フィリピン・バイオ燃料事業ドキュメンタリー「空に溶ける大地」

日本企業が出資するフィリピンのバイオ燃料事業が現地住民の生活を脅かしている実態をドキュメンタリーを通じてお伝えします。

ドキュメンタリー「空に溶ける大地」
2013年制作/監督:中井信介/制作:FoE Japan


●内容
2010年、伊藤忠と日揮がバイオエタノール事業への参画を決定し、フィリピン・イザベラ州(サンマリアノ町)に進出して以来、のどかな農業地帯は一変します。もともと、イザベラ州(サンマリアノ町)では先住民族や農民が長年にわたって、米、コーン、バナナ、野菜などの生産性の高いものを栽培してきた土地は、バイオ燃料事業用のサトウキビ栽培に作物転換されています。

農民たちの多くは土地権利書等を持たないため、その弱みにつけこみ、個人名義による変則的な土地権利書の発行などにより、様々な形態の土地収奪が起こっています。また、労働者の事故、エタノール精製工場からの環境汚染など、現地住民は、さまざまな被害を受け生活を脅かされ、混乱が広がっています。

同事業は当初、国連の認証するカーボン・オフセットであるクリーン開発メカニズム(CDM)の候補として提案されており、地球温暖化対策としても期待されていました。環境に優しいと謳われるバイオ燃料やカーボン・オフセットですが、現地の環境や社会に負の影響を与えてしまっている実態を伝えます。

●中井信介 監督 プロフィール
1967年京都生まれ。93年よりフィリピンのスラム街や米軍基地跡地の写真を撮り始め、新聞や雑誌で発表する。96年にアジアウェーブ賞受賞。99年よりビデオ取材を始め、TBSの報道特集やNews23などで発表する。2001年よりアジアの基地問題や環境問題をテーマに映画制作を始める。「がんばれ!ファンセウル」で国際人権教材奨励事業AWARD2006を受賞。 「ナナイの涙」で座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル入賞(2010年)、 福井映画祭審査員特別賞(2010年)。

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