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国会審議―衆議院 外務委員会

<異議申立にもとづく融資契約調印の見合わせについて>

第155回国会 衆議院 外務委員会 第9号 2002.12.04(水)

質問者 前田雄吉 衆議院議員
回答者 茂木敏充 外務副大臣
      志賀櫻 国際協力銀行理事

◆前田委員
 次に、JBIC、国際協力銀行の環境ガイドライン、これにおける異議申し立てについて移らせていただきます。
 先般の十三日の外務委員会で私は質問させていただきまして、その後十八日に提示されたJBICの要綱案で、円借款業務については、私が申し上げたとおり、融資契約調印前であっても本行としての評価を示したとき以降は異議申し立ての受け付けを行うというふうに大幅に改善していただきまして、これは本当に私ども、納得できる、いいことであると思っておりますので、ぜひやってください。
 そこで、融資契約調印前に受け付けた案件に関して、ガイドラインの遵守、不遵守について調査が終わって報告書が作成されるまで、当然、融資契約の調印は見送られるべきものであると私は思っております。要綱案にはこれが明記されておりません。外務大臣、このことについてどうお考えでしょうか。

◆茂木副大臣
 委員御指摘のとおり、先日委員の方からも御質問いただきまして、円借款業務については、今後、融資契約調印前においても異議申し立てを受けること、そういうふうになったわけでありますが、融資契約調印前に異議申し立てを受けた場合は、申し立ての内容や個別案件の事情等を勘案の上、当該案件への対応が検討されることとなる、そのように承知をいたしております。
 この場合でありますが、申し立てに対する報告書が提出されるまでの間、融資契約の調印を見合わせるとの対応をとることの可能性も排除されておりませんが、一律に審査結果が出るまで融資契約を調印しない、こういうことは適切ではないと考えております。

◆前田委員
 JBICの方はどうお考えですか。同じ質問です。

◆志賀政府参考人
 御指摘のとおり、円借款業務につきまして、融資契約調印前においても異議申し立てを受け付けることとしておりますけれども、融資契約調印前に異議申し立てがなされた場合は、申し立て内容によるわけでありまして、申し立て内容に加えて、相手国政府との信頼関係、個別案件の事情などを勘案いたしまして、日本政府と協議の上、当該案件への対応を検討することとなると思います。
 したがいまして、要綱案に一律に審査結果が出るまで融資契約を調印しないと規定することは、やや適当でないと考えておるところでございます。

◆前田委員
 ということは、もしも甚大なる被害が融資によって起こる可能性があった場合に、被害を事前に食いとめることが非常に難しくなるんじゃありませんか。私は、この点を指摘させていただきたいと思っております。
 そして、民間企業の支援、これについてちょっと話させていただきます。
 昨日、政府は、政府系金融機関の統廃合を先送りされることになりましたけれども、国際協力銀行の大手商社向けの融資を廃止する、できることは即やるという発表をされております。
 そこで、民間企業支援を行っている国際金融等の業務において、相変わらず融資契約調印前の異議申し立ては行わないという方針があるようですけれども、私はこの点もぜひ勘案していただきたいと思うんですね。とにかく間違った融資がなされないような形で行っていただきたい。
 そのために、先般、第十二回のパブリックコンサルテーションが十一月十八日に行われて、ここの中で、融資契約調印前に折り合いのつかない案件に関して、国際金融等業務においても融資契約調印前に異議申し立ての受け付けを行う、受け付けた案件は環境担当審査役による調査を行い、報告を作成し、公開する、そういう意見が一つ。そして、情報公開の具体的な内容とその時期について明示する。三番目に、異議申し立てについての報告書を総裁に提出した後、一カ月後のJBICの投融資部門による意見書を待たずに、速やかに報告書を公開するべきではないか、投融資部門の方においても意見書を作成し、公開する。
 その三つが話されているわけでございますけれども、ぜひJBICもこの辺を再検討していただいて、この第十二回のコンサルテーションで示された意見をもとに要綱案の修正をぜひ行うべきであると私は思いますけれども、国際協力銀行、いかにお考えですか。

    〔中川(正)委員長代理退席、委員長着席〕

◆志賀政府参考人
 御指摘の諸点につきまして、第十二回のコンサルテーションの場でもさまざまな御意見がありました。本行といたしましては、議論の全体的な流れを踏まえまして、現在の案としているところでございます。ただ、一部の参加者からは反対の御意見もありましたので、その旨は記録にとどめることとしつつ、案文の修正は行わない方針であります。
 いずれにしても、今後、本要綱案について借入人となる途上国政府に説明した上で、来年二月ごろのパブリックコメントの募集に続きまして、パブリックコンサルテーションを実施する予定でありまして、今後とも皆様の御意見を承りながら、現在の案を基本としつつ検討していく考えであります。

◆前田委員
 これは、今最後に皆さんの御意見を承りながらと言いつつも、要綱案は変えぬと言っておるんですよ。では、このパブリックコンサルテーションを開く意味がないじゃないですか。しっかりと、いわゆるNGOの皆さんも、そして外務省の意見もそうでしょうけれども、関係企業もそうかもしれません、意見を聞いていただく以上、この要綱案に反映させるのは当たり前じゃありませんか。

◆志賀政府参考人
 本行といたしまして、皆様の意見を承りながら現在の案を最良のものとしてお出ししておるわけでございますけれども、もちろん、パブリックコンサルテーションを開くものであります以上、議論の結果を踏まえた最良のものをつくっていこうという姿勢に変わりはございません。

◆前田委員
 これで最後ですけれども、とにかく、意見を聞く以上、しっかりと直してくださいよ。これを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

 




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