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ロシアNGOプレスリリース「現地裁判所、環境専門家見解の取消しを命じる」
 
現地裁判所判決、サハリンUの環境意識の実態を暴露
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2005年1月19日


ユジノサハリンスク市裁判所は、19日、アニワ湾の液化天然ガス(LNG)プラントにつながる仮設突堤に関する肯定的な州環境専門家見解(positive state ecological expertise)を取り消すようにとの判決を出した。この判決により、サハリンエナジーはサハリンU事業に関して大きな痛手を被ったことになる。さらに裁判所は、州環境専門家見解の実施とその結果の承認について天然資源省に不利な判決を下した。判決はまだ有効になってはいないが、サハリンエナジーは突堤建設をロシア法に従うよう修正し、さらなる環境評価を行わなくてはならなくなるだろう。

この訴訟は、2004年3月にユジノサハリンスクの市民と現地NGOであるサハリン環境ウォッチによって提訴されたものである。州環境専門家見解の準備過程とその結論の形成過程に違法行為があったと主張する(*注)。専門家集団には、水と生物資源の専門家がいなかった上、調査はわずか2週間(法規定の1/10の期間)で行われた。そしてサハリン州天然資源省は、2004年6月、この結果を公表せずに承認し、プロジェクトの実施を許可した、という。

アニワ湾での機材搬入のための突堤の建設は、サハリンエナジーのLNGプラント開発の一部として、プリゴロドノエの村近郊で行われた。海底を深くする作業や、湾中央部での土砂投棄などの結果、重要な漁業海域やアニワ湾周辺ですでに深刻な影響が出ている。

被告側のサハリン州天然環境省とサハリンエナジーは、アニワ湾での建設作業の環境影響について市民の関心が高いことに十分気付いている。2003年5月、サハリン環境ウォッチはアニワ湾の漁場の価値について分析報告書を提出したが、被告側は裁判において、「『手続的違反』は環境専門家見解の合法性に影響を与えない」と主張した。この裁判の期間中、10以上の訴えが提出され、陪審員は3回も変更された。

サハリン環境ウォッチのドミトリー・リシツィン氏は、以下のように述べた。

この判決は、市民の権利―このような規模の危険な事業について適切に情報を与えられ協議をうける権利―を確認しており、市民側の圧倒的な勝利である。行政府はこの判決を受け止め、アニワ湾での事業活動を一旦中止すべきである。そして、法の遵守と完全な市民参加を確保した上で、新たに分析を行い、事業の改善を行うべきだ。にごった法律の水は浄化されつつある。湾も同様に浄化される時だ。(The muddy legal waters have been cleaned up, now it's time for the same in the bay.)私たちは、浚渫作業をサケの遡上時期である4月から10月を避けて行い、また有害な浚渫土砂の投棄はアニワ湾の外で行うべきであると専門家に対して明らかにしていく予定である。


(*注)州の環境専門家見解において遵守されるべき多くの重要な基準が満たされていない。

-当該事業とその他の活動とによる影響の複合的な調査
-環境保全措置の考慮
-専門家に提供される情報が包括的で信頼性のあるものであること
-専門家は独立的であること
-州の環境専門家見解は、公正で、科学的事実に基づき、法に従って作成されたものであること
-調査の過程は、NGOの参加と市民の意見の十分な考慮なども含め、公開のものであること

(翻訳:FoE Japan)
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