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現地NGOプレスリリース 「南部ハイウェイ被影響住民、自由権規約委員会へ申し立て!」
 
 日本の国際協力銀行とアジア開発銀行が協調融資をしているスリランカの南部ハイウェイ建設事業で新たな動きが出ました。

 先月22日、同事業の建設予定地の一部であるアクミマナ地域(アジア開発銀行が融資している地域)である被影響住民40人が自由権規約委員会に提訴しました。

 同事業では、EIAがスリランカの中央環境局で承認された後大幅にルートが変更さ れ、現地住民は2001年から継続して、スリランカ政府のみならず同事業に多額の融資をしている日本の国際協力銀行とアジア開発銀行に問題を訴え続けています。現在アジア開発銀行の異議申し立て制度であるアカウンタビリティー・メカニズムのプロセスで問題解決が図られていますが、今回自由権規約委員会に訴えた40人の住民は、アジア開発銀行に異議を申し立てている住民とは別の住民です。

 以下は、11月22日に被影響住民を代表して、スリランカのパブリック・インタレ スト・ロー財団が出したプレス・リリースの和訳です。

☆南部ハイウェイ建設事業の詳しい内容に関しては、以下のページをご覧ください。  https://www.foejapan.org/aid/jbic02/srilanka/index.html

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「南部ハイウェイ建設事業被影響住民、自由権規約委員会に申し立て」

2004年11月22日

本日、40人のアクミマナ住民が、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)に基づき、ジュネーブの自由権規約委員会に通報を提出した。これら住民は、 南部ハイウェイ建設事業におけるルート変更において、同条約第26条の法の下 の平等、第6条の生存権、第19条(2)表現の自由によって謳われている人権が侵 害されたと訴えた。この通報は、スリランカのパブリック・インタレスト・ロー・ファンデーションと、ジュネーブにあるインターナショナル・パブリック・インタ レスト・ディフェンスの助けで実現したものである。

今回の通報は、とりわけ、自由権規約にある生存権は健康的な環境で生活する権利を含んでいるのか否かを問うものとなっている。また、アジア開発銀行や国際協力銀行等南部ハイウェイ建設事業に融資をしている国際融資機関は、スリランカ政府と一緒に住民の人権侵害に一役買ったと主張している。

この一件は、1000世帯以上・6500人以上の非自発的住民移転をもたらす南部ハイウ ェイ建設事業が発端となっている。南部ハイウェイ建設事業では、環境アセスメン トが終了し、事業ルートが承認された後、アクミマナとゲラニガマの二地域において道路開発局がルートの変更を行ったのである。これらの村に住んでいる住民は、 補遺版環境アセスメントと公聴会を行ってからルート変更に関する新たな変更が必要であると主張し、ルート変更に抗議をしている。

この問題に関しては既に、ルート変更は違法であり新たな承認が必要であるという、スリランカの最高裁の判決が出ているが、驚いたことに、最高裁の判決ではスリラ ンカの憲法における法の下の平等に違反があったことは認められたものの、被影響住民に対しては補償の支払が認められただけだった。

法律違反や平等権の侵害が認められた場合には、スリランカの最高裁は事業中止命令を出すべきであると、被影響住民は自由権規約委員会に訴えている。また、被影響住民(変更後のルートに住んでいる)は今でも自分の土地・家に住んでいるので、最高裁はルート変更を禁じ(変更前のルートに)戻すべきだったにも関わらず、補償で償う判決を下したことは誤りであったと主張している。

通報者は、自由権規約委員会がこの一件を処理するまでの暫定的救済措置として事業の中断を求めている。今後自由権規約委員会は、通報が自由権規約に照らして許容できるか否かを決定し、また、この提訴に対するスリランカ政府の対応も求めて行くことになる。



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