大気中の温室効果ガスを削減しないと、地球が温暖化し、海面上昇が発生するという認識が過去10年間、科学者の間で広まりました。
世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が1988年に設立した各国専門家の集まりである気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書(第4次報告書)によると、地表付近の平均気温は1900年レベルと比べ、今世紀末までに最大で6.4℃上昇するとされています。これは、過去1万年遡ってみてもかつてなかったペースで温暖化が進むことを意味しています。また温暖化により、温度上昇による海水の熱膨張と氷河や氷床の溶解で、海面が1900年レベルと比べて最大59cm上昇すると見られています。
主な影響としては、
氷河などの溶解と海水自体の熱膨張による海面上昇
気象パターンの変化で起こる局地的な異常気象による洪水被害の拡大や水資源への影響
生息可能地の移動に伴う生態系の破壊
局地的な降雨量減少による砂漠化と水不足
水不足と異常気象で農作物の収穫が激減することによって悪化する食糧不足
マラリアなど媒介性疾患の流行地域の拡大や熱射病の増加による健康への被害
などがあります。
IPCCは平均気温の僅かな上昇でも気象システムに大きな変化をもたらすとしています。その中でも、全世界の気象パターンに影響を及ぼすエル・ニーニョは特に注意を払わなければなりません。さらに気象予測が困難なことを考えても、予想をはるかに越える現象が発生する危険性もあります。
気候の変動幅と影響の特徴は場所によって大きく変化します。気候変動予測モデルが示しているのは、両極地での温暖化が著しいことと、熱帯地域での降雨が最も激しくなるということです。また、局地的な海面上昇も氷河の溶解や海流に異変が生じることによってその程度が上下することもあります。