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国際金融機関

「社会・環境持続性政策および運用基準」に関する公開書簡

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2005年4月8日
国際金融公社(IFC)
Acting Executive Vice President,
Assad Jabre殿

「社会・環境持続性政策およびパフォーマンス・スタンダード(運用基準)」に関する
国際金融公社の姿勢の明確化を求める公開書簡



私たちは国際金融公社(IFC)に対して、社会と環境の持続性の政策案とパフォーマンス・スタンダード (運用基準)に関してのステークホルダーのコメントに関しての詳細な返答、またそれらの改訂版を至急提供して頂きたく、この手紙を書いています。

2005年2 月、IFCは「パフォーマンス・スタンダードのドラフト(通称:インディカティブ・ドラフト)と、その「手引書(通称:ガイダンス・ノート)」を開示しました。このインディカティブ・ドラフトは、前回のパブリック・コメント期間(2004年8月〜11月)と世界各地での協議会において、IFCがステークホルダーから公式・非公式に受け取ったコメントをまとめたものです。

しかし、IFCがコメントをまとめただけで、パフォーマンス・スタンダードの本文をいっさい修正しなかったことは、残念でした。市民社会グループが、IFCに対して、パフォーマンス・スタンダードにコメントを反映しない理由を明らかにするよう、再三要求してきたのにも関わらず、コメントへの回答は提供されていません。いくつかのコメントはガイダンス・ノートに盛り込まれていますが、これは拘束力がない文書で、理事の承認もいりません。私たちはガイダンス・ノートだけではなく、パフォーマンス・スタンダードにも盛り込まれるべき、重要なコメントがあると考えています。

IFCが、ステークホルダーのコメントを、政策およびパフォーマンス・スタンダードに盛り込むつもりなのか、その場合どのように行われるのかは不明確です。IFCからの回答がないため、政策およびパフォーマンス・スタンダードの実質的な部分に関して、焦点を絞った議論をするのが、ステークホルダーにとって難しい状況となっています。そのため、私たちはセーフガード政策を改訂する過程で、情報を提供された上での協議を確保するため、IFCがステークホルダーのコメントに至急回答すること、またIFCが政策およびパフォーマンス・スタンダードを完成させ「開発実効性に関する委員会 (CODE) 」に提出する前に、その改訂版を公表することを要求致します。

私たちは、ステークホルダーからのコメントに関するIFCからの包括的なフィードバックをいただきたく思います。パフォーマンス・スタンダードに関するいくつかの重要事項に関して協議を進めるため、特に以下の重大な懸念については、直ちに回答してください。



    1. IFCは、武器、原子力の材料、違法な生産や活動などの分野で、融資を禁止するための除外リ ストを明確にするべきである。
    2. IFCは、著しい影響が予測される全てのプロジェクトについて、包括的な社会影響評価(SEA)報告書を要求すべきである。
    3. IFCは、著しい影響が予測されるプロジェクトについては、SEA実施にあたり、事業に関係しない独立した専門家の関与を事業者に求めるべきである。
    4. IFCは、著しい影響が起きる全てのプロジェクトについて、少なくとも2回の協議を求めるべきである。協議は、a:環境スクリーニング後、SEAの業務指示書が確定する前 b:SEAのドラフト段階。
    5. IFCは、事業実施者が環境、生物多様性、人権、労働、先住民族に関する関連の協定や条約を順守するよう要求するべき。
    6. IFCは、土地収用や土地の没収、また被影響者の移転前にSEAを行うように要求するべきである。SEAには、プロジェクトの位置や代替案の分析などの明示が含まれるよう要求するべき。

    7. 土地に根ざして生活している人々の移転にかかわる場合、IFCは事業者に対して、現金の補償か土地対土地の補償の選択肢を提供するよう要求するべきである。
    8. IFCは、移転地での生活状況が改善されるための対策を要求し、土地権保有者であるにしろないにしろ、損失や回復のための移転費用は全ての人に提供されることを要求すべき。
    9. IFCは、被影響住民によって挙げられる懸念を受け取り、解決するための、独立した透明性のある苦情処理手続きを構築するべきである。
    10. IFCは、原生熱帯林で使用される伐採機器や商業伐採事業に融資することを禁止するべきである。
    11. IFCは、土地使用権ではなく、代替地の土地権が移転者に提供されるように確保するべき。
    12. IFCは、先住民族計画やコミュニティー開発計画を作成しモニタリングする際、独立専門家の関与を事業者に求めるべき。
    13. IFCは、行動計画策定に際し、パブリックコンサルテーションを要求するべき。
    14. IFCは、事業者に対し、環境社会モニタリング報告書を公開するよう求めるべき。



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