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ミンダナオ石炭火力発電所
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現地グループ 報道ステイトメント (2003.10.30)
2003年10月30日


PEOPLES CAMPAIGN AGAINST THE MINDANAO COAL-FIRED POWER PLANT
(People's Camp)
ミンダナオ石炭火力発電所の建設に反対する住民運動
物議をかもしている石炭火力発電事業について、その推進派は、現在、一般市民や思い違いをしている実業家らに、2005-06年度までにミンダナオを襲う可能性のある、いわゆる電力危機の解決策がこの事業であることを信じさせようと説得を試みている。

そして、彼らは、間もなく着工すると言っている。しかし、例えば、推進派が同事業への融資を申請中の国際協力銀行(JBIC)などから私達が収集した情報によれば、銀行団は特に環境社会面の審査を依然として継続中であり、向こう6ヶ月から2年は融資を決定しない可能性がある。

10月初め、約60団体の国際および現地NGOが同事業への反対を表明する要望書に署名し提出した後、とくに、融資機関は、同事業の融資申請に対して綿密な調査を行なっている。

この国際キャンペーンは現地グループ「ミンダナオ石炭火力発電事所の建設に反対する住民運動(People's CAMP)」との調整のなかで、FoE Japanが先頭に立って繰り広げているものだ。また、グリーンピースもこの事業への反対キャンペーンを支援している。

私達は近いうちに同事業の起工式が行なわれたとしても、うろたえはしない。というのは、PHIVIDEC工業地帯でこれまでに多くのファンファーレ、騒ぎ、そして、熱狂的な興奮とともに行なわれた起工式を終えた後、Jacinto製鋼工場のように実現しなかった事業がいくつかあることを私達はよく知っているからだ。また、この石炭火力発電事業がそもそも、その製鋼工場の電力需要を賄うために計画されたものであることは特筆すべきことである。

この事業に関して、また、環境面からも消費者の視点からも破壊的な同事業建設のいわゆる根拠に関して、答えを追求すべきもっと基本的な問題がある。それなのに、なぜ今、そんなに性急に事業を進めなくてはならないのか。
 

事業者前での抗議活動
 <写真上下:State Investment and Trust Inc.(SPDCの共同出資者SITI)前での抗議活動>

 全国農民週間に合わせた活動で、農民団体が中心となり州庁舎前からSITI前までデモを展開。
 バナーには 「NO TO ENVIRONMENTAL POISONING! NO TO UNNECESSARY PAYMENT OF PPA! NO TO ECONOMIC DISLOCATION OF THE PEOPLE! OPPOSE THE MINDANAO COAL-FIRED POWER PLANT! PEOPLE'S CAMP」と書かれている。

(2003年10月18日 People's CAMP撮影)


事業者前での抗議活動

一つは、エネルギー省(DoE)やフィリピン電力公社(NPC)が出している2005-06年度までのミンダナオにおける電力需要状況の推定が本当に正しいのかどうかという問題である。

DoEやNPCによる推定が電力需要の増減を正確に予測したものでないことは、歴史が証明してくれるだろう。なぜなら、それは主に国家経済開発庁(NEDA)の経済成長計画に基づいて出されたものであるが、その計画自体が再三再四にわたり目標値からずれた結果になっており、そのたいていの場合において、目標値を下回ってきたからだ。1990年代初期のミンダナオにおける電力危機は、同島向けの発電容量が不足していたためではない。それは、NPCの誤った管理と汚職が原因だった。

私達が電力予測に関する問題に積極的に目を向けなくてはならないのは、テクノクラートや無節操なビジネスが、彼ら自身を破滅への救世主へと変化させてしまっているからだ。貧しい電力消費者に、利用しない電力に対する負担が電力購買調整費(PPA)として課せられるという経験から明らかなように、彼らの電力予測が電力料金の高騰という結果につながっているという意味で、彼らは破滅への救世主なのである。

二つ目には、本当に新規の発電所の設置が解決策となるのか、あるいは、別の解決策が必要なのかどうかという問題がある。

ミンダナオの既存の発電所が設備容量に基づいた運転をしていないことは周知の事実である。NPCの役人でさえ、水力発電所の運転がその設備容量の50%以下にとどまっていることを認めている。

これは、メンテナンスの問題と流域に広がる森林の状態が悪いためであると推論されている。また、ミンダナオにおける電力サービスを良質で効率のよいものに保つためには、発電の問題以上に、送電線がしばしば無法状態やもろい治安状況の下に置かれているという問題を主に解決しなくてはならないことも共通認識とされている。

テクノクラートらが描く楽観的な発展像のなかで、2005-06年度までにミンダナオが本当に新しい電力を必要としているとは認められないが、仮にそうだとしても、私達は次の疑問にぶつかる。

それは、フィリピン政府がなぜ必死になって、(計画中の)あらゆる発電事業を差し置いてまでも、物議をかもしているミンダナオ石炭火力発電事業を優先して進めようとしているのかという問題である。

なぜ、フィリピン政府は、(計画中の)あらゆる事業よりも、(注:契約に問題のあるとされる)ラモス政権時に承認された35の独立発電事業体との契約の一つであるこの事業を優先しようとするのだろうか。消費者や産業界もこの点に慎重を期すべきである。

この論争の的となっている事業において、その推進派らが、無節操で思慮のない、あるいは恐らく利己的な政治家や政府のテクノクラートらから支持を得ようと狡猾な手段に訴えてきたことは、誰もが知るべきことである。

電力開発社(SPDC)の役人らは、事業の実行可能性や性質について、第10地方開発評議会(RDC-10)のメンバーなどを納得させるため虚偽(の説明)に頼ってきた。

2002年7月2日、ラナオ・デル・ノルテで開かれた第57回RDC-10の全体評議会会合の議事録によれば、その会合において、RDCの事業承認が強行採決されていることがわかる。

とりわけ独立発電事業体(IPP)と関連した電力購買契約(PPA)の問題を含む質問をDimaporo評議員がしたその返答として、SPDCのAugusto Dee氏が、この「事業はPPAの審査の対象とはなっていない」と発言している。(第57回RDC-10全体評議会会合の議事録より引用)

Dee氏によるこの発言は茶番であり、政策決定者を欺こうとするものだ。また、電力業界改革法(EPIRA)の遂行中に設置されたIPP諮問委員会をも同様に欺こうとするものであった。同諮問委員会は、ミンダナオ石炭火力発電事業におけるIPPとの契約は未解決の財政問題を孕む契約のうちの一つであるとする調査結果を出しているからだ。この結果は昨年9月に公にされている。

RDCの社会基盤部会の事業承認は、同事業の環境適合証明書(ECC)の承認を条件とした上で出されたものだった。そのため、私達は、RDCが強引に承認させられたものと見なしている。

RDCが2002年7月2日に事業を承認した一方で、ECCが発行されたのは2002年10月31日である。この石炭火力発電事業の取引において、RDC-10はその会合の場をサルスエラ(注:スペイン風オペラ)の場へと自ら改装してしまったのである。

RDCとその社会基盤部会のメンバーらは一般市民の信頼に対するゆゆしき背信行為を犯したという意味で、思慮のない政策決定者である。2002年6月17日の社会基盤部会会合において、NEDA第10支局の技術部会の作成した報告書が提出されていたことは特筆すべき事実である。その報告書のなかでは、「事業が経済的・財政的に合理性がない」と結論付けられているのである。

・ 事業の経済・財政上の内部収益率は、所定の基準以下である。
・ 事業の正味現在価値はマイナスである。
・ もし事業が実行に移されれば、25年の契約期間の間に年間5億3,000万ペソもの補助金が必要となる可能性がある。

政策決定者らは条件付きでこの事業を承認するにあたり、これらの調査結果を検討しなかった。実際、その会合のなかで、技術部会はその調査結果について発表する機会を許されず、その代わり、SPDCやドイツのSTEAG社の代表らが洗練された事業計画を発表する機会を与えられたのである。そして、RDC社会基盤部会のメンバーは何も考えることなく愚かにも首を縦に振った。

以上のことは、一般市民や実業界の目を逃れることはできない。

環境面について、推進派はいわゆる最先端の技術を使用すると自慢する一方で、彼らが同事業での設置を予定している何百万ドルもの公害防止設備が、石炭火力の引き起こすいわゆる酸性雨を防ぐ機能しか持っていないことを一般市民には伝えていない。つまり、彼らが私達に告げていないことの中に、排煙脱硫装置や窒素酸化物の除去装置、バグフィルターといった設備が、人の健康を直接危険にさらすことになる水銀、カドミウム、六価クロム、その他多くの微量な有害物質の放出を軽減するものではないということがある。

(注:グリーンピースの)調査では、石炭の燃焼によって産出される水銀のうち99%が発電所の煙突から放出されることが明らかになっている。また、ティースプーン70分の1杯の水銀だけで、10ヘクタールの池に住む魚は毒されてしまい、もはや人間の食用としては適さなくなってしまう。

同事業の推進派はまた、石炭が最も炭素含有率の高い燃料であることを私達に伝えていない。石炭の燃焼は石油と比較すると29%増し、また、天然ガスと比較するとほぼ80%増しの炭素の放出につながる。そして、この発電所が運転を始めれば、25年間で総計約4000万トンもの炭素を産出することになる。

これは肝がつぶれるほど驚く数字であり、絶対に許すべきことではない。

したがって、私達は、ミンダナオ実業家会議に出席している実業家らに対し、事業の承認を求める決議等に反対するよう訴えたい。

合理性がなく、環境破壊を伴い、そして消費者にもやさしくないミンダナオ石炭火力発電事業を棚上げすれば、きっと間違いなく、未来は開ける。

何千人もの人々がこの事業に反対するだろう!
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