NGO・市民連絡会からの提言
情報公開に関する討議資料(ドラフト)

2001.2.7 FOEJもとやま

1 情報管理・公開の原則

(公正な開発プロセス確保の観点から)

  • 開発プロセスにおける参加と公正、アカウンタビリティーを保証し、もって開発の効果と持続性を高めるためには、プロジェクトの実施に先立って、適切な手続きにのっとった説明と協議に基づくステイクホルダーの合意が形成されなければならない。

  • この原則を実現する上で、すべてのアクター(住民、NGO、政府、開発実施者、JBICおよびその他の融資者等)間の情報の共有と協議が最も重要かつ不可欠の要素であることを認識し、促進する。

  • 情報共有と協議のために、事業の性質に応じて適切な情報ツールが適切な手段、タイミング、手続きにより公開されることを確認する。

  • チェック・アンド・バランスの考え方に基づき多様な意見・情報が収集・共有されることにより、事業の質を向上させることを重視する。

  • 特に直接影響を受ける人々の基本的人権としての知る権利および自己決定権が保障されなければならないという認識に立ち、これらの人々が理解可能な形式で完全な情報を提供されることを確保する。

(JBICの責任ある事業実施の観点から)

  • JBICは公的機関として事業の透明性とアカウンタビリティーを確保するため、情報公開法が定める範囲において、すべての情報を整理して文書化し、タイムリーに公開することを原則とする。これはJBICの事業に対する信頼性を高めることにもつながる。

  • 審査・監視等のための情報源は、事業者が提出するものに限られない。地域住民やNGO、専門的知見を有する関係者などがもつ有益な意見や情報をタイムリーに求め、最大限に活用する。

☆情報公開法:国民主権にもとづき行政文書の開示を求める権利を認定(知る権利)。行政の説明責任と、公正で民主的な行政の推進を明示。

2 現地における情報公開の要求

 1の目的を達するため、実施国における情報公開の実施について以下を確認する。

@プロジェクトの内容について理解できる情報が公開されていること。F/Sが公開されることが望ましい。

A環境情報が当該国で適切な時期、方法、言語により公開されること。
 
カテゴリーAはEIAを公開、カテゴリーBも環境アセスメント情報を公開する。

B情報公開の方法としては、文書の公開のほかにできるだけ公聴会等、住民に直接情報を提供し意見を聴取する機会を設ける。

C事前に十分な情報を提供した上でなるべく早期にステイクホルダー間とのコンサルテーションを開始すること。特にカテゴリーAはスコーピングの段階とドラフトEIA作成後の最低2回は実施すること。コンサルテーションは実施期間中も必要に応じて実施し続けるべきである。

Dコンサルテーションの機会等に聴取された主な意見はそれらに対する回答とともに記録し、最終案に反映すること。

E先住民族や少数民族、貧困層、女性などの傷つきやすいグループが情報にアクセスしたり意見表明するための支援の必要性について検討すること。

3 JBIC自身による情報公開

1の目的を達成するため、以下の情報につき文書公開とそのタイミングを定めて外部にわかりやすく示す必要がある。

@支援検討プロジェクト情報の公開

 JBICに対する支援要請があった時点もしくはJBICが審査を開始した時点で、少なくとも次の情報を公開すること。-----プロジェクト名称、場所、実施者、資金規模・調達、事業概要

(ODAでSAPROF対象案件の場合は、その前に余裕を持って情報が公開されること?)

Aカテゴリー分類およびその根拠 (カテゴリー分類の決定後すぐに)

B環境アセスメントレポート

 申請者より提出があれば即時に、最終決定の少なくとも120日前までに公開。サマリーはできるだけHPに載せる。

CF/Sレポート

 申請者より提出があれば即時に、最終決定の少なくとも120日前までに公開。サマリーはできるだけHPに載せる

D審査の所見を記した書類(=役員会提出資料?) (役員会開催○○日前に)

E交換公文(E/N)

FL/Aと環境・社会関連契約事項(契約締結後)

G(実施者による)モニタリングレポート(到着後すぐに)

H(JBICによる)監査レポート

その他

4 上記を実現するためにその他整備するべき事項

  • 市民参加による情報公開政策及び手続きの策定

  • 文書管理・情報公開システムの整備

  • 常に市民との活発な情報交流を行うことのできる体制作り