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FoE Japan&ウータン・森と生活を考える会共催森林セミナー開催報告
2007年11月8日にJICA地球ひろばにて、森林セミナー「知ってください!インドネシアの違法伐採とアブラヤシ開発〜地球温暖化に影響する森林減少を考える〜」を開催しました。

会場
今回は、インドネシアからForest Watch Indonesia代表のクリスチャン・プルバ氏とYayasan Titian代表のダルマワン・リスワント氏を迎えて、インドネシア森林の最新情報を紹介しました。

プルバ氏は、「The State of the Forest in Indonesia -Damages and Future Challenge Changes-」と題したプレゼンテーションを行い、まずインドネシアの世界一の森林減少率を紹介しました。一例として、1996年以来、毎年約200万haもの森林が減少しており、換算すると一分間に東京ドーム2.8個分になります。また最近では、2000年から2004年までの間に、森林減少率は毎年280万haにまで上昇しているとも言われています。衛星写真によって、インドネシアの森林減少を目で見て、確認することもできました。

その森林減少の理由として、プルバ氏はいくつか挙げ、その中に違法伐採や森林火災などがあります。「政治的な腐敗などにも起因する法の不整備が、森林火災を引き起こしたり、森林のオイルプランテーションへの過度の転換を引き起こしている」とも述べました。

「違法伐採は、木材の需給量データの差異から、確実に起こっており、政府歳入の減少、森林地域に住む先住民の社会的な利益損失、またCO2などの温室効果ガス排出増に影響を与えている」と主張しました。

プルバ
プルバ氏(右)と通訳のFoE江原(左)
そして、このようなインドネシアで起こっている過度に進む森林減少問題を解決するために、取り組むべき課題が示されました。インドネシア木材産業の合理化によって木材需給のバランスを調整することや、違法伐採に関与している財界有力者などを罰するための法整備が、供給側の取り組みとして重要だと述べました。また需要側としては、持続的な森林経営から生産された合法材のみを消費することが、不可欠だと述べました。

また最後に、森林減少の地球温暖化への影響について、説明しました。世界において地球温暖化の大きな原因は、化石燃料の燃焼ですが、インドネシアにおいてはそうではありません。プルバ氏は、「森林火災や森林減少は、インドネシアにおいて最大の温室効果ガス排出源となる」ということを、一般の人々にもっと認知してもらう必要があると指摘しました。

一方、ダルマワン・リスワント氏は、「Illegal Logging Di Kalimantan Barat」と題して、西カリマンタンにおける違法伐採を、いくつかの小地域に分けて発表しました。

製材業者、流通業者は、インドネシア産の木材をマレーシア産の木材に見せかけるために、様々な方法を用いています。ダルマワン氏は、その流通ルートを写真、地図などでわかりやすく説明しました。例えば、ヘンキン氏という製材業における有力者が、偽装の合法林産物証明書、税関証明書、輸出通知書などを用いて、違法伐採材を合法材として輸出していることを、紹介しました。さらに、流通方法の例において、普通自動二輪車による製材の運搬などが、写真を用いて紹介されました。

ダルマワン
ダルマワン氏(右)と通訳のウータン中村(左)
また違法伐採の要因として、法の不整備、腐敗した政治家や官僚制度などを挙げました。その例において、カプアスフル県の国境付近における違法伐採の手口の変化が言及されました。カプアスフル県の国境付近では、1999年から2002年まで違法伐採は、主に悪徳資本家から政府関係者へと働きかけて伐採事業権を取得し、木材を合法材に偽装していましたが、現在では、政府の実施する森林関連プロジェクトにも悪徳資本家が関与し、地方住民などへ働きかけるケースもあり、違法伐採材流通ルートが増加しています。

そして、最後に、それらの違法伐採要因が、相互に複雑に絡みあっていることが示され、解決には困難を極めていることが示されました。

プレゼンテーション後の質疑応答とディスカッションでは、一般の方から、「より具体的な違法伐採解決方法を示してほしい」などという提案がなされるなど、違法伐採問題に大きな関心を示す聞き手も見られました。

2007年12月開催のCOP13には、FoE Japanとウータン・森と生活を考える会も参加します。後日、その報告会を行いますので、ご参加ください。

※当日の講師の発表資料のダウンロードはこちらから。
 >クリスチャン・プルバ氏の発表資料(PDF 665KB)
 >ダルマワン・リスワント氏の発表資料(PDF)

【問合せ】 FoE Japan 森林プログラム(担当:三柴)
       E-mail: forest@foejapan.org
       TEL 03-6907-7217 / FAX 03-6907-7219
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