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開発金融と環境プログラム>自然エネルギー2004国際会議 IRNプレスリリース
自然エネルギー2004
2004年6月1-4日
 ドイツ・ボンにて開催
IRNプレスリリース 「大規模水力推進派により弱められたボン会議の成果」
国際河川ネットワーク(IRN)
プレスリリース

ボン自然エネルギー会議の成果、大規模水力推進派により弱められる


 ドイツのボンで行われた自然エネルギー国際会議の政治的宣言は、大規模水力発電を自然エネルギーの定義から排除することに失敗した。会議の冒頭では、61カ国から260の市民団体が大規模水力発電を自然エネルギーのイニシアティブ・目標から排除するよう要求していた(注1)。

 特にブラジルやウガンダなど多数の国のエネルギー省高官によるロビー活動の圧力は、154カ国が承認した政治的宣言において、水力発電を明確な制限なく自然エネルギープログラムに含めることを成功させてしまった。

 ブラジルとウガンダは大規模水力発電事業を計画している。しかしながらこの事業は、その社会的・環境的影響、高額な経済コスト、貧しい人々でも利用可能なエネルギーを供給できないといった理由から、国内において市民グループから強力に反対されている。

 「大規模水力推進のロビー活動は、破壊的な技術を促進するために、貧困や気候変動への懸念を押しやってしまった」、と国際河川ネットワークのキャンペーンディレクター、パトリック・マッカリー氏は述べている。「もし大規模水力事業が自然エネルギープログラムに含まれるとすれば、このことによって、自然エネルギーのための基金はなくなり、気候変動への脆弱性が増大し、河川をさらに悪化させ、より多くの河川流域住民の強制立退きを導くだろう。」また、熱帯地域により大規模な貯水池を作ることは、温室効果ガスの排出増加にもつながる。

 会議において各国政府は、自然エネルギー(注2)の促進について野心的な又は拘束力のある措置を承認することには失敗したものの、その利点は認識した。

 「大規模ダムの批判者たちは、自然エネルギーの採用を要請しつづけるだろうし、大規模水力推進のロビー活動によって、その実施が妨げられないよう努力するだろう」とパトリック氏は語っている。


(注1) "Renewables Yes! Big Hydro No!" <www.irn.org

(注2) 自然エネルギーと持続可能性のための市民連合(CURES)の定義によれば、「自然エネルギー」は現代的なバイオマス、地熱、風力、太陽光、海洋エネルギー、世界ダム委員会の勧告を遵守した小規模水力(10MW以下)を含む。<www.cures-network.org

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