マングローブ再生プロジェクト 12年目の活動報告 /2020年

気候変動

活動内容

  • マングローブ植林:プカロンガン県アピアピ村、スムット村 合計34,642本 
  • アピアピ村、スムット村での苗育成、研修
  • 植林環境整備: アピアピ村ウォノコルト海岸への竹と土嚢の防波堤の設置
  • 浸水地適応型トイレの住民主体の運営管理体制の構築、メンテナンス技術の向上
  • 公衆衛生キャンペーンの実施
  • 浸水地適用型作物栽培の導入
  • 衛生対策物資の配布
  • 家庭用コンポストの配布、研修
  • 住宅用適応型トイレ導入に向けた検証
  • 洪水緊急支援の実施

マングローブ再生保全活動

プカロンガン県のアピアピ村と新規活動地のスムット村でのマングローブと海岸林として松の植林を行いました。アピアピ村の海岸には露天が並び、地元の人々が集うビーチですが、近年は海岸浸食が深刻化しており、コミュニティは海岸林の再生でこれ以上の浸食を防ぎたいと考えています。しかし、2020年度はこれまで以上に高波が多く発生し、植林した苗木の一部が流され、残った苗木もダメージを受ける被害が出ました。そこで、コミュニティ、行政、専門家と話し合い、苗木を守るためにウォノコルト海岸に竹と土嚢で防波堤を設置することにしました。

アピアピ村のウォノコルトビーチの海岸浸食
竹と土嚢を使った防波堤の設置 
アピアピ村で育成されたマングローブの苗木
植林地に運ぶ苗木 

浸水コミュニティへの支援

インドネシアでは、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し続けています。FoE Japanが活動するジャワ島沿岸部においても、劣悪な衛生環境下で生活する浸水コミュニティには、より大きなリスクをもたらしています。

感染リスクとコロナによる経済活動の制限が続く中、2020年6月と2021年2月には大きな洪水に見舞われ、長期にわたって多くの住民が避難所に身を寄せたり、浸水する自宅での生活を強いられました。必要最低限の薬や食糧も行き渡らない状況にあり、FoE Japanは現地NGOと行政と協力して、緊急支援として衛生用品や食糧の配布を行いました。

コロナ禍においても気候変動影響はますます危機的な状況に向かっていることは明白であり、感染防止、緊急支援と並行して、気候変動適応対策の強化を急ぎました。食糧自給力をつけ、コミュニティのレジリエンスを高めるため、塩害と浸水に耐えられる作物栽培の研修を行いました。また、オンラインやSNSを活用しての公衆衛生キャンペーンを実施しました。前年度までに設置、普及してきた浸水地での適応型トイレは、コミュニティにより適切に運営管理できるようになっており、洪水時にも浸水影響を受けなかったことから、現在、8つの村への普及導入が始まっています。

このようなコミュニティ主体の気候変動対策の経験は、中央政府や州政府、市・村の関係機関、民間企業等とオンラインセミナー等で共有、意見交換を行い、さらなる普及促進に努めました。

関連動画

ジャワ島 水没する集落 海面上昇がもたらす衛生問題
https://www.youtube.com/watch?v=OTIRCBiAE8E&t=9s
海面上昇する浸水地のための適応型トイレの作り方
https://www.youtube.com/watch?v=awpKfWZ-FwQ&t=12s

洪水の緊急支援で衛生物資を配布するスタッフ
洪水の緊急支援での食糧配布
洪水時も浸水被害を受けなかった適応型トイレ
浸水地での作物栽培の研修
 

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