FoE Japan
南太平洋島嶼プロジェクト
南大平洋 トップ トピック 写真館 南大平洋ニュース
南太平洋島嶼プロジェクト南太平洋ニュース>サンゴ礁:白化現象と気候変動の関連付け
南太平洋ニュース
南太平洋の最新ニュースです。
サンゴ礁:白化現象と気候変動の関連付け

(2002年10月30日、ニューデリー、インド)

世界中で起こっている新たなサンゴ礁の白化現象の波を前に、科学者達はこの現象を気候変動と結びつけている。

今年に入って400件以上の白化現象が報告されている。白化現象は海面温度の上昇との関連性があり、これはサンゴ礁を損傷し、また死に至らせる可能性もある現象である。

主な白化現象の報告はオーストラリアのグレート・バリア・リーフから、そして他にパラオ、フィリピンや日本などの太平洋諸国などからも報告が来ている。

この調査結果は今日、世界水棲生物センター(World Fish Center)、 国際サンゴ礁活動ネットワーク(International Coral Reef Action Network)、国連環境計画(UNEP)の3つの団体からニューデリーで発表された。

これらの結果は"Reef Base"という新しく設立された世界サンゴ礁情報システムに基づいたものであり、このシステムは1963年からの白化現象に関するデータを管理している。

現在ニューデリーにて開かれているCOP8の環境会議に参加している国連環境プログラム常務取締役のカラウス・トエファ氏はこう語る。

「世界中のサンゴ礁は今、さまざまな危険にさらされている。例を挙げると、爆破漁業や青酸塩を使用した漁業などの非持続的な漁業方法、環境を無視した観光業、汚染や気候変動などである。」

「あらゆる努力をして、その地域の人々のタンパク源と生活の基となっている、魚などの海洋生態系の環境を保護しなければならない。」

ぺヤング、マレーシアにある世界水棲生物センター理事長のメリル・ウィリアムズ博士はこう言った。

「世界の主な海洋にある20カ国の報告を合わせると、今年は430件以上の白化現象が記録されている。この数は、2002年が史上2番目に白化現象が大発生した年である事を示している。過去に白化現象が最も大発生したのは、大規模なエル・ニーニョー現象が発生した1998年だ。」

白化現象は海面温度の上昇などの異常な状態により、サンゴ礁の組織の一部である微小な海藻が追い出されてしまう事である。この海藻はサンゴ礁に必須のエネルギー源であるため、白化現象によってサンゴ礁は死滅する場合が多い。

"Reef Base"はwww.reefbase.orgにて閲覧でき、現在1963年からの3,800の記録を提供している。これには白化現象の程度についての記録なども含まれている。

常に起こっている小規模で低レベルの白化、再発するサンゴ礁全体にわたる大規模な白化、この2つの区別を付けるために白化現象の程度についての記録が重要である。特に、後者は気候変動による新しい現象かもしれないと考えられている。

世界最大規模のサンゴ礁帯であるオーストラリアのグレート・バリア・リーフは白化現象の影響を非常に受けており、2002年は最も大発生した記録が残されている。

グレート・バリア・リーフ海洋公園局長のヴァージニア・チャドウィック氏はこう言った。

「現在のこの傾向はオーストラリア、そして世界の他のサンゴ礁帯の不安の元である。私達は測量技術によって正確な情報を得て、この状況を監視し続けなければならない。」

Pacific Islands News Association (PINA)

(c) 2002 FoE Japan.  All RIghts Reserved.

サイトマップ リンク お問い合せ サポーター募集 English