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「脱・使い捨て」に向かう世界の動き、日本の動き
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「脱・使い捨て先進国」韓国最新事情
 
FoE Japanの「脱・使い捨て社会」プロジェクトでは、日本を使い捨て社会からリユース社会に変えていくにあたり、先進的な事例として、韓国の使い捨て容器規制に注目してきました。

韓国では、使い捨て用品を「一回用品」と呼び、これに対し、リユース用品を「多回用品」と呼びます。 1994年より施行された「資源の節約と再活用の促進に関する法律」の中で、一回用品の使用規制が定められ、何度か改正を重ねながら、ごみ減量に大きな効果を上げています。

法律では、業種ごとに一回用品の使用が規制されています。 食堂における使い捨ての紙・プラスチックの食器や割り箸、スーパー・デパートにおけるレジ袋、ホテルにおける使い捨て歯ブラシ、カミソリなどの無料提供が禁止されました。

韓国のスターバックスではアイスドリンクもマグカップで提供

韓国のスターバックスではアイスドリンクもマグカップで提供

ファストフード、コーヒーショップチェーンにおいては、これまではテイクアウト分は対象外とされ、店内飲食分は90%以上回収してリサイクルすれば一回用品を使用してもよいことになっていたため、リサイクルは進みましたが、発生抑制の効果は上がりませんでした。

韓国のスターバックスではアイスドリンクもマグカップで提供

そこで、ごみ問題に取り組むNGO「ごみ問題解決のための全国市民協議会(KWMN)」と環境部(環境省)の働きかけもあり、2002年10月に、これらの業界31社が、「自発的協約」を結び、2003年1月より実施されています。

この「自発的協約」は、これらのファストフード、コーヒーショップチェーンの企業が、店内では陶器などのリユース容器を使用し、テイクアウトの使い捨て容器には、デポジットを課することを約束するものです。 店舗面積の広いところから実施することになっています。

    
2003年5月28日から31日にかけて、FoE Japanの「脱・使い捨て社会プロジェクト」のメンバー4名がソウル市を訪問し、この一回用品規制の法律ができた背景や、実態を調査、視察してきました。

この法律の制定・強化に影響を与えてきたNGO「ごみ問題解決のための全国市民協議会(KWMN)」、法律施行にあたり市民や事業者への指導に努力してきたソウル市環境局の話には、市民と行政が協力しながらごみ問題に取り組んできたことが伺えました。

率先して多回用品に移行したロッテリア、スターバックスコーヒー、現代デパートでは、実際に店舗を視察しながら、担当者の説明を聞くことができました。ともに、環境に配慮した企業として工夫を重ねながらリーダーシップをとっていることに誇りを抱いているのが感じられました。

 
  < 2003年5月 視察・インタビュー内容の一部 >
  ● ロッテリア

韓国最大のファストフードチェーン。 2001年、業界の中で初めて「使い捨て容器のない店舗」をソウル市の繁華街チョンノにオープン。 これが成功したことが、翌年、他のチェーンも含めて自発的協約が結ばれる大きなきっかけとなった。

店内で飲む温かい飲み物はマグカップ、冷たい飲み物はプラスチックのリユースグラスで提供される。 テイクアウトの使い捨て紙コップには、100ウォン(約10円)のデポジットを課金、コップを返却すればデポジット金も返ってくる。 現在、店内のリユース容器使用は100坪以上のすべての店舗で行われており、デポジット容器の返却は全国どの店舗でもよい。

「率先してモデルケースをつくってきただけに、試行錯誤もあったが、他店もこれに続いて、「脱・使い捨て」の動きが業界全体に広まったことは、大変誇りに感じている」と担当者は胸を張る。

● スターバックスコーヒー

韓国でも急成長しているコーヒーショップチェーンの最大手。店内で飲むときは、「使い捨て容器で飲むか?マグカップで飲むか?」レジで聞かれ、使い捨てを選んだ場合は、50ウォン(約5円)の容器代を支払う。アイスドリンク用のグラスはまだできていない(米国本社に相談中)が、頼んだアイスラテは、マグカップにつがれて出てきた。店には、「どっちを選びますか?」と客にわかりやすく環境保護を訴えるサインがたくさんある。

韓国は、国の法律で使い捨ての規制が決められているから、米国本社を説得しやすい面はある。 しかし、我々は、国の基準以上の社内基準をつくり、環境に配慮した企業としてのイメージを大切にしたい。 そして、その戦略を成功させ、米国本社をも、そして世界のスタバをも、変えていく力になりたい」との担当者の言葉に感動。

● 現代デパート

地下の食料品売り場で、プラスチックのレジ袋は50ウォン。しかし、マイバッグを持っていき袋を断れば逆に50ウォンの割引がある。洋服などの紙袋は100ウォン。店内に袋の回収所があり、返却すると袋代を返してくれる。

2001年より現代デパートが実施したこのシステムがモデルケースとなり、昨年春、百貨店、大型スーパー等と環境省が「自主実践宣言」を結んだ。

デポジット容器代、袋代として回収されたお金は、環境省を通して市民の環境保護のために使用されることになっているが、これをしっかり監視する必要がある、とNGO「ごみ問題解決のための全国市民協議会(KWMN)」の事務局長は語っています。

現代デパートのレジ袋返却コーナー

現代デパートのレジ袋返却コーナー

 
 


報告書のご案内
韓国報告書2003年5月、2006年2月の韓国視察の資料を販売しております。
「脱・使い捨て先進国」韓国最新事情

内容: 韓国の廃棄物関連政策・法律のまとめ、一回用品使用規制について、ファストフードの自発的協約全文(翻訳)、流通業界の自発的実践宣言全文(翻訳)など。

定価:1000円 サポーター価格 750円  送料別

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