サンロケ多目的ダムプロジェクト
最新情報(2001.08.19)

サンスター紙

アグノ川流域の計画実施期間 10年に延長か

2001年8月19日

 バギオ――アグノ川下流の統合集水域管理計画(IWMP)の実施期間が、資金確保の遅れにより、4年から10年に拡大される可能性がある。

 IWMPの計画管理者Guillermo Fianza氏は、彼らが現在、「集水域の環境面での持続可能性を高めるため、また、地域社会の社会経済および文化的な問題に対処するため」に、同計画期間を延長する可能性について、イトゴン町の9つのバランガイ(集落)と一連の協議を行っているところである、と述べた。

 また、「資金確保の問題から同計画の軌道修正をする可能性はあるだろうが、その修正を行う際には、バランガイとの協議を行い、彼らの承認を取った上で進めていきたい。」と説明した。

 そして、「すでに、計画の様々な分野毎に、各々のバランガイからの担当者が選ばれている。」と付け加えた。

 IWMPは、サンロケ多目的ダムプロジェクトの建設にともなう様々な問題や懸念に対処するため用意されたもので、フィリピン電力公社(NPC)およびサンロケパワー社(SRPC)と共同で天然資源環境省(DENR)が、4年間のボトム・アップ方式で行うものだ。

 今年開始されることになっているこの計画は、全部で4年間、総額745034000ペソの予算を組んで行われる。初年度分の予算は329307000ペソとされていたが、Fianza氏によると、これまでのところ予算管理局は、たった一億3790万ペソの予算しか出していないということだ。

 今年度分の予算のうち、321601,000ペソは土砂堆積や生活再建、土地補償、大気・水質・土壌汚染管理、森林保護、研究開発、生物多様性の保全といった事業分野の実施に利用されることになっている。

 2002年度分については、IWMP25432000ペソが充当される予定で、そのうち約19800万ペソは引き続き上記の事業分野に適用される。2003年度分の予算支出は122068000ペソ、最終年度は88227000ペソの支出が予定されている。

 しかし、同計画の管理者らは、これまでのところ約13700万ペソしか予算がついておらず、また、次年度の始まりまであと4ヶ月と迫っていることから、同計画の実施期間の拡大が必要不可欠であることを強調した。

 「常に資金不足が問題にあげられてきた。」とバランガイの役人は語る。

 彼は、ダムの建設が予定通り進んでいるのにもかかわらず、プロジェクト関連諸機関に実施責任のあるIWMPは、資金不足のために延期される、と続けて語った。

 SRPCの上級副社長で、サンロケ多目的ダムプロジェクトのプロジェクト管理者でもあるRaymund Cunningham氏は、以前、サンスター紙に対し、115000万ドルをかけて行われるこのフィリピンの最優先事業は、すでに事業の83パーセントが済んでおり、来年1231日までに完成することが期待されているとし、「我々(の事業)は予定通り進んでいる。」と述べた。

 サンロケプロジェクトは、25年間のBOT方式で進められている、とCunningham氏は語った。

 一方、NPCにも、4年間で総額3300万ペソの予算がIWMPのために割り当てられるということだ。ベンゲット州イトゴン町のダルピリップ村やアンプカオ村、また、パンガシナン州のある場所では、すでにIWMPの事業の一部が始められているところもある

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