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サハリンIフェーズ2のパイプラインルート変更求め、エクソン・モービル社に要請書を提出
           
 

2008年7月10日

サハリンI第2フェーズで現在計画されているパイプラインルートは、ニシコク クジラや希少な鳥類、漁業資源を育む豊かな生態系に負の影響をもたらすことが 懸念されています。

ロシア国内及びFoE Japanを含む海外12団体は、サハリンI事業主体のエクソ ン・モービル社に、計画変更を求める要請書を提出しました。

要請書の本文はこちら

要請書の和文要約は以下を参照ください。


(和文要約) (翻訳協力:久保田芳彦)

ロシア、アメリカ、そして国際的な環境団体はサハリンIフェーズ2事業の修正可能な問題が、ニシコククジラなど海洋生物やサハリン島の先住民族を危機にさらすことを危惧して要請書を提出した。

2008年冬〜2009年にかけて、エクソン・ネフチェガス社は、ピルトゥン湾の最も幅の広い部分を北東から南西に向けて横切るパイプラインを計画している。この工事は環境にダメージを与えるトレンチ工法を用いている。また、工事のために、パイプラインに平行した氷の橋を利用するとされているが、この計画は海洋生物の大量死を招き、さらには工事を長引かせ、費用の増大にもつながるだろう。

ピルトゥン湾を横切るパイプラインはその周辺を採食エリアとするニシコククジラを絶滅に追いやる可能性がある。ニシコククジラ専門化パネル(WGWAP)の工事の影響を危惧する声もあり、エクソン・ネフチェガス社が2月に拒否したパイプラインルートの代替案を議論するワークグループへの参加を再考するよう求める。5月にはWWFロシアとグリーンピースロシアが公開環境専門者検査(PEER)によるパイプラインルート代替案をロシア政府に提出した。さらに、サハリン環境ウォッチによるPEERではパイプラインは氷橋が湾北部の水交換を妨げるダムとなり、海洋生物の大量死につながり、現在のロスネフチ事業付近でサンドスピットの破壊につながるとして中止を求めた。

予定された氷橋はダムとしてピルトゥン湾の水循環を妨げ、特に冬季春季における酸素不足により海洋生物の大量死を招くだろう。さらに、このダムはピルトゥン湾北部で洪水を起こし、ロスネフチの陸上施設に影響を与える。また、パシフィックサーモンを含む様々な種類の魚の産卵を妨げ、それらだけでなく魚を餌とする海洋生物をも危機にさらし、、さらに先住民族の生計手段をも脅かす。

この事業のさらなる問題として、先住民族のウィルタとエヴェンキ民族が伝統的に、そして今日まで使っているサハリン島で最も重要なトナカイの夏季放牧地および繁殖地をパイプラインが横断することである。すでに、以前この地域でエクソン社がチャイボ湾で行った事業によりトナカイは多大な被害を受けている。パイプラインがトナカイの夏季放牧地及び繁殖地を通るとなると、トナカイは危機に瀕し、ウィルタやエヴェンキは生計手段と伝統的生活スタイルを失い、プロジェクトは関係者の抗議にあい、財政的負担や工事の長期化を強いられ、政府機関による介入をも招くことになるだろう。これらを防ぐため、すでに開発済みの運送道路に沿ってピルトゥン湾沿岸付近を北から南に縦断するパイプライン計画にすることを求める。また、全ての修復作業をトナカイの放牧期間と重ならない冬季に行うことを求める。 

サハリンI事業を通してエクソンは時によって自身の活動による環境危機に対して柔軟で効果的な対処をしてきた。これからPEERやWGWAPの報告など独立専門家の意見に積極的に対応し、同時に関係する政治的リスクを軽減できるかどうかが問題である。

地域環境と先住民族の生活は工事と操業の両期間において守られなくてはならない。工事が始められる前に環境問題に取り組むことは全てのサハリンI共同事業者にとって有益である。

 



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