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サハリンU 環境副大臣宛に提出したレター (2003年10月21日)
2003年10月21日

環境副大臣 加藤 修一 殿

日露渡り鳥条約会議とサハリンについて


  時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。このたびは環境副大臣へのご就任、誠におめでとうございます。

 今年6月23日〜25日、モスクワで「日露環境保護合同委員会第4回会合」が開催されました。その際、両国の渡り鳥等の保護については、両国の適切な時期に二国間の保護・研究会議を実施することが合意されました。そして早期会合の実現に向けて、環境省において、現在準備が進んでいると聞いております。

 一方、ロシア・サハリンには、オオワシやオジロワシ、ヘラシギ、カラフトアオアシシギなど日露渡り鳥条約の指定保護種であり、絶滅危惧にある鳥類が多く生息しています。また本条約の指定種以外でもミユビゲラ、ハマシギの固有亜種など希少な鳥類が生息しており、これらの種は、現在、石油・天然ガス開発が進んでいるサハリン北東部に多く営巣します。しかし開発において、これらの鳥類をはじめとする野生生物への配慮や保護措置は不十分なものであり、なによりもまず現状の生息状況さえも明確になっていない状態です。

 (社)北海道生物保護公社の主任研究員・獣医師、斎藤慶輔氏は、2000年から2003年までモスクワ州立大学と共同で、サハリン北東部におけるオオワシの繁殖状況についての調査を行い、2003年8月に、「サハリンでの油田開発はオオワシの生息(特に繁殖)に深刻な影響を与える可能性があり、本条約<日露渡り鳥条約>に抵触している可能性が高い。」との報告を環境省に送付されています。またこの報告の中で、齋藤氏は環境省に対して「ロシア政府に対し早急に現状の改善を求めるとともに、オオワシの生息現況について詳細な調査を加えることを提案していただきたい。」とまとめており、さらに事業者が行った環境アセスメント報告書の信憑性に疑問があると述べています。また、2003年7月には、日本野生動物医学会からもサハリン石油・天然ガス開発に伴う野生生物への影響を懸念する声明文も提出されるなど、多くの専門家に大変注目されています。

 私たちは、こうした緊急の状況を踏まえ、今後の日露渡り鳥条約の見直し作業においては、以下の点が確保される必要があると考えております。

 ・ 日露共同調査の対象として、緊急性の高いサハリンでの調査を優先的に行い、事実を適切に反映したベースライン調査や継続的なモニタリングを行う。

 ・ 調査種や調査手法に関しては、調査に関わる専門家の意見をできる限り尊重して進める。

 また、環境省におかれましては、条約遵守にむけて事業の進捗に関して、積極的に関係省庁や事業への融資機関である国際協力銀行と積極的な意見交換を行い、条約の下で、継続的なモニタリングと状況に応じた計画の変更等も含めた対応策の検討を行っていただきたいと考えております。

 以上、ご多忙中とは存じますが、ご配慮いただけますと幸いです。ぜひよろしくお願いいたします。

敬具


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