コルディリェラ人民連合から

国際協力銀行総裁への手紙

2000年9月15日

国際協力銀行
総裁 保田 博 殿

前略、
当年9月13日、イトゴン市議会において、議会がサンロケダムプロジェクトへの支持撤回決議を承認したことをここで貴行にお知らせ致します。議会が今回の決定にいたった理由としては、決議第109号で知られる議会のサンロケダムプロジェクトへの支持の中で提示された17ヶ条の条件が実際に遵守されていないことがあげられています。成文化された決議は議事録に明記された後、市議会議員の署名を得ることになります。同決議のコピーは、出来るかぎり早急に送付したいと思っております。市議会の審議状況は、ビデオに収録されたものをすでに文書化してあります。

今回の動きにより、サンロケダムプロジェクトは現在、地方自治法に明記されているとおり、プロジェクト継続の法的資格を失っております。また、先住民族権利法の要請している、ダム建設の影響を受けるベンゲット州イトゴン市の諸地域共同体による事前及び事後合意もありません。したがって、すでに、サンロケダム建設の継続はフィリピンの現行法に反しています。また、国際協力銀行も市議会が提示した17ヶ条の条件が十分に履行されることを追加融資の一定条件とされています。再度になりますが、イトゴン市議会のサンロケダムプロジェクトへの支持撤回が示すように、フィリピン電力公社及びその他の政府関連機関は同条件を遵守していません。市議会議員の一人が今回の支持撤回決議審議中に言及しておりましたが、関連機関による条件の遵守を心待ちにしているイトゴン市住民の大きな期待は無にされ、そして、条件のあからさまな無視は関連機関が慈悲を欠き、無情であるのを示していることは、いまや明らかです。

今回の動きにより、ダム建設の推進者はすでにダム建設継続の法的根拠を失っています。この点に鑑み、私たちは、国際協力銀行がサンロケダムへの追加融資を留保し、国際協力銀行が自ら設置したプロジェクト融資支援のための条件を真剣に再検討するよう要請します。私たちはまた、これらの条件に対する重大な侵害という見地から、国際協力銀行がサンロケダムへの融資中止を真剣に考慮するよう要請します。加えて、私たちは、国際協力銀行は、当プロジェクトの犠牲となって影響を受け生活が更に悪化している家族に責任を負っていると考えます。

私たちの貴行への要請が考慮されることを期待しております。ご高覧いただきありがとうございました。お返事お待ちしております。

草々

コルディリェラ人民連合(CPA)事務長
Joan Carling