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フィリピン現地レポート
「サンロケダム 問われるJBICの責任とモニタリング方法」 (2004.10.15)
フィリピン現地レポート

サンロケダム 問われるJBICの責任とモニタリング方法
 国際協力銀行(JBIC)は、サンロケダム事業の社会・環境問題の状況をチェックするため、年に2回、JBICのモニタリング担当チームをフィリピンへ派遣しています。10月初め、JBICの委託する独立環境コンサルタント1名を含む、計5名の派遣団が約1週間、フィリピンを訪問。10月5、6日の2日間は、サンロケダムのある地元を訪れました。そして、そのうち6日の夕方には、地元の住民グループと会合を持つ機会がありました。

会合には、ダムの建設により影響を受けた約150名の農民や砂金採取者が参加。現在、村は水稲の収穫期で、朝早くから収穫を始める農民にとって、会合の開かれた夕方は非常に疲れている時間でもあります。それにもかかわらず、7台の車をチャーターし、約1時間かけて、JBICとの会合場所であるサンロケダムの敷地内まで出向きました。

住民グループは、ダムの建設によって影響を受けた土地、また、失った生活の糧に対する早急かつ適切な補償などを求めるレターを、この日、JBICに手渡すために用意。彼らの抱える問題や要求に対する回答をJBICに求めました。また、会合中には、住民が直接、自分達の懸念を伝え、JBICの責任を追求する場面もありました。

――「親の代からここで砂金採取をしてきた。砂金採取ができた頃は、子供を楽に学校に行かせることができたが、ダムの建設後、砂金採取ができなくなり、生活が貧しくなった。この砂金採取に対する適切な補償をちゃんともらいたい。融資を出しているのだから、JBICもちゃんと責任を取るべきだ。」

――「昔、砂金採取をしていたが、現在は農業しかできない。でも、その農地も8月末の洪水で一部が侵食されてしまった。JBICは何ができるのか。自分は砂金採取ができるのであれば、またやりたい。」

こうした住民の生の声は、この日、住民が約1時間もかけて会場に来なければ、JBICは聞くことはなかったでしょう。
  住民グループ
 <住民グループ サンロケダム敷地の入口に到着>
JBICとの会合のため、約150名の住民が車7台をチャーターし、約1時間かけて、サンロケダムの敷地まで来た。(2004年10月 FoE Japan撮影)


チェックを受ける住民
 <ダム敷地の入口で荷物検査を受ける住民ら>
入口ではガードマンによる荷物検査が住民約150名に対し、一人ずつ行なわれた。(2004年10月 FoE Japan撮影)
しかし、JBICは会合中、「皆さんの意見を聞いて、今後のモニタリングで活かしていきたい」と言いつつも、「この会合は事業者と住民グループの会合で、自分達はオブザーバーの立場。回答は事業者からしてもらうもの。」という姿勢を崩しませんでした。

事業者の発表によれば、サンロケダム事業では、実に4010ヘクタールもの土地が収用され、2545世帯の地主、小作が影響を受けました。これに加え、地元では、何千人もの砂金採取者が生計手段を失っています。

たった2日間の現地訪問で、JBICは一体どうやって、この巨大事業の社会・環境状況をチェックできるのでしょうか。本来であれば、もっと時間をかけながら、影響を受けた村をJBICが直接訪れ、住民の話に耳を傾けるべきではないでしょうか。また、JBICには、地元で影響を受けた住民に対して回答する責任(説明責任)はないのでしょうか。――1999年以来、定期的に行なわれてきたJBICの地元での環境モニタリングですが、現在、その方法・姿勢の見直しが必要とされているのは明らかです。
>会合のなかで、住民グループがJBICに提出したレター等(翻訳)はこちらをご覧ください。

 住民グループ(TIMMAWA:アグノ川の自由な流れを取り戻す住民運動)
  ポジション・ペーパー(JBICの融資に関連して)  (2004.10.06)

 https://FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/letter/20041006a.html

 住民グループ(TIMMAWA:アグノ川の自由な流れを取り戻す住民運動)
  ポジション・ペーパー(未支払いの土地・砂金採取の補償に関連して)  (2004.10.06)

 https://FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/letter/20041006b.html

 教会・農民関係者からの決議文 (2004.09.18)
 https://FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/statement/20040918.html
(c) 2002 FoE Japan.  All RIghts Reserved.

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