ケニア円借款案件(ソンドゥ・ミリウ水力発電事業)
最新情報(2001.6.18)

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イースト・アフリカン・スタンダード

East African Standard

日本政府、ソンドゥ・ミリウ事業に調査団を派遣

【ケニア】 ナイロビ   2001618

デビッド・オクウェンバゥ

 日本政府は、現在懸案となっているソンドゥ・ミリウ水力発電事業について現地調査をおこなうため政府高官を急派した。

 調査団は、外務省経済協力局有償資金協力課の北野充課長を団長に、先週土曜日の午前中ケニアに到着。昨日、同湖畔地域へ向かった。

 本紙の単独インタビューのなかで北野氏は、利害関係のあるすべての団体と会合をもち、現地での動かぬ事実をもち帰ることが任務であると答えた。

 彼は、この水力発電事業における環境や補償の問題が指摘されて以来、日本の国会で同事業に関する論争が巻き起こっていることに言及した。

 今回の一団には国際協力銀行の松下篤氏も同行しているが、北野氏は、報告書を作成する前に(現地で)広く協議を行う予定であることを明らかにした。国際協力銀行は、日本の公的海外経済援助機関である。

 ソンドゥ・ミリウ事業は、NGOの連合体が環境や補償問題について疑念を差し挟んだことでジレンマに陥った。

 NGOはニャンザ州ニャカチ地区でおこなわれている同事業について、雇用政策に関連した問題もあると指摘している。

 このような(NGO側の)動きは、論争の種となっているすべての問題が解決するまで、同事業への融資を日本政府が見合わせると、青木駐ケニア日本大使が公表する結果に結びついた。

 10日前、青木大使は当時の国家開発党のリーダー、レイラ・オディンガ氏(現エネルギー相)を同行させ、同事業地を訪れたが、その際、政治(的力学)を同事業から排除する必要性を強調した。

 北野氏は、現在あげられている問題事項がすべて対処されるならば、同事業を最後までやりたいという日本政府の意向を強い口調で語った。

 また、北野氏は、水曜日にケニアを発つことになっているが、彼の任務として、同事業にまつわる汚職問題の解決をあげた。

 一方、NGOの連合体は、懸案となっているソンドゥ・ミリウ事業に対する日本政府の独立派遣調査団を歓呼として迎えた。

 同連合体は、昨日、本紙に寄せた署名入りの文書のなかで、同事業の融資面および環境面について独立調査が行われることを歓迎すると表明している。

「我々は、国際的に認知された団体に同事業の会計検査をしてもらい、同事業への融資がケニア人に十分寄与するものなのかを実証してもらえるならば、同様に感謝するだろう。」と述べたものだ。

 デニス・アクム前ニャカチ議員をリーダーとする同連合体のメンバーは、当地を訪れた日本の外務省高官に、悪影響を受けるアポンド・カサエやオディノの滝がある地域にも足を運ぶよう訴えかけた。

 

 
 

 

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