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マーシャル諸島の幼児の栄養不良
(2003年7月28日 マーシャル諸島・マジュロ)

マーシャル諸島の5歳以下の子供達の1/3以上がビタミン不足と栄養不良の状態にあると、今年のアメリカン・ヘルス・ジャーナルに発表された複数の研究が明らかにしている。

また、2003年5月号のニュートリション誌に発表された研究でも、マーシャル諸島の1〜5歳の子供達は貧血症やビタミンA不足、鉄分不足、の高い危険性がある、と述べられている。

地域ベースで行った919人の幼児達を対象にした調査によれば、ビタミンA不足が59.9%、貧血症が36.4%、鉄分不足が53.5%、鉄分不足による貧血症が23.8%であることが明らかになった。

『マーシャル諸島の幼児におけるビタミンA不足、鉄分不足、貧血症』は、ハワイ大学ジョン・A・バーンズ薬学校のニール・パラフォックス博士の論文である。

マーシャル諸島の栄養不良に関する問題は、これまでにも長い間問題にされていながら顕著な改善が見られていない。国連機関による1994年の研究は5歳以下の62%の幼児がひどいビタミンA不足であり、この年齢の子供達のおよそ17%が栄養不足にまつわる病気で死亡している。

世界保健組合は、環礁国においては、土壌生産力が劣り多くの食料を輸入していることから、特別に栄養不足の危険性があることを明らかにしている。最近のアジア開発銀行の戦略報告書はマーシャル諸島の栄養不良は、「ジャンクフード」の過剰消費に関係していると述べている。(訳注:ジャンクフード・・・スナック菓子、インスタント食品など)

親たちは、準備に手間と時間のかかるローカルフードより、店で簡単に買えるジャンクフードに依存する傾向がある。アジア開発銀行の報告書『マーシャル諸島における困難』によると、都市部における児童養育の軽視は栄養不良の問題に顕著に見られるということである。

多くの大家族において、子供達は必要な養育を受けておらず、10代の子供達や若い母親達は適切な子供の養育の知識をもっていないと報告書は述べている。

今年の1月に発表された研究『経済不況、不適切な食事、輸入食品の消費増、都市居住による発育不良』によると、1〜5歳の幼児のうちの1/3以上が発育不良であることが明らかになった。

論文は、食料の問題について、個人レベルの判断は「マクロレベルの要因によって拘束され」てしまうため、食料輸入と政府の計画を通して国家レベルで管理されるべきであると指摘している。

マーシャル諸島保健省では、「ヘルシー・ストア・プロジェクト」や他の健康関係のイニシアティブと協力し、地域社会に対するプログラムの中の最重要課題として健康的な食事に取組んでいる。

最近の研究は双方とも、危険要因を特定しビタミン不足や栄養不良の問題に取組む上での障害を評価する為にさらなる調査が必要である、と結論している。

(Yokwe Online/PIR)
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