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JBIC環境ガイドラインの策定プロセス
NGO・市民連絡会の活動と提言
「国際協力銀行の環境ガイドライン統合に係る研究会」と提言活動
https://www.sg-egl-jbic.org/
JBIC異議申立制度の設置に向けて
賛同依頼:国際協力銀行異議申し立て制度へのNGO提言(〆切:8月 28日)
  8月30日の第4回のコンサルテーションで、国際協力銀行(JBIC)は異議申立て手 続き要綱案を提示する予定です。NGOとしても、これまでの国際機関の経験や国 内の事例などの研究、皆さんとの意見交換を元にした、具体的な『異議申し立て 制度』についての提言を提出したいと思っております。

 提言では、環境ガイドラインの適切な実施を確保するために、1)ガイドライン の不遵守についての調査を行い、2)環境社会影響に関する問題解決を行なうこ と。また、3)こうした活動をJBICの政策改善につなげ、4)アカウンタビリティ を向上させることを目的とした機関を設置することを提言しています。

 また、この機関は投融資部門や審査部門から独立して、JBIC総裁直属の機関とし、 JBICから独立した調査を実施できる体制を備え、十分な情報公開や権限を確保し た、公平性、合理性、効率性を原則とした機関とすることとしています。(詳細 は下記をご覧ください)

 つきましては、NGO提言への皆様のご賛同をいただければと思っております。賛 同いただける方は8月28日(水)中に(finance@foejapan.org)まで ご連絡ください。NGO団体に所属されている方は、できるだけ、団体としての賛 同をいただけますと幸いです。ぜひよろしくお願いいたします。 以下、NGO提言の要約版です。本文は下記をご参照ください。

 

 JBIC環境社会配慮ガイドライン遵守機能としての異議申し立て制度に対するNGO提言-手続き要項
 https://FoEJapan.org/aid/jbic01/020821a.html

 インスペクションパネルとオンブズパーソンの比較対照表
 https://FoEJapan.org/aid/jbic01/020821b.html

 JBIC異議申し立て制度フォローチャート
 https://FoEJapan.org/aid/jbic01/020821c.pdf

 

国際協力銀行(JBIC)環境社会配慮ガイドライン遵守機能
異議申立制度・手続きへのNGO提言(2002年8月)

【要約版】

作成:松本 悟(メコン・ウォッチ)

1.ガイドライン遵守のための異議申立機関は以下の目的を持つべきである
@ JBICが融資等を行なったプロジェクトによって生じた、もしくは生じる恐れがある環境社会影響が環境社会配慮ガイドラインの不遵守によるものかどうかを調査すること
A 環境社会影響がガイドラインの不遵守によるものかどうかに関わらず、環境社会影響に関わる問題の解決に資すること
B 不遵守の調査と問題解決への働きかけを通じて、JBICの政策の改善に資すること
C JBICの公的機関としてのアカウンタビリティを向上させること。

2.ガイドライン遵守のための異議申立機関は投融資部門から独立すべきである
 環境社会配慮ガイドライン遵守を確保するための異議申立機関は、投融資部門や審査部門から独立し、JBIC総裁直属の機関とすべきである。

3.異議申立機関は被影響住民の視点に立った制度とすべきである
 具体的には、申立がしやすい言語での受付や情報提供を可能にすること、匿名や代理申立を認めること、申立を検討している被影響住民やその代理人に丁寧な助言を与えること、厳密な政策違反の証明を申立者に求めないこと、審査の途中で申立人が意見を述べる機会をできるだけ多く持つこと、申立によって不当な嫌がらせを受けないようにすること、再申立をできるようにすること、が挙げられる。

4.異議申立機関は公平性・合理性・効率性を原則とすべきである
 異議申立機関のメンバーの選考は公平性を確保するため、異なるステイクホルダーによる選考委員会によって行ない、選考過程を公開すべきである。異議申立機関がJBICから独立した調査を実施できる体制を自ら兼ね備え、情報公開を行なう。また、各申立に対しておよそ半年程度で機関としての調査結果と意見を総裁に提出できるような制度とする。

5.異議申立機関は以下の権限を有するものでなければならない
・ JBIC所有文書への自由で十分なアクセス ・ 関係する企業から必要な文書等の提出の要請
・ 相手国政府(機関)が所有する関連文書の提出や現地訪問に関する必要な協力の日本政府への要請。
・ 審査期間中の事業進捗によって被害が悪化することが予想される場合、融資の停止や中止の総裁への意見具申とその公開
・ 上記権限は融資契約などを通じて借入人等との間で合意しておくべきである

6.ガイドラインの不遵守を審査する「インスペクションパネル」を設置すべきである
 発展途上国でJBICが支援しているプロジェクトによって環境社会被害が発生した(もしくは発生する可能性がある)という申立があった場合、その被害がガイドラインの不遵守によるものかどうかを審査し、その結果に基づいて総裁に意見を述べる「インスペクションパネル」を設置すべきである。すでに、国際金融機関である世界銀行やアジア開発銀行では10年近く前から設置され始め、政策遵守の面では一定の効果を挙げている。インスペクションパネルは3人の委員からなり常設の事務局を持つ。必要に応じて調査員を雇用できる。申立の適格要件を満たして本調査に入った場合、もし当該案件の融資契約が未締結であれば、調査終了まで融資締結は凍結すべきである。またパネルによる最終調査報告書やそれに対するJBICと申立者の意見等、節目節目で情報公開する。組織や手続きの詳細は提言本文を参照のこと。

7.環境社会被害を解決するために「オンブズパーソン」を設置すべきである
 環境社会被害を防ぐことがガイドラインの目的である以上、被害の発生自体が広い意味でガイドラインに反している。また、被影響住民にとっては、ガイドラインを理解して自らが直面している被害と不遵守を結びつけることは容易でないことが、世界銀行やアジア開発銀行の経験から明らかになっている。したがって、ガイドラインの不遵守があったかどうかと無関係に、JBICにプロジェクトによって引き起こされた(可能性がある)環境社会被害を解決するために、JBICへの働きかけや関係者間の調停など柔軟な対応を行なう総裁直属の「オンブズパーソン」を設置する。すでに世界銀行グループの国際金融公社(IFC)・多国間投資保証機関(MIGA)やカナダの輸出開発公社(EDC)などで導入され、IFC・MIGAでは一定の問題解決の効果があると評価されている。オンブズパーソンは当初1人から始めて必要に応じて増員し、常設の事務局を持つ。必要に応じて調査員を雇用できる。組織や手続きの詳細は提言本文を参照のこと。

8.異議申立の結果を政策改善に反映させるための組織を作るべきである
 具体的には、インスペクションパネルとオンブズパーソンが合同で、「遵守合同会議」(仮称)を設置し年に1度開催する。異議申立を通じて明らかになったJBICの政策上の課題を議論し、政策改善に対して総裁に意見を提出する。

9.異議申立機関はモニタリングとフォローアップも行なうべきである
 インスペクションパネルとオンブズパーソンは、不遵守に対するJBICの対応策や、調停等の働きかけの結果などについて、継続的にモニタリングを行ない、結果を総裁と申立者に報告する。世界銀行の実例からその必要性が強く求められるからである。ただし、パネルやオンブズパーソンが、これ以上の関与が必要ない、もしくは効果がないと判断した場合、関与の終了を総裁及び申立者に報告する。その際、関与終了の根拠を公開し、意見を求めなければならない

10.過去のガイドライン等についても適用対象とすべきである
 申立対象となったプロジェクトの融資契約日によって、遵守の対象となるガイドラインは異なる。新しい環境社会配慮ガイドラインだけでなく、旧日本輸出入銀行の環境配慮ガイドラインや、旧海外経済協力基金の環境配慮ガイドライン(初版及び第2版を含む)、及びガイドライン制定前に同様の役割を果たしていたチェックリストも異議申立の対象とすべきである。

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