果、貯水池の堆積問題・水質問題・ダムの安全性など多くの点で環境アセスメントに不備があることが指摘されている。フィリピン上院議員ホナサン氏も地震によるダムの安全性について再調査が必要としている。にも関わらず、輸銀は環境アセスメントについて、問題がないというのであれば、融資再開および新規融資決定前に必ずその資料の提出するべきです。

→→輸銀への要望書(09.20.1999)をみる

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