バイオ燃料と森林 適切な利用に向けて

「エコ燃料」は「エゴ燃料」?輸入バイオ燃料の問題適切な利用に向けて


バイオ燃料の導入にあたって生じる様々な問題に対して、FoE Japanは他団体と共同で積極的に提言をしています。

2006年6月に関係省庁に対してバイオ燃料の適切な利用を要請、2007年2月にはシンポジウムを主催し 、東南アジアにおけるバイオ燃料開発の問題について報告するとともにバイオ燃料に関する共同提言を発表しました。また、5月にはブラジルのバイオ燃料開発と世界の食糧需要との競合について話し合う公開研究会を開催しました。

そして、これらにおいて、バイオ燃料の導入に際しては、国産・地域産の資源を優先し食料需要と競合しないこと、原料供給源を明らかにし生産地および加工過程における環境・社会問題を生じないこと、そして生産から消費までの全体を通して温暖化防止効果が見込めることを、政府や産業界に対して求めています。

バイオマスエネルギーの潜在量は、世界のエネルギー総需要の約7~10倍もあると言われていますが、化石エネルギーとの本質的な違いは、資源が薄く広く分散している、つまりエネルギーの生産効率が著しく劣るということです。

現在の道路交通システムや自動車産業は石油というエネルギー生産効率の高い燃料が無尽蔵に使えることが前提となっています。この前提を維持するため、地球温暖化や、資源の枯渇、石油価格高騰、エネルギー安全保障上の問題への対応策として、バイオ燃料が便宜的に都合の良い代替燃料とされるなら、それはエコではなく「エゴ燃料」です。

「エゴ燃料」推進のために、多額の税金が投じられ続け、地球温暖化抑止にも実質的効果がないどころか、世界の森林の破壊や、食糧価格の高騰などの問題を生じさせてはなりません。

バイオ燃料の持続可能性に関する共同提言・改訂版 (2009.03.05)


「エコ燃料」は「エゴ燃料」?輸入バイオ燃料の問題適切な利用に向けて

 

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