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【プレスリリース】 巨額ODA事業で環境・人権問題への懸念高まる
            ―融資実行についてJBICに要請 書を提出

【プレスリリース】

「巨額ODA事業で環境・人権問題への懸念高まる
 ―融資実行についてJBICに要請 書を提出」

2008年8月13日

東京―日本のODA(政府開発援助)史上最大規模と言われるマレーシアの「パハン・セランゴール導水事業」の融資実行を見直すべきだという声が高まっています。

同事業は、マレーシアのパハン州を流れるケラウ川にダム(ケラウダム)を建設し、45kmの導水トンネルと8kmのパイプラインを敷き、首都クアラルンプールとセランゴール州に一日18.9億?もの水を供給する壮大なプロジェクトです。日本政府は2003年3月、同事業に対し、円借款開始以来最大規模の額となる820億4000万円の支援を決定。2005年5月には、円借款業務を担う国際協力銀行(JBIC)がマレーシア政府と融資契約を締結しました。総事業費1170億8200万円のうち、7割が日本の支援によって賄われることになります。同事業は未着工ですが、マレーシア政府による入札作業が進んでいます。

同事業では融資決定前より、環境団体を中心に、自然環境への影響、事業計画の妥当性、代替案の検討、同事業により影響を受ける先住民族の同意取得プロセス、環境影響評価の妥当性、情報公開等の問題が指摘されてきました。また、昨年10月には、事業によって影響を受ける先住民族が、同事業の環境アセスメント報告書(EIA)の承認を巡って、現地の裁判所に訴えを起こしました。

また現地では、同事業計画よりも環境影響がより少ないとされる代替案を指摘する声や現在の供給システムを改善すべきだという声が挙がってきています。現地NGOのSOSセランゴールのアドリアン氏は、「(セランゴール州の)40%の無収水率や世界の中でも高い消費量を考えると、政府はより多く供給することよりも、これらの根本的な問題に対処すべきである」とし、「現在、かつてないペースで進んでいるネットワークの改修(古いパイプの交換)や、節水できる設備の導入、雨水の貯水、排水のリサイクルなどが重要だ」と指摘しています。

  ★ 詳細は、SOSセランゴールのホームページよりご覧いただけます。
     https://sos-selangor.org/?p=46#more-46

こうした状況の中、国際環境NGO FoE Japanは13日、これらの環境・社会面の問題が解決されない限り、JBICが融資を実行すべきではないとして、JBICに要請書を提出しました。融資決定前の2002年より、同事業の必要性に関する日本政府の説明責任と情報公開を求めてきたFoE Japanは、過去最大規模の円借款である同事業の融資供与にあたっては、情報公開と相応の説明責任が果たされるべきであり、しかも、現地で人々を移住させ、環境にも大きな影響を与える同事業は、JBICの環境ガイドラインの精神に従って、慎重に進められるべきだと考えます。

  ★要請書の本文はこちら。


  ★本事業に関する情報は以下のFoE Japanのホームページよりご覧いただけます。
     https://www.foejapan.org/aid/jbic02/kelau/background.html


【本件に関するお問い合わせ】
国際環境NGO FoE Japan(担当:渡辺 watanabe@foejapan.org
住所:〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-8 みらい館大明1F
Tel: 03-6907-7217

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