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裏切られた地球サミット 次はメキシコで会おう
南アフリカ・ヨハネスブルク 2002年9月4日

9日間の協議の末、地球サミットはついに最終日となった。実施計画の最終文書には、新しい具体的な目標が二つ入った。

1)2015年までに基本的な衛生状況に無い人の割合を半減させる(第7章)
2)2012年までに代表的なネットワークを含む海洋保全ネットワークを確立する(第31章)

賞賛できるのはそれだけだ。その他の部分で存在するコミットメントは単に再確認されただけであり、骨抜きの実効性の無いものだ。第5章(a)は「先進国に、GNPの0.7%をODAに振り向けるための具体的な努力をするように促す」と約束している。第19章(e)は「クリーン」な化石燃料を促進するという、気候変動に取組む京都議定書と全く矛盾するものである。(カナダとロシアによる批准の発表は歓迎できるが。)第22章は有害物質に関するものであり、ただ単に「2020年までに、人間の健康への深刻な影響を最小限にする方法で化学物質が生産されるようにする」となってしまった。第42項は「現在の生物多様性の減少速度を顕著に減速させる」という、国連生物多様性条約会議からの明らかな後退になってしまった。さらに、欺かれた言葉や失われた約束のリストはきりが無いほどある。客観的にどこからみても失敗である。

FoEインターナショナル(FoEI)は、地球サミットを強く支持し、私たちの地球に対する環境面での脅威に取組む国際的な拘束力のある合意を強く求める。そのためには、メディアと市民社会に開かれた交渉が必要である。しかし、合意された実施計画は、世界が直面している問題の大きさを取り扱い始めたに過ぎない。これは世界の貧しく弱い立場の人々やコミュニティ、とりわけ貧困だけでなく環境の危機に直面している途上国に対する裏切りである。

先進国やWTOなどの機関を支配している新自由経済主義がもたらす悪影響を阻止するための機会は、失敗に終わった。その代わりWTOとそのルールについて約200箇所の引用が行動計画に含まれている。多国間環境協定(MEA)をWTOルールに従属させるコミットメントを防止したという、NGOのキャンペーンの勝利も部分的なものでしかない。この件についての更なる議論は、メキシコのカンクンで開かれる次回のWTO閣僚級会合で行われるからだ。

FoEによって達成されたその他の重要な成功は、南アフリカと他の政府代表との非公式会合の後、企業行動と責任に関しての国際的な合意を促進する文言が含まれたことだ。しかし、米国はこれらの文言を、アッシュ大使から出された「解釈に関するレター」による策略を通じ、弱体化させようとした。FoEIは今後、企業責任に関する国連会議を2003年末までに開催するように働きかける。この問題を扱うことを求めている南ア政府が作成した政治宣言案で提案された目標である。FoEIは企業責任に対するキャンペーンと、自由市場主義に対して環境保護と社会的連帯を優先させるためのキャンペーンを、カンクンのWTO会議に向けて行っていく。

リカルド・ナバロ FoEI会長は次のようにコメントしている。
「地球サミットは環境保護と貧困と社会的破壊に対する取り組みの場だったはずだ。その代わりに、自由市場主義、後退し偏狭なアメリカの政権、臆病で困惑したEU、保守的な政治家達をリムジンに囲い込んでいた国際的企業、によってのっとられてしまった。そして、中身が無く偽善的な9日間の後、環境を守り、貧困と搾取と闘うため得た重要な新目標は2つだけだ。

これは、このサミットを実質的な行動のためのサミットとみてきた世界中の何百万人もの人々、そしてとりわけ途上国の貧しく弱い人々やコミュニティに対しての裏切りである。このサミットにやってきて写真の前でポーズをとっているだけで、世界の問題に対するビジョンもコミットメントもない世界のリーダーたちを厳しく批難する。 経済が、規制し制御する政治機構の能力を超えてしまった世界、それは取りも直さず深刻な危機のもとにある。そして、このような世界は決して安全で平和にはなりえない。我々は世界が必要としている根本的な環境行動のために闘うことを決意する。メキシコで会いましょう!」

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