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自然エネルギー Yes! 大規模水力発電 No!

2004年6月1〜4日にドイツのボンにおいて「自然エネルギー2004国際会議」が開催されました。この会議を前に、IRN(国際河川ネットワーク)はRWESAを含む12団体と共に「大規模ダムを自然エネルギーのイニシアティブから排除すべき12の理由」と題した報告書を発表しました。

報告書全文はIRNのホームページからダウンロードできます。 >http://www.irn.org

以下は報告書の要約版としてIRNが作成したものです。 >Original (English)


2004年6月1日

自然エネルギー Yes! 大規模水力発電 No!
大規模水力発電を自然エネルギーのイニシアティブから排除すべき12の理由


 本文書は、「大規模水力発電を自然エネルギーのイニシアティブから排除すべき12の理由」と題する報告書の要約であり、2004年6月にボンで開催される自然エネルギーに関する国際会議の場で配布するために作成された。この要約は61カ国の247の団体やネットワークから賛同を得ている。

 エネルギーの生産や消費による気候や環境への影響を低減し、持続可能な開発を促進し、エネルギーの安全性を確保するためのさまざまな資金は、「自然エネルギー」の促進のために利用されるべきである。最も重要な「自然エネルギー」とは、近代的バイオマス、地熱、風力、太陽光、海洋エネルギー、そして世界ダム委員会(WCD)の勧告を遵守した小規模(10MW以下)の水力である。

 なぜ水力発電事業は、自然エネルギーを促進する世界的な取り組みから排除されるべきか。以下がその12の理由である。


1 大規模水力発電は、分散化した自然エネルギーのように貧困削減の利益をもたらさない。

大規模水力発電は大きな資本を必要とし、大規模な電力需要や長距離にわたる送電線に依存する。これに比べ、「自然エネルギー」は、地理的に分散された小規模な単位での発電で、送電コストや電力ロスを最小限に押さえ、経済発展の利益を広く行き渡らせるようにすることが可能。現在エネルギー供給の行われていない世界の4分の1の人々にエネルギーを供給するには、分散化された自然エネルギーの拡大への大々的な取り組みが必要である。大規模水力発電の推進は、資金や人々の注目をこの取り組みからそらすことになる。


2 大規模水力を再生可能エネルギーのイニシアティブに含めれば、自然エネルギーへの資金は排除される。

大規模水力発電所は、この地球上で最も高価な基盤整備事業の一つ。自然エネルギーの枠組みに大規模水力発電への補助金を含めれば、これが資金の多くを消費し、「自然エネルギー」を促進する資金はほとんど残らないだろう。


3 大規模水力発電の推進者は通常、コストを過小評価し、利益を過大評価する。

通常、ダム推進派は大規模水力発電事業について、移転または失う土地・家・生計手段への補償を要求する人々の数と共に、経済コストも過小評価する。コストが予想よりも平均的にはるかに高い一方で、大規模水力発電のダムは想定されていたよりも少ない電力しか発電していない場合が多い。


4 大規模水力発電は気候変動に対する脆弱性を増大させる。

大規模水力発電の開発者は、気候変動による水文学上の影響を考慮に入れていない。つまりは、ダム建設は、地球温暖化により新たに発生すると予想されるより深刻な干ばつや洪水を見越した設計になっているわけではない。このことはダムの操業(特に干ばつは水力発電量を激しく低下させる)と安全性に深刻な影響を与える。


5 大規模水力発電から技術移転の利益は生じない。

世界の自然エネルギー基金と炭素取引メカニズムは、北から南への新しい技術の移転を促進し、これらの技術の生産増加とコスト削減に必要な支援を提供するものと想定されている。これらの議論は、すでに南の国々でも成熟し確立した技術である大規模水力発電には当てはまらない。


6 大規模水力発電事業は、大きな社会的・環境的な影響をもたらす。

世界ダム委員会(WCD)によれば、大規模ダムは4000万〜8000万人の人々の立ち退きに責任があり、その移転者の多くが、全く補償を受けていないか不充分な補償しか受けていない。また同様に、何百万もの人々が自らの土地や生計手段を失い、大規模ダムの下流地域であることによる影響、あるいは大規模ダムによるその他の間接的な影響によって被害をこうむっている。大規模ダムは、世界中で河川生態系が急速に衰退している主要な要因の一つである。


7 大規模水力発電の影響を緩和する取り組みはたいてい失敗する。

大規模水力発電の多くの影響は認識されないか又は過小評価され、それらの影響を阻止し又は削減するための措置はたいてい失敗している。人々が再定住可能であると認識される場合であっても、生計手段を再建できている者はめったにいない。同様に最悪の失敗例が、大規模ダムの環境への影響を緩和する取り組みにおいても存在する。


8 大規模水力発電推進派は、破壊的事業の建設を阻止する運動に抵抗する。

世界ダム委員会は、破壊的なダムの建設を阻止し、よりよい代替手段を推奨し、既存の事業の影響を低減することを可能にするような水及びエネルギー計画の基準を策定してきた。しかしながら、これらの基準はダムの建設を抑制することを意味するため、世界銀行や国際水力発電協会といった水力発電推進派は世界ダム委員会の信頼性に抗議し、その勧告の適用を阻止するよう働きかけている。


9 大規模貯水池は、大量の温室効果ガスを放出しうる。

水力発電の貯水池にある腐敗した有機物は、メタンや二酸化炭素を放出する。水力発電による放出物をどのように測定し、それらを化石燃料発電からの放出物とどのように比較するかについては依然として多くの科学的な議論があるが、熱帯地方における大規模な貯水池を有する水力発電事業の場合、発電量の単位あたりの気候への影響は、化石燃料発電より大きくなる。


10 大規模水力発電は、時間がかかり、欠点が多く、柔軟性がなく、より高価である。

水力発電事業は、その巨大な規模とその用地特有の条件のために、他の種類の発電所に比べ、建設により長期の時間がかかり、より高価である。大規模水力発電所が建設に平均6年ほどかかるのに対し、風車や太陽光パネルは建設開始から1ヶ月以内に利益を生みだし、ローン返済をはじめることが可能となる。世界銀行は、水力発電に最適な場所はすでに開発されてしまっているため、水力発電にかかる費用は確実に増加していくと考えている。

大規模水力発電所は明らかに電力網への大規模な電力供給を行うことができるが、電力需要は一般的には徐々に成長するものである。大規模な発電容量の増加は、新たな電力が送電される前の電力不足および、新たな発電所の操業開始後のコストのかかる過剰供給を意味する。


11 多くの国は、すでに水力発電に依存しすぎている。

大規模水力発電は、63カ国(ほとんどが南の国と旧ソビエト)において総電力供給の半分以上を占めている。水力発電に依存するこれらの国の多くは、干ばつによる停電や電力節制を経験している。この問題は、気候変動により悪化すると予測される。しかしながら、これらの国々において、依然として一連の新たな大規模水力発電が計画されている。


12 大規模水力発電の貯水池は、土砂堆積によりたいてい再生不能となる。

ダム貯水池は土砂堆積によって徐々に使えなくなる。これにより、結果的に水力発電所の発電能力は深刻に阻害され、さらには発電能力が失われる。年間の堆積物の大部分は、洪水の時期に運ばれてくる。したがって、地球温暖化による洪水の規模拡大や回数増加は、土砂堆積率を増加させ、貯水池の寿命をさらに短くすることになるだろう。


※「大規模水力発電を自然エネルギーのイニシアティブから排除すべき12の理由」は、国際河川ネットワーク(IRN)と以下の団体によって発表されました。

:Campaign to Reform the World Bank (Italy), CDM Watch, CEE Bankwatch Network, Energy Working Group of the Brazilian Forum of NGOs and Social Movements for the Environment and Development, European Rivers Network, Friends of the Earth International, Intermediate Technology Development Group (ITDG), Network for Advocacy on Water Issues in Southern Africa (NAWISA), Oxfam America, Rios Vivos Coalition, Rivers Watch East and Southeast Asia (RWESA), and the South Asia Network on Dams, Rivers and People (SANDRP)

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