サンロケ報告 2001年1月10日

イトゴン市議会
サンロケ・ダムへの支持を再度撤回!!

    1月3日、フィリピンのベンゲット州イトゴン市議会はサンロケ多目的ダム建設に対する支持の撤回を表明した。同議会によるサンロケ・ダム事業への支持撤回は昨年9月13日 に続き二度目。前回9月の撤回決議に対してイトゴン市長が発動した拒否権を市議会側が覆えすかたちとなった。

    市議会が同事業への支持を取り下げたのは、ダム建設推進関係者が17の条件を遵守していないためである。この条件は、市議会がダム建設の支持を表明するにあたり関係者側に提示したもので、イトゴン市住民の利益を保護し、ダムによる社会・経済的影響の緩和に努めるよう要求したものだ。具体的には、先祖伝来の土地に対する土地保有認定証の発行、移住世帯への補償金の支払い、集水域管理計画の予算確保、上流の堆積問題などを考慮することが求められている。しかし、それらの条件遵守に責任のあるフィリピン電力公社(NPC)、天然資源環境省(DENR)、サンロケパワー社(SRPC)など事業者側による誠意ある対応が見られず、住民、市議会の反感を強めてきたといえる。

     イトゴン市議会は1999年1月21日、決議第16号〜99号でサンロケ・ダム建設への支持を表明したが、昨年9月13日に賛成7、反対1、欠席2の圧倒的多数で同プロジェクトへの支持を撤回した。これに対して市長は翌10月、決議への拒否権を発動し、関連諸機関が行うことになっている17の条件の履行状況・達成度に関する報告を待つべきだという姿勢をみせていた。これに関してカトウ副市長は、1月8日付のインクワイラー紙のなかで、「私達はフィリピン政府に時間を与えたが、それは無駄だった。」と語っている。

***************  参 照  ***************
1月8日付インクワイラー紙、 1月13日付サンスター紙、 1月15日付サンスター紙

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