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プレスリリース サハリンU石油・ガス開発事業
地震のリスク分析に関する深刻な欠陥 解説報告書 発表 (2004年2月27日)
 
国際プレスリリース
2004年2月27日


国際環境NGO FoE Japan ● ISAR
パシフィックエンバイロメント ● サハリン環境ウォッチ
WWF ロシア

サハリンU石油・ガス開発事業
地震のリスク分析に関する刻な欠陥
解説報告書 発表


 ロシア・日本・米国の環境団体が、ロシア極東でシェル・三井物産・三菱商事の出資によるサハリンU石油・天然ガス開発事業の地震のリスク分析に深刻な欠陥があるという独立報告書を発表した。

報告書は、サハリンUの地震調査が不完全・不正確・矛盾した情報を提示しており、地震のリスクを軽視していること、個別の断層横断での特定地域のリスクの文書化が避けられていること、地域的に適切な設計基準を満たしていないこと、人々への危険性の所見に基礎をおいており、環境については考慮されていないことを記録している。

主体となって調査を行い、本報告書を作成した独立分析者のリチャード・ファインベルグ氏は、以下のように記述する。(プロフィール参照のこと)

「過密な計画と建設スケジュールは、この点で懸念の原因を増加させている。陸上パイプラインの技術設計作業が進行中である一方、とても近い将来、現在の設計の決定(埋設方式)が、現場での建設作業を誘導することになるだろう。(トランスアラスカパイプランなどの)経験は、建設計画への現場変更が混乱という結果をまねきやすく、延期や何度も同じ作業を繰り返さなければならなくなることを示す。現場での予期せぬ状況は、この問題を悪化させると予想される。要するに、大規模なパイプライン建設の混乱は、戦争の混迷に類似しているのである。」

環境へのリスク:シェルなどは、この高度の地震活動地域で、島を縦断する800キロの陸上石油・ガスパイプラインを埋めるか、溝を掘ることを提案している。(対し、トランスアラスカパイプラインはわずか3つの活断層を横断) これらのパイプラインは何百という野生のサケの産卵する河川を横切るため、環境への潜在的な影響は深刻である。野生のサケは、島の地域社会や先住民の人々に不可欠な漁業資源となっている。

サハリン環境ウォッチ代表のドミトリー・リシツィン氏によると
本報告書は、シェルのように問題を埋めてしまうのではなく、地震により引き起こされる油漏れが発見されるよう、サハリンUのパイプラインを地上に設計するという我々の要求を強化するものである。

本報告書は、シェルがサハリンUへの融資を検討している公的融資機関向けに作成した、事業の安全性の保障に疑問を投げかけている。融資を検討しているのは、欧州復興開発銀行(EBRD)、米国輸出入銀行、国際協力銀行(日本)、英国輸出信用保証局、オランダの輸出信用機関であるNCMである。これらの機関は現在、事業に環境の適正評価を行っている。

リシツィン氏によると
「EBRDと輸出信用機関は、公の利益に貢献するために存在している。この独立地震報告書は、サハリンU事業のリスクと地震の影響は、シェルが公に認めるより大きく、これらの公的機関が責任を負えるものではない。」

報告書「地震のリスクとサハリンエナジー・インベストメント社のサハリンU事業 パイプライン部分:答えのない問題(英)」は以下のウェブサイトでご覧いただけます。
   >https://www.pacificenvironment.org/russia/sakhalin_pipeline
また報告書の要約抜粋(日本語)は、こちらへ:
   >https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sakhalin/pdf/20040227.pdf (PDF:22KB)
サハリンキャンペーンについてはこちらへ:
   >www.sakhalin.environment.ru/en/


連絡先:
国際環境NGO FoE Japan :
   神崎尚美,kankan@foejapan.org;
  Tel: +81 3 3951 1081

持続可能な行動と再生機関:
 Alice Hengesbach, alice@isar.org;
  Tel: +1 (202) 387-3034

パシフィックエンバイロメント:
 David Gordon, dkgordon@pacificenvironment.org,
  Tel: + 1 (510) 251-8800, #301;
 Doug Norlen, dnorlen@pacificenvironment.org,
  Tel: + 1 (202) 465-1650

サハリン環境ウォッチ:
 Dmitry Lisitsyn/Natalia Barranikova, watch@dsc.ru,
  Tel: 011 7 424 274 7518

WWFロシア:
 Vassily Spiridonov, vspiridonov@wwf.ru,
  Tel: 011 7 095 727 0939


報告書作成者プロフィールリチャード・A・ファインベルグ(Richard.A.Fineberg)
 本報告書の著者リチャード・A・ファインベルグは、NGO、政府機関、民間投資者のために石油開発に関係する経済、環境問題の分析を行う独立コンサルティング会社、リサーチアソシエイツの代表であり主要な調査員である。1970年代、トランスアラスカパイプライン(TAPS)と提案された天然ガスラインに関するファインベルグの新聞報道は、州と国家に表彰された。1986年から1989年の間、彼は石油・ガス政策問題に関し、アラスカ州知事のシニアアドバイザーを務めた。それ以降、アラスカの北の傾斜の原油コンプレックスの利益と長期生産予測を含むトピック(TAPSの経済・運営・安全の問題、カスピ海での原油・パイプライン開発)の研究報告書を作成している。彼の執筆章「利益を確保しろ:アラスカの原油訴訟」はオープンソサイエティインスティテュートの最近の書籍カスピ海原油の授かりもの:誰が受益者か?に掲載されている。
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