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シベリアタイガプロジェクトトピック>シベリアの森林破壊
日本とのつながり
タイガの保護は21世紀の危機管理
タイガの破壊がなぜ問題なのか?
破壊の実態
タイガの現状
ロシアの森林面積・蓄積は莫大だが・・・
実際の伐採は特定の箇所のタイガで集中的、収奪的に行なわれ、そこで資源を枯渇させると、周囲に向かって拡大していった。

まず、統計に出てくる"森林蓄積" "年間生長量"などの数字は、必ずしも実際に利用可能な "森林資源"を表すものではない、ということです。

たとえば − 極東ロシアという地域は全ロシアの3分の1ほどの面積がある地域で、統計によれば200億立方メートル程度の"森林蓄積"を持つことになっています。しかしこの200億立方メートルの半分−100億立方メートル以上−は、気温の低い北部に分布していて、そこに生えている木は幹が細く、工業用丸太としては十分に通用しません。実際の伐採は、以下の四つの南部の地方や州で集中的に行なわれてきました。

「ハバロフスク地方」
("森林蓄積" は50億立方メートル強。大部分がカラマツ。日本海に面した木材輸出港を持つ − 州都はハバロフスク)
「沿海地方」
("森林蓄積" は17億立方メートル強。ベニマツ、カラマツ、エゾマツがある。日本海に面した木材輸出港を持つ − 州都はウラジオストク)
「アムール州」
("森林蓄積" は20億立方メートル弱。大部分がカラマツ。海には面していないが、伐採した丸太を鉄道で日本海沿岸港まで送っている −州都はブラゴベシチェンスク)
「サハリン州」
("森林蓄積" は7億立方メートル弱。エゾマツ、トドマツ、カラマツがある。オホーツク海に面した木材輸出港を持つ。北海道に近い − 州都はユジノ-サハリンスク)

そして、これらの地方の中においても実際には山岳部や急な斜面に生えている木がかなり多いため、実際に伐採の行える箇所は限られています。結果として伐採は比較的平坦な場所で集中的に行なわれることになりましたが、それによって河川流域などのタイガが破壊され、野生動物の生息や川の水質などに深刻な影響を及ぼしてきました。

以下は極東ロシアの専門家達が、伐採でこれまでに著しくタイガの破壊が進んでいると指摘しています。
* ハバロフスク地方、イズヴェスツコヴャヤ − チェグドムイン間の鉄道沿いのタイガ
1960年代から北朝鮮の伐採労働者による伐採が進められていた
* アムール州、ティンダ一帯のタイガ
1970年代から北朝鮮の人々による伐採が進められていた
* ハバロフスク地方、コムソモルスク・ナ・アムーレ周辺のタイガ
1950年代に伐採が激化
* シベリア鉄道およびバイカル−アムール鉄道(バム鉄道、第二シベリア鉄道)の線路沿いのタイガ
線路の両側、10キロづつ帯状に伐採でタイガが失われている
* サハリン島(旧樺太)の南半分のタイガ
戦前、日本の会社による伐採が激しかった
* 沿海地方南部のタイガ
ベニマツの丸太を得るための伐採が激化。多くの箇所で混交林が広葉樹林に姿を変えた
* カムチャツカ半島のタイガの約50%、マダガン州のタイガの大部分
木材を得るための伐採と、地下資源の採掘のための伐採が激化

以下は、専門家達が、これからの伐採によって非常に重要なタイガが破壊されるおそれのある箇所として挙げている場所です。

* シホテ-アリニ山脈に残るタイガ
(シホテ-アリニ山脈は、ハバロフスク地方から沿海地方にかけて日本海沿いに連なる山脈)
この山脈に水源を持つアニュイ川の上流域、ホル川の流域、スクパイ川の上流域、サマルガ川流域、ビキン川上流域のタイガ。これらの場所のタイガはアムールトラをはじめとする数多くの野生動物の生息地であり、先住民族ナナイ、ウデゲの人々の生活の場でもある
* サハリン島中部、北部に残るタイガ。ナビル山嶺周辺やシュミット半島のタイガ
* アムール川流域に残るタイガ。ゼヤ・ブレヤ平野で針広混交林となっているタイガ

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