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古紙偽装問題に対応したグリーン購入法チェック体制に関する要望書を環境省に提出
2008年1月22日
環境大臣 鴨下一郎 殿

偽装問題に対応したグリーン購入法チェック体制に関する要望書

 再生紙使用の年賀はがきの古紙配合率偽装問題に関連し、2008年1月16日に日本製紙が発表した内部調査結果は、コピー用紙や文具など他の再生紙製品においても表記と実際の配合率がかけ離れている実態が明らかになりました。この問題を受けて、他の製紙大手4社 も古紙配合率が実際よりも遥かに少ない状況であった事を認めており、業界ぐるみで再生紙の偽装を行っていたものと報道されています。私たちの環境配慮行動を裏切る大変残念な結果です。

 環境に配慮した物品の購入を促すグリーン購入法では、国等の機関により調達される物品に関して基準を設けていますが、基準を満たしているかどうかは全て業者の自主申告に依存しています。建築物の耐震基準から、食品、建材、製紙まで、次々と表示の偽装問題が発覚する状況において、自主申告に依存する制度の信頼性が揺らいでいる事は明らかです。

 グリーン購入法の調達基準では、 紙製品の古紙配合率要求に加え、違法伐採問題に対応するため2006年度から木材製品・紙製品のバージン原料についても木材伐採時の合法性を確認することを求めています。合法性の確認は林野庁が定めたガイドラインに基づく事になっていますが、これも政府が主導し立法者として責任を負うものではなく、業界の自主申告に多くを依存したもので、消費者である政府が自ら基準への適合を調べたり、あるいは違反を罰するようにはなっていません。

 実際に木材取り扱い業者の中には、この制度の形骸化を指摘する声が出ています。一部の生産国に蔓延する違法伐採問題に加え、需要国である日本の業界に偽装問題が表面化する状況下で、政府が企業の自主申告に基づく制度だけを推進することは、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を図るためには不十分です。
 
 グリーン購入法の調達基準は一義的には「国等の機関」の調達にのみ適用されるものですが、同法では国民への取組みも推奨しており、この基準は多くの企業や自治体のグリーン購入でも参照されている、非常に影響力の大きいものです。この制度が自主申告に依存したままならば、抜け駆けした企業による見せかけの環境配慮物品が横行し、公正な競争環境がゆがめられ、環境配慮に真摯に取り組む企業の競争力を低下させることになりかねません。

 京都議定書目標達成計画において国民が取り組むべき項目としてグリーン購入を位置づけていますが、このような状況では、環境問題の実質的な改善につながらないどころか、多くの消費者や購入者の環境配慮行動を裏切り、国民全体の環境マインドを冷やす事になってしまいます。

 グリーン購入法の信頼性と実効性を高めるため、グリーン購入法に基づいて国等の機関が調達する物品に対して、以下の改善策を導入するよう要望いたします。
  1. 判断基準への適合を確認するため、調達者である国の責任において抜き取り調査等により、(古紙配合率など)法の求める実際のパフォーマンスの確認を実施すること
  2. 調査の結果、違反が見られた際には業者に指導するとともに速やかにウェブサイトで公表すること
  3. 悪質な場合、入札停止や販売停止、告訴などの罰則措置を、景品表示法だけではなくグリーン購入法に基づいて対処できるよう法改正を行うこと
 洞爺湖サミットを控え、切迫する環境問題に対して、いま、まさにこの国の「本気度」が問われています。速やかかつ勇気を持った対応をお願いいたします。

提出団体:
国際環境NGO FoE Japan
(財)地球・人間環境フォーラム
WWFジャパン
連絡先:
国際環境NGO FoE Japan
森林プログラム 中澤・三柴
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-8 みらい館大明1F
TEL:03-6907-7217 / FAX:03-6907-7219
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