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サステナブルな地域づくり ワークショップin小川町
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サステナブルな地域づくりワークショップin 埼玉県小川町(3回シリーズ)

                   ☆第3回 ワークショップ実施報告☆
              〜食、農、ごみ、エネルギー まわる社会を考えよう!〜

2004年12月5日(日)開催 

 小川町ワークショップの最終回。今回は小川町の地酒メーカー「晴雲酒造」を会場に、11名の参加者と共にエネルギー自給の視点からの自立と循環を考え、全3回を通して見えてきた「循環する社会」の姿についての総括を試みました。

桜井さんのお宅の太陽光パネル

 まず始めに、小川町に居を構えながら、自然エネルギーの普及を目指して国内外を舞台に活躍している桜井さんに、太陽光発電を中心に講義をして頂きました。

 桜井さんは、地元のNPO「ふうど」が主催する「自然エネルギー学校」の主催者の一人です。「自然エネルギー学校」は、1)自分たちの生活に、身近にあるエネルギーを取り入れる、2)それをオープンな技術とすることで普及を促進する、3)一連の活動を通じてNPO「ふうど」の自立を確保する、という理念の元に開校されました。その背景には、自然エネルギーを「"ハード"として取り入れると同時に、共同作業を通じてコミュニティーの結び付きという"ソフト"も育成したい」という狙いもあるそうです。

 桜井さんの自然エネルギーの普及への情熱は海外へも向けられています。国際協力NGOソーラーネットの代表として、開発途上国でも特にインフラ整備の遅れている未電化地域への小規模太陽光発電導入を進めています。その根底には、適正技術の移転こそが、持続的で自立的なエネルギーの利用つながるという桜井さんの理念があります。手作りできる技術をマニュアル化し、手の届く費用で、自分たちで管理できる電力システムを築く。こうして初めて「自然エネルギーは人々のものとなる」のだそうです。

 その後、屋外で実際に簡単なシステムを使って太陽光発電のしくみを確認しました。小型太陽光発電パネルに電動ポンプやクリスマス用豆電球をつなぎ、光を当てたり影を作ったりして発電状況を比べました。

桜井さんと太陽光発電システム

 お昼休憩の後は、独立型太陽光発電システムを設置している桜井さんのお宅を見学しました。1990年に桜井さんが1kWのパネルを設置した当時は、まだ電力会社の送電線とつないで余った電気を売電できる系統連系のしくみがなかったそうです。その為バッテリーに充電して夜も使いますが、それも使い切ったら電力会社から買う電気に切り替えられるようになっています。したがって毎日、発電した電気のありがたさを実感しながら暮らしているわけです。トイレは雨水利用の簡易水洗で、1回に使用する水の量はコップ1杯で済みます。まさに自然とともに暮らす家でした。

 再び会場を晴雲酒造に移し、コーディネーターの阿部さんより小川町での取り組みについて総まとめをいただいた後、第一回でお世話になった金子さんご夫妻、第二回の岩崎さんご夫妻を迎えて、循環型社会、地域活性化のあるべき姿を考える座談会を行いました。その中では、各人から次のようなお話をいただきました(抜粋):

 

金子美登さん: 第一回ワークショップ講師。有機農家。
「めぐる輪の農業」が日本型農業なのではないだろうか。小川町の場合、有機農業を地場産業が支えてくれているというのが強み。1990年代からようやく国も動き出したが、それでも農家の現状は厳しく、法制度を含めた対策、地域レベルでの取り組みが必要。

金子友子さん: 金子美登さんの奥様。有機農家。
農業後継者をどんどん育成したい。かつての研修生が自立して新たな研修先となっている。全国に散らばっている有機農家のネットワークを活かせば、有機農業を拡げて行く力となるのではないか。

岩崎民江さん: 第二回ワークショップ講師。都会から小川町へ移住し、有機農業を始める。
小川町では人とのつながりで様々なチャンス、助け合いが生まれる。私自身も、田下農場での研修を通して居場所のようなものができたのが移住に際しては大きかった。自立した個人と、協力し合える地域がちょうど良い距離感を保っているのが小川町の良いところ。

阿部紀人さん: 現地コーディネーター。有機農業や地域活動に従事。
昨今有機農業が注目されているが、消費者に地産地消が正しく理解されないと、例えば安さから輸入有機農産品が選ばれてしまう。企業による農業法人格取得は農業活性化の一つのアイディアではあるが、利益が出ないと土地を売って撤退するという不安定さを孕む。

*第三回講師の桜井薫さんは急用につきご欠席。

 今回の参加者の中には、実際に小川町の移住を考えている方もいらして、その後の地酒を囲んでの懇親会でも、小川町の将来の計画が楽しく議論されました。 3回にわたる小川町でのワークショップを通して、グローバルに考えローカルに実践する21世紀の人間の暮らし方というものをじっくり考えることができました。そして、何より「有機的な人のつながり」が重要であることを実感しました。

晴雲酒造での座談会

1)晴雲酒造株式会社
  https://www.kumagaya.or.jp/~seiun/


2)自然エネルギー事業協同組合REXTA
  https://www.rexta.or.jp/rextamenu/menu.html

  
3)国際協力NGO ソーラーネット
  https://solar_net.at.infoseek.co.jp/

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