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企業の生物多様性に関する活動の評価基準検討委員会
マネジメント指標分科会 第1回 議事録
主催:国際環境NGO FoE Japan
日時:平成20年11月15日(土) 15:15〜17:00
場所:地球環境パートナーシッププラザ EPO会議室
出席者:
(委員)足立委員(分科会委員長)、上田委員、岡本委員、畠山委員、日比委員、満田委員(代理)、吉村委員
(事務局)中澤、宮崎、籾井、能勢、攝待
 (委員一覧

※下記の議事録には、用語解説のためWikipedia等へリンクしているものがありますが、あくまで参考であり、リンク先の情報は必ずしも当団体Friends of the Earth(FoE)の公式見解を表すものではありません。

開会挨拶(分科会委員長、足立委員)
マネジメントに関する指標を作っていくが、2度しか分科会がないためスケジュール的には厳しい。

委員長:GRI(Global Reporting Initiative)のEN11-15(※項目名)はマネジメントの指標として参考になる。
環境経営学会の文献に「パフォーマンス」、とあるのが、これはマネジメントのパフォーマンスの意味である。
まずは実際に参考として出されている中でどのような指標であれば使えそうか、ということを議論したい。最初に30分くらいかけて「参考指標の中でどのようなものが使えそうか」を議論し、残りの時間で補足をしたい。ぜひ入れたほうがよい指標があれば意見を伺いたい。

委員:全体としてこの指標を誰が使うか?マネジメント指標=企業の戦略や方針、決定に関係してくる気がするが?

事務局:マネジメント指標とパフォーマンス指標の考え方は第1回の検討会の資料2で説明している。
日本企業での生物多様性への取り組みが遅れている。その理由としては、なじみが無い、客観的基準がない、ということが指摘されている。今回の研究会では、後者の客観的基準による評価を考えることが目的。特に環境関係のNGOの視点が重要ということがポイント。企業内ではなく企業の外側から、企業の生物多様性に関する取り組みをどのように評価すればよいか、ということが目的。検討の仕方は全体の検討会のもとに、二つの指標を検討する分科会を設けた。(ISOの表について説明し)マネジメント指標は、企業の意思決定とその実施を評価するものである。

委員:企業の外側にいるNGOなど一般市民が使う指標、という理解でよいらしいが、企業のアクションについての情報公開が重要になってくるという理解でよさそうだ。そういう前提でいくと、GRIのEN11-15、方針の存在、計画の存在、はたしかに大切。計画の策定の前段階、策定段階、結果を公表する、3段階それぞれに重要。いわゆずフェーズ分けをして考えていくのもひとつのやり方と思う。企業の業種や規模にもよるが、大きな決断を行う場合(例:ある途上国に進出する)のアクションにも絡めて、そのアクションのマネジメントをどうするか、その影響評価をどう行い、企業行動に反映させるか、ということを軸にしたマネジメント指標もありうるか、と思う。

委員:生物多様性、ということばになじみがない、客観的評価基準がない、という2点がこれまで挙げられたが、これに加えて「なぜ自分の企業だけが取り組まなければならないか?」という気風があることも生物多様性への取り組みが遅れている理由である。特に日本企業の場合、先んじて取り組むことに遠慮しがちであるため、そのところを汲み取ったマネジメント評価にすれば効果的になると思われる。

事務局:説明がわかりづらかったかと思うが、生物多様性への影響について考えるのは、パフォーマンスで考える。今回の委員会ではマネジメントの評価をする。今岡本委員がおっしゃった、なぜやらなければならないか、という点は非常に大切。この点は企業の理念や方針に関わってくる、よってまずは理念や方針に生物多様性が書いてあるかが大切。

委員:単純に考えると、ある企業が生物多様性にまじめに取り組んでいるかどうかを外部から評価する、ということでいいか?うまくパフォーマンスしたかどうか、は別に評価するであろう。これからの議論に関しては、われわれのような立場からいうと、ある事業をやろうとした時に生物多様性に影響があるということが判明した場合、悪く解釈するとあまりよくない結果がでた場合、それを公表するかどうか、という点に非常に関心がある。計画は立派でも裏のところで悪い情報をどう具体的に公表するか、住民からの苦情をどのくらいきちんと受け止めるか、などなど。それに関してどのような対応をするかが判断できる指標があればよいかと思う。

委員:理念だけ掲げて一生懸命やっている、という見せ掛けに終わってはいけない。前回の建築業界の発表を聞いている間、質疑応答になると実態が伴っていないことがわかった。理念だけでは企業全体で取り組んでいるような印象を持ってしまう。

委員長:理念を持つこと、情報開示、に加えてもうひとつブレークダウンして、どういう情報を出すか、ということも必要ではないか。そこまでやるとパフォーマンスではないか、という風に考えられるかと思うが後でそれは調整する。

委員:パフォーマンス指標について、計画策定後のパフォーマンスについて公開するような仕組み、というようなことはマネジメントに入ると思う。生物多様性について具体化するような理念を持っていること、それをどう意思決定に生かしていくか、を見ていくのがマネジメントと理解しているが、同時に企業が自社として生物多様性と一番関連する分野を認識して例えば調達方針などを策定するなど、こういうポイントが大切。金融機関では融資の前に環境影響評価(環境アセスメント、又はEIA)を行い決定の判断材料としている。ただ、これは業種や企業によって違う話になると思うのだが、想定されるケースを考え、その枠組みに当てはまるかどうか、という風に進めていくこともありうるか。情報公開に関する方針は欠かせない。

委員:先ほど私が発言したことは7ページに書かれているが、それをさらに企業にもわかりやすい指標に置き換える、ということであるか。

委員長:企業の立場から考えたときに、判断しやすい基準に対することが求められる。例に即して考えると、資料の「リーダーシップ宣言」の宣言部分は非常にわかりやすい。これをたたき台にする、しない、などについて議論したいと思うが。

委員:委員長の意見に賛成。これはわかりやすいのでスタートラインにしたい。先進国の消費のあり方についてはこの委員会では入れなくていいのか?大量生産、大量消費でありながら、環境にやさしいという企業がいるが、それはおかしいのではないか。われわれの評価基準が企業の免罪符のようになってはならないと思う。

委員:先の意見に非常に賛成。気候変動関係のことに当てはめて考えると、総量で排出量が減っているかがわからなければならない。企業の活動自体では根幹になる部分で改善はしているが、環境の側にポジティブなインパクトが出てくるかを評価しなければならない。これを生物多様性に当てはめなければならない。このB+Bはシンプルであるが、そもそも生物多様性がどういう状況にあるか、というところが抜けている。もうひとつ思ったのは、生物多様性への影響を評価するというのは、生物多様性に対する理解がなければならない。ベースラインはどこにおくか、という指針を示すなど。根本の解釈はフレキシブルでなくてよい。

委員:消費者の立場で話すと、事務局の提出した資料3の順番を見ていてよくできていると思った。企業は生物多様性の理念をきちんと持っているかどうかを示すことにより、評価の基準になる。法規制や理念に関する部分は組み込むべき。PDCAシステムが入っている評価基準が必要ではないかと思う。

委員:先程仰った大量消費についての評価については共感する。が、それをここの中でどのように組み込むかは難しいのではないか。リーダーシップ宣言の1番は重要な指標。やりようによってはかなり深く分析することがありえるし、その逆もありうる。総量評価的なもの、企業活動が生物多様性に与える影響を総量的に語るのは難しい。5番についても、難しく、環境報告書などはいかにステークホルダーに平易な言葉でわかりやすく伝えるかが重視されている気がする。
鉱山企業に対する現地の人々からの批判として聞いたことは報告書中に環境社会的配慮について謳いあげているが、個々の鉱山の情報についてはなんら現地住民には公開されていない、というものがある。ここの項目について枝葉をつけていくことが必要。これはリーダーシップ宣言なので、サインしてくれる企業を増やす、という性質のものではあるが、もう少し厳しい指標にすべき。企業が行う投融資活動、6番にも重なるかもしれないが、1番に関連して枝葉としてつけてはどうか。その情報公開についても求めたい。

委員:生物多様性は難しい概念である。おそらく今日話した企業の方も真に理解はされていないのではないか。環境にいいことをしていたら、何かつながると思う。企業がこのくらいならなんとかできそうである、というレベルと、理想的なものを求める、というレベルを比較すると、理想的なものを選ぶだろうが、言葉遣いは平易にしたい。

委員長:企業側のやる気をくじくようなことにはならないようにしたいと思う。

委員:企業活動そのものについて、保護価値の高い生息地の転換を伴うような企業活動に関する情報公開も非常に重要ではないか。影響を与える可能性のある企業行動についての情報公開、という風に言い換えられる。自分としてはそれをより重視している。

委員長:(指標が全般的なものである場合)さらっと報告される可能性がある。保護価値の高い生息地でいえば、そういうところと隣接していれば情報公開を求めるのか、といったところまでお聞きしたい。

委員:隣接している場合は当てはまるとしたい。単位をどうするかという問題はあるが一定の規模、生物多様性の観点から見て意義のある規模は重要。操業の内容にもよるが、評価するのは企業であるが、ものさしは企業にあわせた物差しではいけない。生物多様性については、どこが価値があり、どこがないのか、がわからないと思う。そのあたりは外部の対話を通じて理解を深めることが必要。リストを渡されて理解できるものではない、ということを理解してもらう。7番に関しては、これは必ず必要。

委員:各委員のお話を聞いて、マネジメントシステムの理解が違うことに気付きました。おでん屋さんで実際に起きた「たばこ事件」で説明します。
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喫煙を許しているおでん屋さんで、老人グループと若者グループがたばこの煙で揉め事を起こしました。「喫煙を許しているお店でも煙に配慮してほしい」という老人グループからの注意に対して、若者が「禁煙じゃないんだろ」と、今回のもめごとになりました。
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このような日常で起こるお店レベルでのもめごとはマネジメントシステムではレベル4に相当します。もし、店主が禁煙をはっきり決めていれば、それはレベル3として(この店では紫煙によるいざこざは起こらない)という、相当の効果があります。ところが、現実には禁煙することは店主にとっては周りの居酒屋さんにお客さまを取られる可能性があるので、踏み切れません。もし、神奈川県のように都道府県の条例で飲食店での喫煙を禁止すれば、それはレベル2として、大きな効果があります。そして、もっとも効果があるのはイギリスやアイルランドのように国を挙げて飲食店での喫煙を禁止する、大きな方針を決めれば最も効果的です。この対応がレベル1です。国が飲食店での禁煙に関して何もしないでいると、常にレベル2,3,4での対応の追われる事になります。今までの議論をうかがっていて、「企業が出来そうなレベルではなく理想的なレベルを」という意見はレベル1の視点、「企業自身が影響の懸念される活動の情報公開を」というご意見は4、「パートナーシップ宣言7番は必要」というご意見に関しては3の視点だと思います。良い悪いではなく、全体のフレームワーク(マネジメントシステムにはレベル1〜4と、全体を見据えたフレームワークの考えがある)ことを理解して議論を進めると話がかみ合うように思います。

委員長:最終的にはレベルを考えたいと思うが、気をつけなければならない部分を洗い出したいのでレベル4の議論があってもよいと思う。レベル1のみを出した場合、細部まで実施されるかどうか、という懸念があるのでできるだけ細部までリストアップしたい。最終的にはレベルを意識して議論したい。ほかに言い足りない部分は。。。?

委員:非常に細かいが、生物学を学んだ人を採用しているか、など。3番について言えばどのような部署のものが担当するのか?その担当者が農学系の出身者であるか?また、情報公開であるが5番、企業が知らせたい報告ばかりでわれわれの知りたい項目が少ない。苦情の申し立てがあれば窓口があるのか?7番については、特定の団体と定期的に会合しているのであればその頻度、その団体の性質など。

委員:情報公開に関して言えば、透明性を持った情報公開をしなければならない。「情報を出せる段階になったらすべてを見せる」というような企業もある。しかし、出せる段階にならない情報を公開することが大事である。情報はどう出せば、生物多様性を評価するうえでよしとされるのか、というようなことも必要ではないか。情報の出し方=ここにあるのは報告であるが、広告も考えられる。広告だから好きなようにやる、ということがあるかもしれないが、一般に人々に対しある程度の精度の責任をもつべきだ。生物多様性の理解が難しいこともあり、適切なものにする必要がある。

委員:一委員として自分のとるポジションを決めなければならない。この委員会で作成するものが企業に免罪符を与えるようなものであれば、自分は辞したいと思う。

事務局:これはあくまでも外部から客観的に評価するもの。評価基準は、理想的なものであってよいが、レベル分けして企業が取り組みやすいようにすることも考えられる。

委員:何かをクリアする指標ではないと考えているが?

事務局:企業の取り組みを数値で客観的な評価をする指標もあるが、それを評価するための水準も存在すると思う。段階的なものになる可能性はあるが、判断基準がないということではない。

委員:そういう意味では土地や生態系の転換に関してこだわりを感じている。それはパフォーマンス指標の部分で機会があれば発言したいが、パフォーマンスとからめたマネジメント指標というのもあるか?例えばHCVF(High Conservation Value Forest=“保護価値の高い森林”)の転換にかかる企業活動について情報公開をしているか、について。

委員長:最終的な整理は事務局とやるので、パフォーマンス指標との関係はあまり気にしないほうがよい。
次回12月にパフォーマンスの分科会があるので、傍聴するのもよいのではないか。

委員:先ほど別の委員が指摘した部分であるが、生物多様性について責任をもった広報を行っているか、というのも指標としてあるか。

●傍聴者意見
傍聴者:事務局への提案であるが、マネジメント指標を2回の検討会で決めなければならない、ということであるが、今日の議論は意見のすり合わせという点で意味があったと思うが、次回の分科会では箇条書きにして提案をしたほうがいいのではないか。(意見)
本日言われた点であるが、生物多様性は成果を見るのに非常に時間がかかるため、それを組み込んでいくのは難しいかと思うが、もしマネジメントの中に組み込む場合、今後の計画の中にどのように組み込まれていくか、またどのくらいのスパンで考えていくか、そういうことが指標になるか?(質問)

委員:企業にとっては10年−50年で考えることは難しい。であれば今の金融システムそのものを根本的に見直す必要があるのではないか。生物の歴史は億単位、経済システムはたかだか60年、そう考えるとこの委員会は Ambitious であるが、何度も議論しても変わらない。議論する場合、フレームワークを持って考えると議論しやすい。委員会で会うことにより話は進むし、ご心配はわかるが、その通りであると思う反面、それほど心配する必要は無い。

事務局:本日いただいた委員からの意見、これまでにカバーしてきた文献を整理し、たたき台を作り、できるだけ早く委員の方々にお送りしたい。メールベースで気づいた点を上げていただき、それらを整理したものを次回の会議の前に提出したい。次回の会議では特に議論を要する点だけ議論していただきたいと考えている。

傍聴者:意見が3つあります。
 (1)リーダーシップ宣言のところが、レベルが低いのではないか。2から3ではないか。まずレベル1に当たる上位概念、つまりCSR方針として生物多様性保全を企業行動指針に位置づけた環境ガバナンスを策定することが必要。
 (2)今までの各企業のCSRレポートを見た限りでは、生物多様性保全についての一貫性が感じられない。調達部分だけ、あるいは操業だけの生物多様性配慮では、その企業が生物多様性に配慮しているとは言い切れない。一部の対応だけで配慮していると思い込んでしまっている感があり、このままではダブルスタンダードが増えていってしまうのではないか。生態系サービスに基づく地域社会・文化への影響などの重要な部分についての行動あるいは情報公開がなく、狭義の生物多様性保全対応になってしまっている。その点、生態系、地域社会、地域経済に対応したFSC認証基準が参考になると思う。
 (3)人間の活動を自然に働きかける場合に、たとえ社会貢献であっても生物多様性への影響がプラスに働くとは限らないし、生態系サービスに基づく地域の社会・文化への影響もプラスに働くか不確実である。そのために、モニタリングでは、ひとつは生物モニタリング、もうひとつは地域社会への影響について社会システムのモニタリングが必要である。マネジメントではこの2つのモニタリングが必要であることをぜひ指標に入れていただきたい。

傍聴者:この(リーダーシップの)内容はぜんぜん反対しないと思われる。これをどこまで具体的にするのか、が問題。最終目標を書くくらいにならなければ意味が無い。目標を明確に書いてほしい。

傍聴者:森ビルは実際にドイツでリーダーシップ宣言に署名してきた。今日の議論はとても難しく、とても遠い存在になってきたという印象。生物多様性ということば自体が周知されていない。担当者としてリーダーである自分が引っ張っていかなければならないが・・・100点満点が存在するのであれば、それを示してほしい。ある一定の土地の改変を行うわけだが、その立場において100点満点は何か、ということがわかるものにしてほしい。

委員長:委員は、1週間以内に何か発言し足りないことがあれば事務局(籾井研究員)へ送ってほしい。では皆様、本日は以上にて本会を終了したいと思います。ありがとうございました。

全員:ありがとうございました。

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