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FTA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)の動きが加速している!?
−8月14日・外務省との小会合の報告を中心に−

*FTA・EPAについては外務省のホームページに、ある程度の情報が公開されるようになったので、そちらを参照されながら以下を読んで戴きたい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/index.html
外務省 FTA/EPA室長との面談

FoEJは、2002年11月、2003年2月と5月の計3回、政府の4省(外務省・経済産業省・農林水産省・環境省)と「貿易と環境」についてのワークショップを行なった。次回第4回のワークショップは、より発展的な形態で行おうと考え、100人規模のシンポジウムを協働で開催するという案をFoEJから外務省に持ちかけた。まずは小会合で意見交換をすることとなり、8月14日に外務省を訪ねた。100人規模となると幾つかのNGOの協力が不可欠である。何団体かに声を掛けた所、シンポジウム開催への協力を前提としない意見交換という了解でJACSESとASEEDに同席戴けた。
外務省FTA/EPA室設置の背景

WTO関連の問題はすでにたくさんの情報が公式・非公式に開示され、NGO側もそれなりの提言活動が行えている。一方FTA/EPAは、主として2国間の協定であるが故に、専門家レベルの研究会資料や契約交渉中の議事内容などの情報が殆ど公開されない。従ってNGO側は何ら手を打つことが出来ないでいる。

ところが、外務省には昨年暮れにFTA/EPA室が設置され、今春専任の室長が任命されて、人員も増強されつつあるという。これには大きく2つの理由がある。まず、WTOには世界規模の事務局(ジュネーブ)が既に存在しているので、日本政府は代表団とPAPERを出せばよいが、FTA/EPAの場合は、それぞれの協定交渉の事務局を日本の外務省がやる必要がある。今後、メキシコ・タイ・韓国・ベトナムについで、フィリッピン・マレーシア・インドネシアに対しても専門家会合を立ち上げなくてはならず、外務省の関係部門はますます多忙になって来たのである。もうひとつは、WTOでの交渉は多国間であるためになかなか進まず、米国を始めとする先進諸国が2国間のFTAを同時並行的に注力しようとの動きがあることによる。今までの日本の2国間貿易協定は、外務省が国ごとに持っている地域担当課でバラバラに行なわれていた。しかし日本政府も2国間のFTA/EPAを加速させるために、それぞれの地域担当課が進める2国間協定を協調していこうと、FTA・EPA室を設けたのであった。

WTOについては欧米のNGOがそれなりにキャンペーンを行なっているし、日本のNGOもそれなりにフォローしているが、FTA/EPAは誰もフォローしてない。このままでは政府・産業界のやりたい放題になりかねないことにFoEJは大きな懸念を抱き、外務省の窓口が一本化されたこの機会に、ここに注力してみようと考えた。
情報公開と交渉プロセスへの参加に関する外務省の回答

今回の意見交換の中で、情報公開が極めて少ないとのNGO側の指摘に対し、外務省の説明は以下のようなものだった:

WTOの交渉では、多くの場合多数派工作が必要となるため、日本のポジションを明確に宣伝して賛同国を増やす必要がある。そのため、日本政府も各種PAPERを積極的に公開していくのだが、2国間交渉の場合は利害関係がまともに相反するので、日本の手の内を予め公開すると交渉は不利となる。従って、交渉中日本のポジションはなるべく交渉当事者の間だけに留めておきたい。これは国益のためであり、交渉終了後でないと公開は憚られる。また、相手国に不利益を与えるかもしれない情報がある段階で、勝手に公開するわけにも行かない。ということであった。

交渉プロセスへの参加については、外務省側の認識が薄く、今回は単なるNGOからの申入れに終わった。交渉上不利になる事が懸念されるので、パブリック・コメントを行うような対象ではないと考えているようだ。
NGO側は、政府と一部の産業界だけでこれを推進した場合、思わぬ所で「人権侵害」「国益損害」が発生した過去の例を上げて、外務省側に再考を促した。

シンポジウム等の開催について

FTA/EPA室は出来たばかりの組織で予算もなく、陣容も整ってないので、自らシンポジウムを主催することは当面は考えられないというのが、FTA/EPA室長の回答であった。以前FoEJがアプローチした、外務省の開発途上地域課長は前向きだったが、FTA室長はやや後ろ向きである。FTA/EPA室としては、NGO側がワ−クショップや勉強会を行う時、呼んでもらえれば積極的に参加して出来るだけの情報を提供したい、という姿勢であった。

FoEJとして、これからの活動をどうするか?

FTA・EPAに関して政策提言活動をするには、先ず政府・産業界からの情報入手が先決である。しかしWTOのように欧米のNGOから情報が入ることは期待出来ない。ましてやFTA・EPAの相手国は途上国であるが故に相手国からの情報入手も極めて困難である。

このような状況では、情報の開示とプロセスの透明性を日本政府に求めるという常套的活動からスタートするしかない。とはいえ、条約・協定が2国間でバラバラに締結される時、それぞれの協定の中味が事前に判らない以上、個別・国別のキャンペーンは当面望めそうにない。まずは、FTA・EPAに関する外務省との定期会合のようなものを、2〜3ヶ月間隔で持てればよいのではないだろうか。

また、FTA・EPAを問題視する日本のNGOはまだ少ない。WTOに較べて、一般の市民も殆ど関心がないのが現状である。既存の2国間協定はWTOのルールの中に収まっていたからだ。しかしWTOの進展が思わしくない現状からすると、FTA・EPAがWTOのルールを越えるケースがこれから大いに出てくると思われる。この事が引き起こす懸念をもっと市民に知って貰う必要があり、今後一般市民との情報共有・啓発も重要な活動となってくるだろう。このため、幾つかのNGOを結集してのシンポジウムの開催が必要ではないだろうか。

9月のWTO閣僚会議終了後、関心のあるNGOと相談しつつ、もっと多くのNGOや一般市民がFTA/EPAに関わっていくための活動を、NGOのネットワークで推進していければと考えている。

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