|
|
 |
現地レポート
「影響を受けた砂金採取者全員への補償は依然確保されず」
(2006.2.1) |
 |
 |
|
|
 |
 |
 |
 |
 |
影響を受けた砂金採取者全員への補償は依然確保されず
1998年にフィリピンでアジア最大級のサンロケダムの建設が始まってから、早8
年。この1月23日、当初、事業の影響を受けた住民とは認定されず、補償を受け
てこなかった砂金採取者に対する生活再建プログラムの提供が、やっと開始され
ました。
ダムの建設されたアグノ川沿いでは、多くの住民が砂金採取を営んできました
が、サンロケダム事業のため、砂金を採ることができなくなり、収入源の一つを
失いました。現地の被害住民の組織は、2つの町だけでも、3000人以上の砂金採
取者が影響を受けたとしています。今回始まった生活再建プログラムの提供は、
2001年から住民組織が事業者との話し合い、時には、事業サイトや日本大使館
前での抗議行動を行ないながら、補償金、また、代替の生計手段の提供を事業
者に求めてきた一つの成果だと言えます。
しかし、これはまだ始まりでしかありません。今回のプログラムは、96家族
に牛1頭ずつを提供するもので、それ以外の多くの砂金採取者の家族に対する措
置については、まだ何も決まっていません。また、こうしたプログラムは、彼
らが営んできた砂金採取の収入に比べると、微々たるもので、これが「正当
な補償か」という質問には、多くの住民が「No(十分でない)」と言っています。
1月25日に事業者が開いた「プログラム開始記念式典」でも、プログラムの提供
を受けた町の住民組織や町長は、「当初、この町の住民組織のメンバーである
1376個人への補償を要求していたが、自分たちは要求を999家族に切り下げた
んだ。この999家族に対する補償が終わるまで、事業者は資金を用意し続ける
べき。そもそも、この町には、この住民組織のメンバーではなくとも、砂金採
取をしてきた住民がもっとたくさんいるんだから。」と、事業者に更なる対応
を強い口調で求めました。
こうした主張に対し、事業者は、「どんなに町長や住民組織が(事業者に対し
て)怒ろうとも、私たちは何を自分たちがすべきか知っている。今回の96家族
のプログラムがうまくいくなら、追加の資金を用意するだろう。」と述べ、ま
だ多く残る砂金採取者に対する補償措置の提供を保障しませんでした。
サンロケダムの事業者は、丸紅と関西電力が出資してつくった現地の合弁企業
です。そして、事業に使われた国際協力銀行の融資は私たちの預けている郵便
貯金や年金です。現地でダム事業の被害を受け、生活が苦しくなっている住民
に対する適切な補償措置をとることが、事業者と銀行に求められているのでは
ないでしょうか。
※砂金採取者の補償交渉についての関連ページ(2005年7月)
> 現地レポート 「道のりの長い砂金採取者への補償に、住民の苛立ちの声」
> 砂金採取の補償交渉の背景 |
 |
 |
|