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JBIC異議申立制度の設置に向けて
JBICの異議申し立て手続き要綱案発表
JBIC異議申し立て手続き要綱案へのコメント

2002年9月9日


【全体】
  異議申し立て機関による独立した調査の実施が確保されておらず、JBICのプロジェクトによって被害を受けている(受けることになる)人々からの「できるだけ申し立てを受けない」「できるだけ申し立て案件について調査を行なわない」ように設計されている。被害を受けている(受けることになる)住民が申し立てにくいように設計した、企業に配慮しすぎた内容であるといわざるを得ない。
  これでは、JBICの環境ガイドラインの遵守を確保するための異議申し立て手続きとはいえない。これでは、投融資案件における取り返しのつかない社会環境被害を防ぐことはできず、何のために異議申し立て手続きを制度化するのかわからない。

【重点ポイント】

●独立性の確保なし
・ 環境担当審査官の独立性をどのように確保するのかが明確でない。異議申し立て機関とJBICとの関係、機関の委員や事務局の構成、委員の選定・任命方法など、組織構成についても十分な議論がなされるべき

●融資決定前の案件の受付なし
融資決定前の案件は、異議申し立ての対象外となっている。これでは、意思決定前にガイドライン不遵守の指摘があっても、第三者による調査が見送られ、事前に社会環境影響を防ぐことができず、被害の拡大を避け得ない。対応が遅れると、日本政府としてさらに大きなリスクを負うことになる。

●厳しい受け付け要件
異議申し立て受け付けの要件が厳しく、被害を受けている(受ける可能性がある)人々にとって申し立てがしにくい手続きとなっている。特に、当事者間での誠実な協議、投融資担当部署が適切な協議への対応などの判断については、受付の要件とせず調査の中で対応すべき。
・ 直接的な被害を受けた住民しか異議申し立てを行なえないことになっており、代理人による申し立てが認められていない
・ 申立書は、日本語または英語で記載されたものしか認められない。基本的にどのような言語ででも受け付けるべきである。
虚偽の申し立てについての調査費用の請求は、申し立て者への脅迫とも取れる。手続きの中に盛り込まれるべき内容ではない。
濫用防止のために、補償金額の上限やプロジェクトの進捗の遅延防止等を規定として定めているが、環境ガイドラインの遵守・不遵守を確認する上でこれらの規定は意味をなさない。
並行手続きの防止、一事不再理を申し立ての要件としているが、JBICガイドラインの遵守・不遵守は当該国での訴訟手続き、他の国際機関での紛争処理手続きとなんら重複はなく、独自に進められるべきものである。

●異議申し立てについての調査
・ 異議申し立てを受けての現地調査や、関連資料へのアクセスなどが保証されておらず、遵守・不遵守についての十分な調査を行なうための体制が確保されていない
・申し立て受理後3ヶ月以内に報告書を提出し、活動を完了することになっている。迅速な対応が必要ではあるが、報告書作成期間も含めて3ヶ月では十分な調査ができるとはいいがたい

● 申し立て人の保護
・申立て人に関する情報の公開に関しては、申し立て人が抑圧や嫌がらせなどを受けないように保護する視点が確保されなければならない。

以上

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