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インドネシア 泥炭地破壊で世界第3位のCO2排出国に
▲パームオイルを使用した製品
二酸化炭素の最大排出国は米国、それに急追する中国、ロシア、日本という順番になります(出所:全国地球温暖化防止活動推進センター)。ところが2007年11月、「森林破壊による泥炭湿地帯からの排出量を含めると、インドネシアが世界第3位の二酸化炭素排出国になった」と国際湿地保全連合(Wetland International)が報告・発表しました。

泥炭地林破壊の主な原因の一つは、パームオイル開発です。パームオイルは、石油代替製燃料とされるバイオ燃料や環境にやさしい植物性原料洗剤、食品加工、化粧品等に使用されています。しかしパームオイルを生産するプランテーションの急速な拡大・開発は、こうした泥炭湿地帯における広範囲の森林伐採を引き起こしています。その他私たちが普段使用している家具や建材用木材、紙パルプの原料としても泥炭湿地林は伐採されています。

東南アジアの湿地地域は、広大な面積の稠密な低地雨林に覆われ、その泥炭層には現在、世界の化石燃料の利用量100年分に相当する炭素が蓄積されています。こうした泥炭湿地帯では、樹木の伐採を容易にするため湿地の水が排水路を通じて排水され、木材はその排水路から搬出されます。大量の水を必要とするパームオイルや製紙用パルププランテーションに排水が使用されます。泥炭は通常は水に浸かっており分解しませんが、このような排水を通して泥炭の乾燥・分解が始まり二酸化炭素が放出されます。

さらに泥炭地の乾燥により発生する野火が大規模な森林火災につながり二酸化炭素を放出します。インドネシアでは、これら火災は何週間、ときには何ヵ月も続き、広大な面積の厚い泥炭層を燃やします。また環境団体は、多くの火災の原因は、大規模プランテーション開発のための森林への火入れにあると指摘しています。禁止されているこの森林焼き払いは、伐採に比べてはるかに手っ取り早く、安上がりな農場造成・拡張方法です。

 
▲パームオイルプランテーション開発のために
火入れされ、破壊された泥炭湿地林
インドネシアの泥炭地総面積は約2千250万haです。新たな研究で、近年インドネシアの泥炭地から排出される二酸化炭素は年間20億トンに上り、うち6億トンは乾燥した泥炭の分解、14億トンは火災から生じることがわかりました。インドネシア政府は最近になって泥炭地回復に乗り出しましたが、世界の健康志向を背景としたパームオイルへの世界的需要拡大とバイオ燃料ブームによる利益のため、パームオイルプランテーションの大規模拡張計画も打ち出しています。目先の経済的利益を追うプランテーションの無謀な開発が泥炭地と森林の破壊をますます助長することになりかねなりません。

商品の原料がどこから、どのように生産されているか知ろうとすることが、最終消費者である私たち日本人の最低限の責任だと思います。


(注)シンポジウム「アジアに迫る温暖化と低炭素エネルギー開発〜バイオ燃料、水力発電CDM、天然ガス開発の持続可能性を問う〜」(2007 年2 月8 日開催)配布資料"インドネシア 泥炭地破壊で世界第3 位のCO2 排出国に〜木材・パームオイル需要と地域経済開発が元凶〜(PDFファイル)を参照下さい


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