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プロジェクトの概要
1.南部交通網開発事業(STDP)の概要と日本の関わり
概要: スリランカの旧首都コロンボと南部のマタラを結ぶ128kmの道路を建設する事業。既存の高速道路とのリンクにより国内の交通網を充実させることが事業のねらい。これによって、経済面におけるインパクトとしては、観光業の促進と地方経済の活性化、社会面へのインパクトとしては、地方の貧困層への教育・医療・雇用等の機会の増加、急増する交通事故対策への貢献が見込まれている。

日本の関わり: 国際協力銀行(JBIC)は、南部交通網開発事業(STDP)のうち、コロンボからクルンドゥガハヘテクマまでの75km区間の道路建設の際に必要な土木工事、資機材調達、コンサルティングサービスに、187億7000万円を政府開発援助(ODA)として供与することを決定。アジア開発銀行は、クルンドゥガハヘテクマからマタラまでの、53km区間に対し、約90億円(9,000万ドル)の供与を決定。


 ◆名称:南部交通網開発事業
 ◆場所:首都コロンボ―マタラ間
 ◆規模:全長128km
 ◆総事業費:約300億円(3億ドル-環境影響評価のサマリーより)
 ◆融資機関:国際協力銀行(187億7000万円)、アジア開発銀行(約90億円)
 ◆実施機関:スリランカ道路開発局
2.これまでの経緯
元ルート:
第2ルート:
最終ルート:
92年にスリランカの道路開発局が計画したルート
98年の実行可能性調査の後浮上し、元ルートの60%に変更を加えたルート
道路開発局が第2ルートに更に変更を加えたルート(2001年頃準備)
1992. 道路開発局 道路開発局、ルート計画
    環境影響評価のないまま工事が進められたが、環境NGO等の働きかけによって工事は中断。その後、スリランカ政府はJBICとアジア開発銀行に対し融資を要請
1996. Moratuwa大学 元ルートの環境影響評価
1998.   Wilbur Smith Associatesの実行可能性調査(アジア開発銀行による融資)の結果、元ルートとは別の新ルートを提案。新ルートと元ルートとの折衷案として第2ルートが浮上。
  Moratuwa大学 環境影響評価(1996年の元ルートに対する環境影響評価に第2ルートの環境影響評価を新たに加えたもの)
1999.07.23. 中央環境局 ボルゴダ湿地を避ける等の条件付で、第2ルートに対し事業を認可。その後、道路開発局は新たに最終ルートを策定。
1999.11.25 アジア開発銀行 借款契約(L/A)締結
(契約同意の条件として移転計画書の提出)
2001.01.   バンダラガマ地域で初めて、最終ルートの道路建設の通知が一部住民に届く
2001.03. JBIC 借款契約L/A締結
(契約同意の条件として移転計画書の提出)
2001.04.03 被影響住民 スリランカの人権委員会に請願
2001.12.10 住民組織(Gama Surakeema Sanvidhanaya: GSS) アジア開発銀行の政策違反、不必要な土地、家屋、家族、社会構造の損失に対して異議申立て
2002.01.07 住民組織(United Society for Protection of Akmeemana:USPA) アジア開発銀行の政策違反、コンサルテーションなしに道路が家を通ることになったことに対して異議申立て
2002.02.10 住民組織(Organization of Victims of the Colombo-Matara Highway and Entrance Way :Organisation of Victimes) アジア開発銀行の政策違反、生計手段への影響と住民移転に対して異議申立て
2002.03.14 被影響7地域の住民 アジア開発銀行の政策違反、土地・家族・家屋・社会構造の不必要な損失、生計手段への影響、(住民の)参加がないことに対して異議申立
2002.04.02 バンダラガマ・アクミマナ住民 高等裁判所に訴訟
2002.04. アジア開発銀行 住民組織の申し立てを全て却下
2002.10.28 高等裁判所が選んだ3人の裁判委員 「人権が侵害されており、新たな環境認可が必要」と、高等裁判所に報告
2003.05.30 高等裁判所 「第2ルートから最終ルートへのルートの移動は、変更に値しない」との判決が下り、住民側敗訴
2003.11.10 バンダラガマ、アクミマナ住民 最高裁に控訴
2004.01.20 最高裁判所 「第2ルートから最終ルートへのルートの移動はルート変更であり、補遺版環境影響評価が必要だった。住民達には事前に通知やヒアリングの機会が与えられず、人権が侵害されたので補償を与える」という判決下る(原告住民側は補償の受け取りを拒否)
2004.04. バンダラガマ住民97人
アクミマナ住民457人
人権委員会に人権侵害を訴え、補遺版環境影響評価、あるいはルートの変更を求める
2004.05. STDPの反対住民の代表と、スリランカのその他の高速道路による被影響住民代表 人権委員会の調整により、スリランカの首相と面会し、首相に高速道路がもたらす悪影響について問題を訴えた
2004.06. スリランカ首相 5月に行われた住民との会合を受け、高速道路のもたらす悪影響を調査する委員会を設立
  STDPの被影響地域の共同組織
USPA
GSS
アジア開発銀行のアカウンタビリティーメカニズム・スペシャル・プロジェクト・ファシリテーターに異議申立て
2005.02〜    最終ルートに関する環境影響評価の実施
3.プロジェクトの主な問題点
不充分な環境影響評価(EIA)
・ 1996年の環境影響評価は元ルートを対象としており、1999年の環境影響評価は、96年の環境影響評価に第2ルートへの調査を加えたものである。これら環境影響評価に、最終ルートに関する調査が含まれていないことは最高裁でも明らかになった。

・ 1998年の環境影響評価では、「事業地は元ルートから東に1km、第2ルートから西に1km」と述べられており、事業地の中に最終ルートも含まれてはいるが、詳細な調査は、第2ルートと元ルートに対してのみ行われた。

 →現在、最終ルートに関する環境影響評価が実施されている。

移転住民に対する人権侵害の問題
・ 元ルートや第2ルートの被影響住民に対しては、移転に関する話し合いの場が持たれたが、最終ルートの被影響住民に対してはそのような会合は開かれず、2001年2月まで一切公式に最終ルートを知らされることはなかった。

・ 時には銃を携帯した警官を伴った道路開発局の担当者が、被影響住民の立ち退きに関する調査を行う等、立ち退きに関して、道路開発局が各地で住民に対して不当な圧力をかけているとの情報もある 。

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