ケニア円借款案件(ソンドゥ・ミリウ水力発電事業)
最新情報(2001.8.16)

イースト・アフリカン・スタンダード

East African Standard

国際通貨基金(IMF)がケニアへの援助を差し控える

Mutahi Mureithi

2001年8月16日

IMFはケニア反汚職法(Kaca)の法案が議会で否決されたことを受け、昨日、ケニアへの援助を凍結すると発表した。

IMF上級現地代表のSamuel Itam氏はケニア反汚職法が否決されたことを受け、慎重に検討された声明の中で、IMFはケニア政府への今年と来年の会計年度に予定されていた8200USj(97億円:1USj=119)の援助を凍結すると発表した。

Itam氏は「IMFは、ケニア議会の今後の動きによっては、今回、2000/2001年度分(2100USjの融資の実行)でカバーされる初年度計画の実施状況の評価を完了するか、あるいは第二期目の2001/2002年度分(約6100USjの融資の実行)の交渉を完了することになるだろう。」と述べた。

また氏は、法案を否決するなら融資凍結は必須である。しかし、IMFは経済発展促進のためにケニアの構造調整政策を進めようとするうえで、グッドガバナンスは引き続き根本的な重要課題であることについては政府と合意した、と話した。

氏は「すべての関係者の一般的合意事項は、ケニアの汚職を防止するには意味のある、力強い一歩が踏み出されなければならないということである」とも主張した。

ケニアは現在、20008月から開始されている3年間の貧困削減成長ファシリティ(PRGF)への財政支援を受けている、とItam氏は付け加えた。

このプログラムへの融資額は合計で24200USj(288億円)だが、そのうち19900USj(237億円)はまだ実行されていない。

逆風をかわすための見かけ倒しの対策にすぎないが、IMFは最近のケニア政府による改革の努力を奨励するとItam氏は述べた。

IMFは、汚職の防止を進めるために必要な組織的な枠組みを構築するための試みが効果を発揮するといった、マクロ経済の均衡の悪化を改善するための施策についての対話を続けるだろう。」

火曜日、法案可決のためには3分の2以上の賛成が必要だった投票で、Kaca法案は否決された。

政府側(法案賛成)は130票の賛成票を獲得し、反対票は82票であった。

(法案可決には、141の賛成票が必要)

与党であるケニア・アフリカ人国民同盟(Kaca)内にも法案反対勢力があり、6ヶ月間の満了になるまで議会で法案を再び議論することはできなくなった。

この間、法務長官のAmos Wako氏は野党から挙げられた様々な問題を考慮しながら新しい法案を立案することになる。

Itam氏は、IMFは「重要な国内の貧困問題を解決するような、満足のいく経済成長を促進するためのケニアの改革プログラムにおいて、グッドガバナンスは引き続き根本的な課題である」との点において政府と合意していると話した。

「よって、ケニアの汚職を防止するには意味のある、力強い一歩が踏み出されなければならないということは一般的合意事項である。」とItam氏は声明の中で述べている。

 
 

 

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